ユキノシタが、庭の木陰に咲き始めた。(写真)
ひっそりと咲く様が好きである。
ユキノシタ(「雪の下」「鴨足草」「虎耳草」)は季語として、『歳時記』(夏の部)に載っている。
花の白さが雪に喩えられ、形状が鴨の足、虎の耳に喩えられての命名だろう。
渡辺水巴(1882~1946)の句として、
ゆきのしたかろがろ咲いてはなやげる
が、紹介されていて、うまいなと思った。
ひらがなを多用し、<かろがろ咲いてはなやげる>と、ユキノシタの趣を捉えている。
番長も俺も毛深きゆきのした
という、穴井太(1926~1997)の奇抜な句も載っていて、軽妙な滑稽さを感じた。と同時に、穴井太という俳人に興味を覚えた。
私の持っている句集を探してみたけれど、穴井太の他の句を見つけることはできなかった。
ネットで調べ、幾つかの句に接することができ、ますます興味深い俳人だと思った。
ことこどく木を諳んじる時雨なり
九月の教室蝉がじーんと別れにくる
一樹のみ黄落できず苦しめり
など、単なる叙景ではなく、その句には、人間臭があり、物語が潜んでいる。
今日は、ユキノシタの縁で、渡辺水巴や穴井太という俳人の句に遇うことができた。
ささやかな喜びである。
ひっそりと咲く様が好きである。
ユキノシタ(「雪の下」「鴨足草」「虎耳草」)は季語として、『歳時記』(夏の部)に載っている。
花の白さが雪に喩えられ、形状が鴨の足、虎の耳に喩えられての命名だろう。
渡辺水巴(1882~1946)の句として、
ゆきのしたかろがろ咲いてはなやげる
が、紹介されていて、うまいなと思った。
ひらがなを多用し、<かろがろ咲いてはなやげる>と、ユキノシタの趣を捉えている。
番長も俺も毛深きゆきのした
という、穴井太(1926~1997)の奇抜な句も載っていて、軽妙な滑稽さを感じた。と同時に、穴井太という俳人に興味を覚えた。
私の持っている句集を探してみたけれど、穴井太の他の句を見つけることはできなかった。
ネットで調べ、幾つかの句に接することができ、ますます興味深い俳人だと思った。
ことこどく木を諳んじる時雨なり
九月の教室蝉がじーんと別れにくる
一樹のみ黄落できず苦しめり
など、単なる叙景ではなく、その句には、人間臭があり、物語が潜んでいる。
今日は、ユキノシタの縁で、渡辺水巴や穴井太という俳人の句に遇うことができた。
ささやかな喜びである。