さようなら iPhone SE（第1世代）

２年かけて上層を説得し、会社役員からの早期リタイアを達成した。
iPhone SE（第1世代）は、会社役員になって２年４ヶ月経過した２０１０年から早期リタイアまでの間、会社から貸与されていた初期の歴代 iphone と同一デザイン、同一サイズだ。

こいつを手にした瞬間、会議中の社長から時折入る質問メールに即時返信し、出張先のホテルで部下の相談にのり、父の出棺を撮影してもらい、３.１１のビッグサイトから奇跡的に家族と繋がり、シャトルバスで辿り着いた東京駅で一旦入った構内から出て部下と別れた後にホテルを探したり立ち食い蕎麦で暖を取っているうちに運転再開した銀座線 最寄駅への道をナビしてくれたり、震災直後に会社が手配した駅ビルホテルの窓外を眺めたり、その後 灯りの消えた会社帰りの電車内で Rainbow Live in San Antonio Convention Center を観たり、それまで全く興味がなかったのになぜか俄かに聴きたくなった 山崎ハコ を聴いたり、等々の景色が蘇った。


訳あって、遠方でセットアップした帰途、電車内で Twitter にログインしたとき、過去のツイートを表示した こいつは記憶を取り戻したかのようだった。

そして、以前ダウンロードしたアプリを概ね揃え、アイコンを整理した画面と向き合えば、いよいよ懐かしい友人と再会した気分だった。


残念ながら、昨年の iOS 16でサポート対象外になったことから、セキュリティに不安を感じ、自主規制で２０２２年１２月３１日をもって使用を終了。

iOS って Windows のように「THE END（〇年〇月〇日にサポートが終了します）」表示が出ないんだね。




時に モノ は モノ の枠を超え、友人、隣人、同居人といった域に達する ・・・ こいつと過ごした５年３ヶ月は楽しかった ・・・

ありがとう、そしてさようなら、 iPhone SE（第1世代）。