『三日見ぬ間の桜』
とは、よく言ったものだ。
25日、買い物に街へ出たときには、
桜の枝は、まだ寂しかった。
今日の午後、河口の部屋に戻るため、
戸外に出て驚いた。
小学校、中学校周辺を始め、
視界は、淡い桜色に染まっている。
花咲か爺さんが、
一夜に花を咲かせたのかしら?
開花のプロセスを楽しむ暇させなかった。
天候の異変が、全国的に、桜の開花時期を早めたらしい。
政治は変えられるはずだが、
四季の巡りは、自然の成り行きに任せるしか仕方ない。
人間の叡智をもってしても、どうにもならない。
アマリリスは、
朝一つ、昼前にもう一つ開花した。
白い花が咲くはずの鉢には、
やっと緑がのぞき始めたばかり。
庭に、ニラバナが咲き始めた。
河口の部屋に戻り、
また、規則正しい生活を始める。
高所の窓から春を眺めながら……。
夕食前、自室から夕月を眺める。
夕食後には、南廊下の窓から、落日を眺める。