Mars&Jupiter

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カール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」を聴きながら横浜から和田町まで歩く

2007-11-19 07:07:48 | カール・オルフの作品
まだまだ風邪が治らないけれど、
昨日は横浜から和田町駅まで歩きました。
今回からは合唱曲・声楽曲をとりあげる。
まずはカール・オルフの作品を特集したい。
代表作「カルミナ・ブラーナ」について
4回にわたってとりあげてみたい。

1895年ミュンヘンで生まれたオルフは、
ミュンヘン音楽学校で学び、劇場の指揮や
合唱の指揮などで活躍し、教師としても活動した。
1937年初演された「カルミナ・ブラーナ」の大成功で、
ドイツ各地で上演されるようになり、
世界的にも知られるようになった。
今や数多くの録音されたCDが存在するように、
管弦楽付きの合唱曲として人気の作品となっている。

数あるCDのうち昨日聴いたCDの演奏は、
アイヒホルン指揮、ミュンヘン放送管弦楽団のものだ。
録音は1973年で古いのだが、金管楽器の演奏が素晴らしい。
「芝生の上で」の「踊り」の弾んだリズムがいい。
なお、インタビューに答えるカール・オルフの声も入っており、
「カルミナ・ブラーナ」をなぜ作曲したのかについて
その作曲の意図などについても知ることができる。

「カルミナ・ブラーナ」の最初の曲は、
「おお、運命の女神よ(O Fortuna)」は、
何といっても歌詞と音楽がいい。
バイエルンのベネディクト=ボイレン修道院で
発見された中世の詩集をもとにしたこの作品は、
最初に聴いた時から気に入ってしまったのである。
その時のレコードは、ストコフスキー指揮のものだった。

この「カルミナ・ブラーナ」のそもそもの詩集には、
いくつかのものに音符が付いていたため、
中世楽器でその音楽を再現したものがCDで出ている。
コーエン指揮、ボストン・カメラータ演奏のCDでは、
この「おお、運命の女神よ(O Fortuna)」が、
取り上げられているが、曲がつけられていないため、
その同時代の音楽の旋律を転用している。
だからこそ、この詩には、オルフの音楽の方があっている。
運命の女神がふざけたような気持ちで、
人々の人生を踏みにじり、一瞬に貧しくし、
時には権力をも一瞬に消させるという運命の女神の
いたずらのような行為への人々の嘆きは、
聴き手に強烈な印象を与えるだろう。

「運命の女神の痛手を(Fortuna plange vulnera)」は、
軽快なテンポで展開されるいい曲であるが、
やはり運命の女神が回す車輪が、過去の栄光を奪い、
冷たい仕打ちを加えるさまを描いている。
中世のヨーロッパの人々の人生観を、
この詩の中でみることができる気がする。
そんなこといったら現代社会だって、
運命の女神のいたずらはどこにでもある。
景気変動の激しい時代の中で、一喜一憂するうちに
自分の知らないうちに人々はすっかり運命の女神の力に
支配されているのかもしれないなあ。

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