そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

”公共事業の少額見積もり”それは、十河信二国鉄総裁の東海道新幹線に始まった

2023-11-23 | 民主主義

日本の高度経済成長のシンボル、東京オリンピックと並び支えた象徴が新幹線である。この日本初の広軌の全線高架の東京・大阪間の、東海道新幹線の建設を巡っては、国鉄総裁十河信二の狸芝居というか腹芸というか、騙し戦法予算で委員会を通す戦法が通例となった。
新幹線建設計画として十河に上がってきた金額は、5年間で3,000億円を超えるのであった。国家予算の10%になる金額が通るわけないと踏んだ、もと満鉄の理事の十河は出鱈目金額を命じた。そうして上がってきた金額をさらに削って、1,972億円という金額にさせた。
十河は旧友の吉田茂や佐藤栄作との親交を最大限利用して、兎に角計画案だけを通し、世界銀行の借款も取り付け工事が始まった。結局当初予算に近い、3,800億円もかかったのである。十河が猫騙しに使った金額のほぼ倍である。
返済が滞った時の支払いは、日本列島改造論の田中角栄の一括で終わった。
東海道新幹線は、高度成長期の日本の人の流れを大きく変え、無死亡事故で観光やビジネスや地方活性に大きく貢献したことで、十河信二や副総裁の島秀雄の強引な度重なる予算追加などの批判はかき消された。
こうした悪しき風習はその後の日本を席巻し、継続固定されている。土木工事でまともに予算内で済むことなどほとんどない。特にトンネルや橋の建設は追加予算請求し放題である。

この悪習は現在、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設と大阪関西万博計画で、天文学的に高くなってようやく一部国民は気が付き始めた
辺野古新基地建設では、当初9,300億円の予算計画であったが、30%の現状で半額を越えてしまっているが、30%も危ういもので埋め立ては僅か14%になったかどうかというレベルで、完成予定の2030年には2兆円を超えるのは確実である。近隣諸国を圧し挑発する巨大米軍基地の存在に、なぜこれほどまでの多額の国家予算をつぎ込まなければならないのか、地元はあらゆる機会に反対表明するが、到底理解できない。
大阪万博はもっと悲惨である。1,250億円の予算がすでに2,300億円と倍になっているが、これでは到底間に合わない。3,000億円を超えるのは確実であるが、それより参加各国が尻込みし始めている。正常な開催すら危ぶまれているが、強行するようである。入場人数も相当少なくなるだろうが、それでも跡地を賭場に変えようという維新の案が見え隠れする。万博は捨て駒と思っているのだろう。
十河総裁が開いた道は、結果が良ければいいだろうと、黙ってろとばかりの乱暴な手法である。この手法はこの国は定着したままである。


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