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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

なんとももどかしい安保関連法の違憲訴訟、この分だと全敗であろう

2023-05-03 | 平和憲法

集団的自衛権行使容認を閣議決定した安保関連法案(戦争法)を、95%の憲法学者が違憲か違憲の疑いがあると。法案がロクに論議も審議もされなかった当時の熱気は消えつつある。
消火に回っているのが、誰あろう司法、裁判所である。安保関連法案が憲法違反になるとの訴えが、全国10数カ所で行われている。私も札幌での原告の末席に名を連ねていた。
安保関連法が憲法違反であることは明らかなのであるが、訴訟は国民が被害を被っているという訴えでしかできない。つまりこの法律でどのような被害を被ったのか証明しなければならない。平和に暮らす権利が奪われたとするのであるが、なんとももどかしい。即ち、戦争の不安が増したということになるのであるが、裁判官は「具体的に戦争は起きておらず、平和に暮らす権利は奪われてとはといえない」と、安保関連法が違憲か度かの、憲法判断はされず、門前払いとなっている。
訴訟の内容も判決も各地で多少の違いはあるが、概ねこんなところである。札幌訴訟は、上告を諦めてしまった。
しかし、判決は、「戦争が起きてから訴えろ」というな内容である。戦争が起きたら訴えるどころではないだろう。
しかし、この安保関連法は憲法違反以前に、民主主義の基本、立法の府の制度の根幹を崩してしまったことの方が大きい。これまで安全保障の憲法上の解釈を、内閣府法制局に委ねてきていた。純然たる法解釈を権力の側はせず、司法にも解釈させずにいた。これを安倍晋三は、人事によって内閣法制局の解釈を取り上げ、閣議決定で決めてしまった。
歴代内閣が、集団的自衛権は憲法改正でしか実現できないという解釈を、全く非民主的手続きでひっくり返してしまったのである。特に閣議決定は、司法の内部会議の一つにすぎず、お役人が実質的に安保関連法を決定したといえる。審議をほとんどしなかった立法府はなくても良かった。
各地の判決でも、例外なく憲法について全く触れることなく、門前払いを行っている。司法は見事に盛り上がっていた、護憲運動を消火したのである。
最高法令規範の憲法が、いかに希薄になっているかを憲法記念日の今日、日本の崩壊をしみじみ感じるところである。

コメント (2)
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