そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

再度食料自給率を考える

2007-05-20 | 再生可能エネルギー

食料自給率がカロリーベースでおよそ40%程度である。自給率と言うとなんとなく安心感があるが、これを逆に「食糧依存率」として考えると良い。食糧依存率は60%にもなっているのである。

Photo_119 独立国家としての意味がなくなる。拙書「そりゃないよ獣医さん」新風舎刊などでも主張しているが、この歪な国の体系を作ったのは、市場経済である。食糧依存率がダントツに高い日本が、世界中どこからでも食べ物を買い付ける結果、食料の価格を吊り上げているのである。

世界中で8億人の飢餓人がいるが、昨年肥満人口がこれを上回ったとFAOが発表している。

食料が足らないのではない。偏在しているだけなのである。わが国の食べ残しは、年間で1100万トンにもなるが、これはWFP(国連世界食糧計画)が、年間援助する量の約3倍にもなるのである。

貧困国家に食料を援助することも問題である。彼ら自身に生産させることが、先決でWq_cows_1 ある。また、貧困の原因を探ることも、先進国の重要な責務である。多くの場合、先進国の収奪や利権争いなどが貧困の原因であることが多いからである。

あるいは、先進国が海外依存を下げることも重要である。先進国は、消費穀物の半分以上を家畜に与えている。その家畜が肥満状態の発病寸前である。ところがここにきPhoto_120 て、家畜ではなく車に穀物を与えようとする動きが、更に貧困国家の飢餓を促進させてりる。

エタノールは、余剰農産物や非食料炭水化物のセルロースなどを対象にして、人と競合させてはならない。農産物価格が他産業に比べて極端に抑えられている先進国では、安価な労働力で生産される発展途上国から何時までも、市場論理で買い付ける横暴を反省しなければならない。

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