ベトナム帰還兵バイオレンス・アクション映画の傑作!戦争捕虜生活で精神的外傷を負い、強盗に妻子を殺害された帰還兵が乗り出す復讐の旅。!内面的荒廃を抱えた男の孤独と壮絶な暴力描写がいつまでも後を引く、秀作カルト映画。!
あらすじ:ヴェトナム戦争の捕虜生活から帰還したチャールズ・レイン少佐(ウィリアム・ディヴェイン)と戦友ジョニー・ヴォーデン(トミー・リー・ジョーンズ)は、久しぶりに故郷テキサスの小さな町に足を踏み入れる。だが帰宅したチャールズのことを幼い息子は覚えておらず、妻は町の警官と良い仲になっていた。
しかし彼には崩壊の危機に瀕した家庭をどうすることもできない。その後町を挙げての帰還祝いで、チャールズは新車のキャディラックと捕虜生活の日数(7年間)を換算した2555ドル分の銀貨を、安酒場に勤める女リンダ(リンダ・ヘインズ)から贈呈される。リンダはチャールズに惹かれていた。
ある日帰宅したチャールズを、国境地帯に巣食う四人の無法者が待ち構えている。彼らは贈呈された銀貨の在り処を吐かせようと、チャールズを拷問にかけて彼の右手をディスポーザーで粉々にし、偶然戻ってきた妻子を射殺し銀貨を奪って逃げてゆく。チャ-ルズも撃たれて瀕死の重傷を負うが、その後搬送された病院で奇跡的に回復、右手の義手を装着して復讐に乗り出す…。 (作品資料より)
<感想>あの究極のオタク監督クエンティン・タランティーノが、自らが主催する埋もれた映画の配給会社名にしてみたり、はたまた「イングロリアス・バスターズ」ではブラッド・ピット扮するアルド・レイン中尉のその名前のルーツだったりするのがこの映画。「タクシー・ドライバー」、「ザ・ヤクザ」でハリウッドのトップ・シナリオライターになったポール・シュレイダーのオリジナル脚本を「組織」で注目されたジョン・フリンが監督したバイオレンス・アクションである。
とはいえ、ストレートなエンタテインメントになっているわけではない。その多くが狂気を感じさせるストーリーのシュレイダーらしく、本作の主人公、ベトナム帰還兵のチャールズ・レインも登場した時から狂気が滲んでいる。
7年もの間、ベトナムで捕虜となっていたチャールズが、その時の仲間ジョニーを演じる、トミー・リー・ジョーンズが若い。今では日本のTVのCMに出ては、お茶目な一面をのぞかせているが、トミー・リーのブレイク作品だった「逃亡者」ハリソン・フォードが主人公でしたが、私にはこの映画が一番好きです。
戦友ジョニー・ヴォーデンと共に故郷に帰ってくる。ブラスバンドの演奏と市長たちの讃辞の言葉。そして妻と大きくなった息子。そんな彼らに出迎えられたチャールズは、言葉少なに挨拶し、懐かしい我が家にと。
ところが妻は浮気を告白し、息子も本当の父親よりその浮気相手の方を慕っている様子。どうにか生還したものの、それを喜んでいる者はいないという現実。
だが、問題なのはそういう哀しむべきこと、怒るべき真実を突きつけられてもチャールズが何も感じていないというか、それに対してそっけない態度で応じるのだ。演じるウィリアム・ディヴェインは常に口をへの字に曲げ、笑うこともなければ怒ることもない。まるで無表情な感情をベトナムに置き忘れてきたかのようなのだ。
唯一生気を感じさせるのは、そのベトナムの捕虜時代を思い出す時だけである。
そんな彼に再び不幸が襲いかかる。戦争の英雄として贈られた銀貨を狙い強盗団が家に侵入。妻と息子を殺し、自分の腕もディスポーザーの中に突っ込まれて、ズタズタにされ、義手に変えられてしまったのだ。
それでも表情を変えない彼は、しかし復讐の旅に出る。かつての仲間を招集し、かつてのように銃を構え、強盗団のいる場所へ。
その時始めて生き生きとした表情を見せるチャールズと仲間たち、・・・。当時としては、もっとも過激なジョン・フリン監督らしいバイオレンス・シーン、血みどろのクライマックス、無表情なのに雄弁に語りかけるウィリアム・ディヴェインの存在感。そして狂気と痛みと時代と社会をかんじさせるシュレイダーの秀悦な脚本、演出とキャストの演技力が揃って見所満載の映画になっています。
