ぶらぶら人生

心の呟き

東京へ (墓参)

2010-12-12 | 旅日記
 12月3日から7日にかけて、上京した。
 出立日の朝になっても、昨夜来の嵐模様がおさまっていなかった。
 雨が降り、強風が吹き荒れていた。全国的な嵐模様である。

 飛行機は飛ぶのだろうか?
 まず、羽田からの飛行機が到着しなければ、飛びたつことができない。
 空港に電話して、様子を尋ねた。
 予定通り、発着の予定とのこと、安心して空港に向かった。

 が、13時発の飛行機は1時間遅れで石見空港を離陸し、羽田着陸も、予定より1時間遅れた。
 羽田は快晴であった。けれど風は強く、機長が予告したとおり、着陸のとき、飛行機の両翼が、ひどく揺れた。
 いささか怖い体験だった。

 以前のブログにも書いたけれど、怖い体験といえば、30数年前、日本海の孤島、高島(今は無人)に行った帰り、突如、海が大荒れとなり、小型の船が転覆するのでは? と、相当の恐怖に見舞われたことがる。
 船が揺れるたびに、空と海面が交互に視界に飛び込んだ。

 今一つ、怖い体験の思い出がある。
 学生時代、浜田川を高校時代の同級生の漕ぐボートに乗って、松原湾に出たときのことである。思いがけぬ嵐がやってきて、ボートは、海原を漂う一枚の木の葉のような惨めさであった。が、漕ぎ手に比べれば、私の方が悠然としていた。
 
 今回の着陸直前の大揺れにも、どこか面白がっている私がいた。
 諦観なのか、楽観なのか?
 ひとりの人間の内部には、いろいろな要素が潜んでいるようだ。

 
 前回までの運行では、羽田到着が昼前だったので、午後の半日を有効に過ごすことができた。 今回の時刻変更で、4時間遅い到着となった。さらに一時間遅れである。
 日の暮れの早い東京では、間もなく黄昏が込めて、特別なことはできなかった。
 まずは、宿泊を予約している帝国ホテルに行き、部屋に荷物を置いた後、夜の食事をとるため銀座に出かけただけであった。そして、新鮮な魚介の<握り鮨>をいただいた。

 
 4日の朝、谷中に出かけ、師の墓に詣でた。
 昨日の強風は収まり、快晴の冬日和となった。
 谷中の桜並木も、広大な墓地のあちらこちらに亭々と立つ銀杏も、まだ秋の名残りをわずかとどめていた。
 (写真)

 師とのお別れから、まる7年が過ぎた。
 今もなお、何かにつけ、師を思うことは多い。亡き父母同様に。
 毎年、二度上京し、そのつど墓参をしてきたが、それをいつまで続けることができるのだろう?
 このたびも出発の前、万全の体調ではなかった。
 命には終わりのあることを考え、最近は、これが最後の墓参になるかもしれないと、その都度、思うようになった。

 が、来る年も、墓参が可能であれば幸せである。


         

                

          12月4日の朝(ホテルより)
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