そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

そして誰も騒がなくなった消費増税、メディアが楽しく朗らかに語る

2019-10-02 | 消費増税

かつては国中が大騒ぎした消費税の導入である。当初の売上税時代には、政権が転覆するほど騒がれたものである。1979年に大平正芳総理が構想を出すと、大騒ぎになり自民党は選挙で敗北し、売上税を取り下げた。1987年には中曽根康弘首相が選挙公約を破り再度構想を出したが、一度も審議されることなく廃案になった。
1988年に竹下昇首相が、所得税減税を代替えにして消費税と名を変えた新たな案が成立した。竹下政権の支持率は、消費税3%を下回った。参議院選挙には社会党が大勝した。土井たか子委員長を要する社会党の女性が多く当選したことで、マドンナ旋風といわれた。
その後自民党はことあるごとに、5%、8%そして10%とこともなげに消費増税を続けてきた。増税すたびに景気が落ち込むという、解りきった構図が示されている。
増税が逆風になるという一般論ではなく、消費増税を何らかの代替えにしてきたのである。8%以降は財界のご機嫌伺いに、法人税の減税と高所得者の減税を差し出した。つまり消費増税は増えた分大企業と高所得者の減税の穴埋めをしたに過ぎない
結局、国全体の税収に変わりはなく、格差拡大に消費税は大きな意味を持ったに過ぎない。それを手助けしているのは、あれほど国を挙げて反対したことをすっかり忘れてしまっている、国民全体のお人の良さである。売上税にあれほど反対していた、公明党の転身も見事であるが、崩壊した社会党の流れの中にある民主党が消費増税を条件に解散したのはお笑いである。売上税当時の反対理由のほとんどが現実化したばかりか、更なる格差という大きな社会的問題を残した。
それに加えて、安倍晋三は社会資本の充実に充てる、財政再建に充てると言いながら、実際にはほとんど使われてはおらず、防衛費の充実にあてている。
なのに、増税が始まった昨日から、あらゆるメディアは政府の出した増税を猫騙しのキャシュレスのお得感や対策などを、朗らかに流している。増税の意味や消費税の本質などは、全く触れることがない。政治を語ることをあらゆる所で不適切扱いされて、増税の及ぼす景気動向などもうすっかり忘れたのである。

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消費税は『天下の悪税』である! (mobile)
2019-10-03 07:55:11
『消費税は天下の悪税である!』
キチンと理由を述べます。
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『世界の消費税率比較』のグラフ等を見せられて『ヨーロッパ諸国に比べると消費税率はまだまだ低い』という誤解をしがちなのですが、実は税制の成り立ちが全然違うのです。
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税制にはアメリカに代表される『直接税主導型』と、ヨーロッパ諸国に代表され『間接税主導型』の2派があるのです。
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『直接税主導型』とは『所得に対して課税する方式』です。具体的には所得税や法人税、県民税、市民税が中心となります。アメリカの税制を導入した日本もこの『直接税主導型』です。
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『間接税主導型』では、法人税、県民税、市民税はごく低いか、または取らないようになっています。消費に対して課税するので、所得には基本的に課税しないのです。
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日本は本来『直接税主導型』であるにも関わらず『消費税』の導入が行なわれ、所得および消費の両方に課税されるスタイルになっています。
これでは『税金の二重取り』です。
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よって私は『消費税は天下の悪税である!』と言い続けているのです。
増税は『企業に対する付加価値税の新設』をもって行うべきなのです。
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