
世界最貧国になった北朝鮮は、瀬戸際外交を繰り替えるが、一度は核開発の放棄でIREAの指示に従っている。やがて化けの皮は剥がれてしまうのであるが、北朝鮮の主たる政策はいわば、社会主義国家を目指した内政の失敗から”金体制”の保全が最大の目的に代わってしまうのである。
その目的に全く合致してくれたのが核開発である。そしてその補完のミサイル開発である。人道的に許されることではではないし、核保有国が認めることなどありえないことである。核開発は外交的に、脅しと騙しとおねだりの道具として、北朝鮮の存在を際立たせてきた。金体制を支える、ほとんど唯一の手段である。
北朝鮮に核放棄を交渉の前提にすることは、権力者金正恩の存在を否定することになる。制裁は効果がないという事を理解しなければならない。北朝鮮国民は貧弱な情報しかもらえていない。金体制は国内的には、恐怖政治もあり安泰である。崩壊はいまのところ程遠い。政策転換のために制裁するとする、安倍晋三は北朝鮮の政治体制を、拉致問題以降一貫して理解していない。
北朝鮮の核開発には、交渉しか残された道はなく、制裁は新たなる中東をまたアメリカが生むことになりかねない。核保有の現実を前にした交渉をしなければならない時期になっているといえる。