パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

すべては愛のために★★.5

2015年11月10日 | DVD作品ーさ行

エチオピア、カンボジア、チェチェン、イギリスと4ヶ国におよぶ壮大なロケーションの中で、10年に渡って繰り広げられる男女二人の真実の愛の物語。主演は「17歳のカルテ」「トゥームレイダー」のアンジェリーナ・ジョリーと、「ボーン・アイデンティティー」のクライヴ・オーウェン。監督は「007/ゴールデンアイ」のマーティン・キャンベル。
アンジェリーナ・ジョリー紛する英国社交界の美しい人妻・サラは、慈善パーティに飛び込んできた青年医師・ニックと出会う。
「マスク・オブ・ゾロ」のマーティン・キャンベル監督が壮絶なクライマックスを用意し、壮大なスケールで描く救出劇!
あらすじ:裕福なイギリス人の妻となったことで華やかな社交界も経験し、優雅な生活を送るサラ。そんな彼女にある日、人生の転機が訪れる。それは、サラが義父の慈善活動の功績を讃えるパーティに参加した時。この虚飾に満ち溢れた会場に、突然、青年医師が痩せ細ったひとりの少年を連れ飛び込んでくる。その医師ニックは、「世界は今、この瞬間にも命を落とす子供たちがいる」ニックの言葉に心を動かされたサラは、遥かエチオピアへ向かうことを決意する。
翌日あの少年が死亡したことを知った彼女は一大決心、私財を提供するとともに、夫の心配を顧みず援助活動に向かう。過酷な現実を目の当たりにするサラ。銃の鳴り止まぬ内戦地帯で懸命に救援に従事するニックの姿に、熱い想いを抱きはじめたサラ。彼女たちを待ち受ける現実とは…。

<感想>アンジーの大ファンで、だいぶ前に購入したものです。原題が「BEYOND BORDERS」なんですが、邦題の方が内容に相応しい映画でしたね。難民救済とか社会紛争をテーマにした社会派映画だと思っていたら、途中からどんどん個人的な彼女の愛の方に話が変わってしまいました。
この映画の作り手たちは、いったい何を考えていたのでしょうかね。ハリウッド的思考に染まったメロドラマが、お腹をすかせたエチオピアの子供も、カンボジアの難民も、チェンチェンの民族紛争の犠牲者も、長距離恋愛中の二人の苦悩を強調するための小道具としか思えなかったらしい。

結局私たちが目にしたのは、時代錯誤なラブストーリーだったのですね。富豪の妻(アンジェリーナ・ジョリー)は、医師(クライヴ・オーウェン)の熱意にほだされ、難民の救済の活動にのめり込むと言う内容ですが、こうした悲劇を意図的に利用しようとしたわけではないと思うのですが、・・・考えてしまいます。
それでも幼い子供の腕をデジタル技術で、箸ほどの細さにした映像が映し出され、それは単なる背景にでしかない。
エチオピア、カンボジア、チェチェンとあちこちの問題を取り上げようとして、手を広げてしまって取りとめのない物語になってました。結局、どの場所もその後一体どうなったのか、全く触れられてないんですよね。

それと、アンジーが演じた主人公サラの無神経さには感心しませんでした。エチオピアに行くために夫からお金をもらい、難民のいるエチオピアへ行くのに、白い上着に白いロングスカートと白い帽子の姿。場所に不釣り合いな格好で、金持ちの有閑マダムと変わりない。金があるから恵んでやるというそんな風にもとれました。
で、若いクライヴ青年医師に心惹かれながらも、「夫との愛は冷めた」と言い二人は関係をもちサラのお腹には、彼の子供が宿る。お相手が、まだそんなに売れていないクライヴ・オーウェンなので、若くてイケメンだしカッコいいのでラブロマンス映画になっていました。
彼の子供を出産後も、チェチェンに恋人を探しに行く彼女は、もう夫に愛は残っていなかったのですね。“すべては愛のために“自分の情熱と感情の赴くままに生きる。
実際に「トゥームレイダー」の撮影で訪れたカンボジアで難民の実情に衝撃を受け、その後UNHCR親善大使として、難民キャンプへ自費で視察に出かけたり、継続して多額の寄付を約束するなど、積極的な活動をするアンジー。
この作品はまるで彼女のドキュメンタリーを観ているようで、深く深く入り込んでしまいました。作品にはちょっと不満があるけれど、ラストがあまりにショックだったから…放心状態でしばらく呆然としました。アンジーファンの方にはお薦めです。
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