ぶらぶら人生

心の呟き

曼珠沙華とトクサ

2020-09-29 | 小庭の四季

 数日前から、曼珠沙華の茎がぐんと伸び、頂端に赤い蕾が見え始めた。

 昼過ぎ、庭に出てみると、大小二つの花が開いていた。

 いつのまにか、トクサが地所を拡大し、曼珠沙華の地を奪わんばかりである。

  

  


 花はそれぞれ特色をもつが、多くの人々の目に触れる花のなかで、曼珠沙華ほど個性的な花は少ないように思う。

 有毒植物で、その形状の不思議からか、呼称も様々である。(「鱗茎は石蒜といい薬用・糊料とする」とも辞書には記されている。)

 「彼岸花」が、本来の呼び名らしい。が、私は、<曼珠沙華>という呼称が好きで、そう呼んでいる。(考えてみると、「彼岸花」つまり、<「彼岸」の花>と名づけられた段階で、不吉感と結びついたのであろう。「此岸花」ではないのだから。)

 [広辞苑]で、「彼岸花」を調べてみると、以下の呼び名が出ていた。

 <カミソリバナ><シビトバナ><トウロウバナ><捨子花><天蓋花><曼珠沙華>

 さらに、インターネットで調べてみると、地方によって、呼び名が様々あるようで、上記のほかに、<葬式花><墓花><地獄花><火事花>などなど、なんとなく不吉を感じさせる名前が紹介されている。

 昔は、特に忌み嫌われる花だったのだろうか? と、思わせるような呼称ばかりである。

 私の父(明治31年生まれ)も、なんとなく嫌っている様子だった。

 それが察せられたので、裏庭に紅白の曼珠沙華を植えてもらったのは、父の死後、数年を経てからであった。

コメント
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