ぶらぶら人生

心の呟き

山口 懐古庵にて

2008-01-24 | 旅日記

 1月22日、誕生日の午後、特急おき号で、山口に向かった。
 特別な日くらいは、日常から脱出したい気持ちになって。
 誰かに拘束されるわけではないのに、生活臭の染み付いた家にい続けると、それなりに私自身の生活に縛られている気がする。
 抜け出すには、旅しかない。
 昨年も、旅に出た。今年より気力があったようで、一泊多く、湯田温泉と博多に宿泊した。九州国立博物館で、「伊藤若冲展」が開催されていたので、それを観、大宰府天満宮にもお参りするという旅であった。
 
 今年は、湯田温泉に一泊のみ。
 よく見知っている土地柄なので、温泉に入り、ホテルのもてなしの料理をいただくという非日常の生活の他は、読書に時間を費やすことを目的に。
 カバンに三冊の本を入れて出た。いずれも玄侑宋久の本。

 大寒中というのに、山峡にも雪はなかった。
 車中は、『アミターバ 無量光明』の続きを読む。
 日原の辺りで、携帯の着信音がなった。
 開いてみると、友人からメールアドレスの変更を伝えるものであった。
 器械に弱く、即座にアドレスを修正できない。
 そこで、ひとまず、送られたアドレスに返信を送った。

 眼下に津和野の町が開けてきた。
 山口線の沿線で、唯一、本から目を離して眺める町である。
 四年間を過ごした町でもあり、ただそれだけでもない懐かしさがある。今でも、この町には友人知己が多い。盆地を眺めて通る旅人に、具体が見えるわけではなくても、なんだか目を凝らして、町の一部始終を眺めて通る。
 冬のくすんだ町だが懐かしい。

 山口では、懐古庵で、一休み。
 お抹茶をいただく。(写真)
 目の前に活けられた小さな水仙の黄を眺めながら。

 懐古庵のお菓子を一箱求め、それに私が常用している整腸剤を一瓶添え、安来の妹宛に発送を依頼した。昨秋の軽い脳出血以後、万全ではないという妹の体調を案じながら。

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