ブルーベルだけど

君にはどうでもいいことばかりだね

天才が蘇らせた天才

2019-08-25 06:36:32 | 日記
23日 18時30分 BS 朝日。
珍しくスマホのスケジューラーにも入力した。

“聖の青春” ・・・ なぜ映画館で観なかったんだろう。


主人公となる村山聖が亡くなったのは29歳。
丁度、長男とも次男とも年齢が近く、第三者ではいられないのだ。


演じたのは松山ケンイチ。
このひとが尋常ではない。

役作りで太った二重顎の彼には常にネフローゼ特有の重篤な疲労感が漂う。
その迫真の演技は、演技などではなく 「本人?」 と錯覚させる。


人生の残り少なさを悟り、鬼気迫った 「名人になる」 という願望。
生命を削りながらの勝負師は、半端な者を徹底的に否定し排斥する。


一方、不器用で口下手で奥手で弱気な面も描かれている。
健康に不安がなければ正面を向いて恋愛だって結婚だってしたかっただろう。


進行性膀胱癌になり、これが見つかっていく過程の表情、所作は凜としながらも更に陰鬱さを増していく。


日常風景のように終始穏やかな笑顔で父親に密葬を希望するシーンは、観ている側を精神の限界に。


遂に癌が再発し、転移も見つかった無念と絶望は?
そして1998年8月8日に青春を終えた。




「演技が上手い」 とか 「よく似ている」 と感じさせる役者は少なくない。
一方、「これは本人なのでは?」 と思わせる役者など殆ど見ない。

その類い希な才能を松山ケンイチは持っているようだ。
恐らく、今やあまり耳にしなくなった “役者魂” もあっての才能だろう。




翌日は More Than a Feeling から Don't Look Back 経由で Amanda が収録されている Third Stage までを何度も繰り返し聴いた。

映画の中で出てきたプロフィール用紙の欄に 「ボストン」 と書いてあったから。

命日でもないのに、こんなことをするなんて全く不思議でならない。






「怪童丸」 そして 「東の羽生、西の村山」 とも呼ばれていたとか。

天才が演じ蘇らせた天才は悲しすぎて切なすぎて寂しすぎて、久しぶりにボロボロ泣いた。









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする