ぶらぶら人生

心の呟き

<がらりと涼し>

2012-08-19 | 身辺雑記
 
    いつの間にがらりと涼しチョコレート  星野立子

 『私の好きなこの一句』(現役俳人の投票による上位340作品) 柳川彰治編著・平凡社刊(写真)

      

 を読んでいて、上句に出合った。
 <がらりと涼し>の日が待ち遠しい。
 <立秋の日>以後は、幾分暑気が収まりつつあるけれど、「がらりと」という感じではない。

 先日、本屋で求めた『私の好きなこの一句』は、編集の試みが面白い。
 現役俳人の投票によって選ばれた俳句集である。
 選択の対象は、江戸から平成までの俳句作品から、となっている。
 編著の意図としては、松尾芭蕉の句のランク付けを確認したかったようだ。

 一読者の私には、それはどうでもいいことである。
 こういう類の本は、どこから読み始めてもかまわないという自由さが嬉しい。

 さすがに高得点の句は、人口に膾炙したものが多く、素人の私でも口ずさめる句ばかりであった。

   海に出て木枯帰るところなし       山口誓子
   芋の露連山影を正しうす         飯田蛇笏
   おりとりてはらりとおもきすすきかな   飯田蛇笏
   遠山に日の当たりたる枯野かな      高浜虚子
   一月の川一月の谷の中          飯田龍太
   花衣ぬぐや纏わる紐いろいろ       杉田久女
   外(と)にも出よ触るるばかりに春の月  中村汀女
   去年(こぞ)今年貫く棒の如きもの    高浜虚子
   菜の花や月は東に日は西に        与謝蕪村

 以上が、上位10句である。
 松尾芭蕉の

   閑さや岩にしみい入る蝉の声

 が、12位にランクされている。

 有名な句は、幾度読み返してもいい。
 が、この本には、知らなかった名句が多数紹介されていて、折々に楽しめる。
 作者の生没年・鑑賞文・解説文の掲載されているのがいい。
 活字が大きいことも、実に嬉しい。

 最後に、<作品索引>が載っていて、利用しやすい。
 作者索引があるとさらに便利なのだが…。    
コメント
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