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ハンフリー・サールの交響曲第2番作品33を聴く

2020-03-08 11:50:28 | 古典~現代音楽イギリス編
今回は1915年に生まれたイギリスの作曲家ハンフリー・サールが、
1958年に作曲した交響曲第2番作品33をとりあげる。
ハンフリー・サールは、ロンドンの王立音楽大学で学び、
ジョン・アイアランドに師事した作曲家である。
セリー技法を取り入れた作品を残し、映画音楽なども手掛け、
フランツ・リストの研究者としても知られている。
今回聴いたCDはヨーゼフ・クリップス指揮、
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるものである。
第1楽章マエストーソ-アレグロ・モルトは、
重々しい感じで始まり、金管楽器により荒々しさをみせていく。
中間部は静かな部分で木管楽器中心に展開され、
最後は金管楽器により盛り上がって終わる。

第2楽章レントは、弦楽器によりゆったり重々しく始まる。
その静けさは一旦金管楽器によって破られるが、
再び静まったあと弦楽器中心に徐々に盛り上がりをみせていく。
チェレスタと木管楽器による神秘的な部分を経て、
再び重々しく沈鬱な感じが続き、金管楽器も鳴り響き、
いったん静まったあと次の楽章に続く。
第3楽章アレグロ・モルト-レント、ソレンネは、
荒々しい感じで始まり、金管楽器が鳴り響き盛り上がる。
激しくリズミックな旋律が続いていき、
静かな部分と荒々しい部分を繰り返しながら、
最後は緊迫した感じの中で終わる。

この交響曲には、不安や恐怖や緊迫感がある。
現代は目まぐるしく状況が変わっていく。
予測できない事態も起き、それが不安感を増加させる。
新型ウィルスの感染もあまりにも速く世界で広がっている。
しかし、その恐怖や不安に対して負けてはいけない。
冷静に事態を考えながら、見えない敵に対し、
強い意志で戦う気持ちが大切なんだろう。
この交響曲を聴いていてそんな気持ちになった。

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