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あらすじ:ヴェトナム戦争の捕虜生活から帰還したチャールズ・レイン少佐(ウィリアム・ディヴェイン)と戦友ジョニー・ヴォーデン(トミー・リー・ジョーンズ)は、久しぶりに故郷テキサスの小さな町に足を踏み入れる。だが帰宅したチャールズのことを幼い息子は覚えておらず、妻は町の警官と良い仲になっていた。
しかし彼には崩壊の危機に瀕した家庭をどうすることもできない。その後町を挙げての帰還祝いで、チャールズは新車のキャディラックと捕虜生活の日数(7年間)を換算した2555ドル分の銀貨を、安酒場に勤める女リンダ(リンダ・ヘインズ)から贈呈される。リンダはチャールズに惹かれていた。
ある日帰宅したチャールズを、国境地帯に巣食う四人の無法者が待ち構えている。彼らは贈呈された銀貨の在り処を吐かせようと、チャールズを拷問にかけて彼の右手をディスポーザーで粉々にし、偶然戻ってきた妻子を射殺し銀貨を奪って逃げてゆく。チャ-ルズも撃たれて瀕死の重傷を負うが、その後搬送された病院で奇跡的に回復、右手の義手を装着して復讐に乗り出す…。 (作品資料より)
<感想>あの究極のオタク監督クエンティン・タランティーノが、自らが主催する埋もれた映画の配給会社名にしてみたり、はたまた「イングロリアス・バスターズ」ではブラッド・ピット扮するアルド・レイン中尉のその名前のルーツだったりするのがこの映画。「タクシー・ドライバー」、「ザ・ヤクザ」でハリウッドのトップ・シナリオライターになったポール・シュレイダーのオリジナル脚本を「組織」で注目されたジョン・フリンが監督したバイオレンス・アクションである。
とはいえ、ストレートなエンタテインメントになっているわけではない。その多くが狂気を感じさせるストーリーのシュレイダーらしく、本作の主人公、ベトナム帰還兵のチャールズ・レインも登場した時から狂気が滲んでいる。
7年もの間、ベトナムで捕虜となっていたチャールズが、その時の仲間ジョニーを演じる、トミー・リー・ジョーンズが若い。今では日本のTVのCMに出ては、お茶目な一面をのぞかせているが、トミー・リーのブレイク作品だった「逃亡者」ハリソン・フォードが主人公でしたが、私にはこの映画が一番好きです。
戦友ジョニー・ヴォーデンと共に故郷に帰ってくる。ブラスバンドの演奏と市長たちの讃辞の言葉。そして妻と大きくなった息子。そんな彼らに出迎えられたチャールズは、言葉少なに挨拶し、懐かしい我が家にと。
ところが妻は浮気を告白し、息子も本当の父親よりその浮気相手の方を慕っている様子。どうにか生還したものの、それを喜んでいる者はいないという現実。
だが、問題なのはそういう哀しむべきこと、怒るべき真実を突きつけられてもチャールズが何も感じていないというか、それに対してそっけない態度で応じるのだ。演じるウィリアム・ディヴェインは常に口をへの字に曲げ、笑うこともなければ怒ることもない。まるで無表情な感情をベトナムに置き忘れてきたかのようなのだ。
唯一生気を感じさせるのは、そのベトナムの捕虜時代を思い出す時だけである。
そんな彼に再び不幸が襲いかかる。戦争の英雄として贈られた銀貨を狙い強盗団が家に侵入。妻と息子を殺し、自分の腕もディスポーザーの中に突っ込まれて、ズタズタにされ、義手に変えられてしまったのだ。
それでも表情を変えない彼は、しかし復讐の旅に出る。かつての仲間を招集し、かつてのように銃を構え、強盗団のいる場所へ。
その時始めて生き生きとした表情を見せるチャールズと仲間たち、・・・。当時としては、もっとも過激なジョン・フリン監督らしいバイオレンス・シーン、血みどろのクライマックス、無表情なのに雄弁に語りかけるウィリアム・ディヴェインの存在感。そして狂気と痛みと時代と社会をかんじさせるシュレイダーの秀悦な脚本、演出とキャストの演技力が揃って見所満載の映画になっています。
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