そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

似て非なる「軽減税率」という名の”たった2%を据え置く”論議

2015-12-02 | 消費増税
安保関連法の強引な採決で、すっかり傷ついた平和の党の公明党が、バカの一つ覚えのように言い続けてきたのが「軽減税率」である。自民党もここは言うことを聞かなければならないと聞く耳を傾けているが、一律10%にした場合との差額の上限を、4000億円と決めてしまった。生鮮食料に限られることになる金額であるが、この検討は軽減税率でもなければ、低所得者への配慮でもなんでもない。只の公明党がうるさく言うから、検討しているフリをしているにすぎない。自民党の政治的、党利的動きでしかない。
麻生太郎が「軽減税率の導入、誰もが嫌がってるよ」と口をへの字にしてだみ声でいうのは、自民党と官僚の本音である。
そもそも、「軽減」とはおこがましい。すでに何もかも、8%にしておきながら今度上げる差額の”たった2%を据え置く”品目を検討しているだけであるヨーロッパ各国では、消費税(付加価値税)は20%前後であると、日本の消費税が低いことを官僚はアピールするが、食料や医療や教育関係については、0かせいぜい5%程度である。国家財源に占める割合は、30%程度であるがこれは今の日本と変わりない。消費税から得られる財源はすでに上限に達していると言える。
日本の消費税は、あらゆるものに均等に課税している。消費税の逆進性はそのままで、格差社会の拡大につながっているのである。軽減税率はこうしたことを補うためのものである。たった2%上げずにとどめ置く処置を、しかも上限を4000億円に決めての、エセ「軽減税率」論議に騙されてはならない。
辺野古新基地の増設は6000億円である。防衛予算は初めて3兆円を超える。消費増税は、財政再建と社会保障費の確保ではなかったか。アベノミクスとやらで、土木事業のばらまきは目に余る。財政再建は何処に行った。
社会保障費は自然増を下回る増額しかやっていない。これでは、増税した税金は財政再建はおろか、社会保障費にも回っていない。増税した税金は軍事費に回していると言っていいだろう。
安倍晋三は、国民の生活や1千兆円を超える財政赤字のことなど全く考えていない。身を削って国家に奉仕する国民を望む、自民党の憲法草案そのものと言える。こんな現状で消費税を10%に上げることそのものが問われなければならないのである。


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1 コメント

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Unknown (あやか)
2015-12-03 18:56:50
安倍首相は、アメリカでの講演会で、GDPを増やせば防衛費を増やせる、と言いました。何を媚びているのでしょうか。アメリカは防衛産業従事者を養う力がなくなった。だから日本に支払いをさせます、ということでしょうか。

いずれにしても、この円安で利益が上がったのであれば、国民に対する借金を返すなり、消費税を止めるなりすればよいのに、過去最高の防衛費に公務員の給料アップですか。完全に借金を踏み倒すつもりのようです。

アメリカの前TPP担当が、日本の構造改革に今も外圧有効、と述べているようですが、いずれ、社会福祉政策がアメリカのように恐ろしいことになりそうな予感があります。

安倍首相も麻生さんも、その発言から戦前を非常に参考にされているようなので、防衛費が増えると共に自衛隊の権限が増すことも計算づくのようです。自民党草案が憲法になることが万が一起これば、国民の財産は国益の前には風前の灯ですので、すっかりあてにして余裕のよっちゃんのようにみえます。

拡大財政の後始末、戦前は戦争でした。これからどうするつもりなのか。時代錯誤すぎてついていけません。
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