そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

先に経済発展した国が途上国への支援に取り組むとするCOPの空洞化

2022-11-13 | 気候変動

気候変動の影響で激化する台風の影響を直接受けているフィリピンの農家たちが、COP27に参加する世界のリーダーたちに向け「損失と損害」の資金増加を求め抗議している(上図)。横断幕に、「気候汚染者へ: 損失と損害を補償してください」と書かれている。
パリ協定の第9条では、先進国から開発途上国の「緩和」および「適応」への資金提供が義務づけられていて、2015年のCOP21では、開発途上国がクリーンエネルギーに切り替えるのを支援するため、先進国は2020年までに年間1,000 億ドルを開発途上国に提供することを約束しあるが未だに実現していない。
パキスタンやバングラデシュでの大洪水やアフリカで深刻化する干ばつや熱波など、すでに起こっている気候変動に対する「適応」と「損失と損害」に対する開発途上国への経済支援など行われることはない。
むしろその逆で、CO2排出の最たる戦争を支援する、環境にしてみれば、どちらが悪という論議など意味がなく、ドンパチやって最悪の環境問題でもある。戦争を非難する決議は可能であろうが、具体案など出ることはないだろう。
環境保護を訴えるNGOの「気候行動ネットワーク」は、今年も地球温暖化対策に消極的な国に贈る「化石賞」に日本を選んでいる。
今年はデモが事実上禁止されて、派手な集会などおこなわれていない。例年注目を集める環境活動家のグレタ・トゥンベリさんは、「声を上げることが難しい」として、今年は参加していない。
総じて大人しくなってCOPも、戦争の影に隠れてしまった感がある。決議事項も強制力がなく、大きな曲がり角に来ているように思えてならない。

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