今月になって国内31頭目のBSE(牛海綿状脳症:狂牛病)が確認された。今ではすっかりマスコミの興味を失った感があるが、依然として着実に発生が確認されている。
BSEの原因はいまだ特定されていないが、全頭検査を自治体が実施している(国は全頭検査を止めた)中で、若干の傾向はつかめてはいる。今回の31頭目の牛は、鹿追町産であるが、鹿追町産かそこで育った牛としては14頭目になるし、99もしくは00年生まれ の牛が15頭にもなる。とりわけ、この05.06.の2年刊で確認された18頭中00年(9頭)99年生(4頭)まれが12頭にもなり、際立った数字を残している。
これらの分析は、いまだに進んではいない。子牛の時に与える粉乳が給与されていることが確認されているくらいである。96年春生まれに集中していた、初期の数頭についても同様に、検査が進んでいない。BSE発生の特定の道は険しいものがある。
しかしながら、わが国の取った処置は評価されるべきと思われる。全頭検査と、飼養経歴を徹底したことである。
ところで、今月6日に韓国では輸入アメリカ産牛肉の中から、骨片確認され輸入禁止処置がされている。これで、韓国はアメリカ産牛肉の輸入禁止措置は3回目になる。
アメリカのジョハンズ農務長官はは「米国からのすべての牛肉製品を拒絶する口実を見つけだそうとしている」と、強硬な姿勢を見せ、輸入問題にすりかえようとしている。市場開放を拒否する姿勢の批判などとは、本来関係ないことである。FTA交渉に影響するぞなどと脅しも受けているようである。
アメリカ産牛肉が安価なのはそれなりの理由がある。アメリカの杜撰な検査と、BSE意識がないことと、商業ペースでしか食品を評価しないことである。
国が、アメリカの願色を窺って全頭検査を放棄したり、輸入再開に道筋を付けたりする意味合いを今一度確認する必要がある。