この木は、以前から存在を知っている。初夏のころ、花を眺めながら、何の木だろう? と、思ったことがある。カメラにも収めたはずだ。
今朝の散歩で、赤い実がたくさんついているのに気づいた。毎朝、木の傍を通りながら、今まで気づかなかったのは、反対側の崖に咲く菊の花ばかり眺めていたかららしい。
赤い実をカメラに収めた。(写真)
ちょうどその時、顔だけは見知っている人に出会った。
朝の挨拶を交わした後、
「この木は何でしょう?」
と、尋ねてみた。
「まゆみ、です。……白い実のなる木もありますよ」
と、教えてくださった。
「あれも、まゆみ。あちらは実が少ないですね」
指差された方向を見ると、数歩離れた位置に、少量の赤い実をつけた木があった。
「暫くすると、実がはじけて結構きれいです」
とも、教えてくださった。
はじけた実は、どんな姿になるのだろう? 朝の散歩の楽しみが、また一つ加わった。
<ああ、これが、まゆみ>と、もう一度眺め直し、急に一木に親しみを覚えた。長年、その名を知りながら、そして、その木を眺めていながら、まゆみとは知らなかった私は、今日新たに、友人を得た思いだった。これからは、四季折々、この木との語らいをすることになるだろう。
「まゆみ」は、漢字では「檀」や「真弓」の字が当てられる。別名では「山錦木」とも言うそうだ。
その材は、将棋の駒やこけしを作るのに使われ、昔は弓を作るのに使われたことから「真弓」の字が当てられたらしい。
女の子の名前にもよくあり、音の響きがかわいらしい。
今朝の散歩で、赤い実がたくさんついているのに気づいた。毎朝、木の傍を通りながら、今まで気づかなかったのは、反対側の崖に咲く菊の花ばかり眺めていたかららしい。
赤い実をカメラに収めた。(写真)
ちょうどその時、顔だけは見知っている人に出会った。
朝の挨拶を交わした後、
「この木は何でしょう?」
と、尋ねてみた。
「まゆみ、です。……白い実のなる木もありますよ」
と、教えてくださった。
「あれも、まゆみ。あちらは実が少ないですね」
指差された方向を見ると、数歩離れた位置に、少量の赤い実をつけた木があった。
「暫くすると、実がはじけて結構きれいです」
とも、教えてくださった。
はじけた実は、どんな姿になるのだろう? 朝の散歩の楽しみが、また一つ加わった。
<ああ、これが、まゆみ>と、もう一度眺め直し、急に一木に親しみを覚えた。長年、その名を知りながら、そして、その木を眺めていながら、まゆみとは知らなかった私は、今日新たに、友人を得た思いだった。これからは、四季折々、この木との語らいをすることになるだろう。
「まゆみ」は、漢字では「檀」や「真弓」の字が当てられる。別名では「山錦木」とも言うそうだ。
その材は、将棋の駒やこけしを作るのに使われ、昔は弓を作るのに使われたことから「真弓」の字が当てられたらしい。
女の子の名前にもよくあり、音の響きがかわいらしい。