goo blog サービス終了のお知らせ 

Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

フランツ・シューベルトのピアノ・ソナタ第16番を聴きながら星川駅から横浜まで歩く

2008-07-03 04:57:13 | フランツ・シューベルトの作品
昨日は星川駅から横浜まで歩きました。
今回から器楽曲・室内楽曲はドイツ・オーストリア編に入る。
途中聴いたのは、1797年生まれのフランツ・シューベルトの作品。
ずっと前に買っておきながら、聴いていなかったCDで、
ラドゥ・ルプーの演奏によるものがあったので聴いてみた。
聴いたのはピアノ・ソナタ第16番イ短調D.845(作品42)である。
1825年に作曲されたこの作品は、四つの楽章から構成されており、
ルプーはシューベルト独特の叙情的な世界を活かしながら、
ダイナミックさをあわせもつこの作品に対し、素晴らしい演奏を展開している。

第一楽章モデラートは、ソナタ形式による楽章で、
その形式的な部分ではベートーヴェン風な部分もあり、
悲劇的な主題がドラマティックな展開をみせていくが、
歌曲風で叙情的な主題にシューベルトらしさをみることができる。
第ニ楽章アンダンテ、ポコ・モッソは、主題と5つの変奏で構成され、
穏やかな音楽の中に、彼らしい歌曲の世界をみることができる。
第三楽章メヌエット、アレグロ・ヴィヴァーチェは、
三部形式による楽章で、トリオの部分が幻想的でいい。
前後の部分の軽快でダイナミックなところが、
ベートーヴェンを思わせるところがあり対照的である。

第四楽章ロンド、アレグロ・ヴィヴァーチェは、
流れるような軽快な音楽の中で、歌うような部分は、
シューベルトらしさが出ており、ダイナミックで
劇的な終わり方は、ベートーヴェンの音楽を感じさせる。
とはいえ、ベートーヴェンを意識しながらも、
その音楽から脱却した自分らしい音楽を、
創造できないかと苦悩していたことを感じさせる。
そういう意味ではシューベルトらしい歌の世界が、
このピアノ・ソナタにところどころで見ることができる。
それにしても作曲家というものは大変なものだ。