政府は原発を「重要なベースロード電源」と位置付け、原発稼働の推進方針を維持する新たなエネルギー計画案を決定した。電力業界と財界の意向に沿った、極めて短絡的・短期的な方針である。
ベースロード電源? はて? 聞いたことがない。政府にご理解を示しているNHKによれば、昼夜を問わず供給する基礎的な電源であるという。原発を発電の基礎にしようというのである。再稼働というレベルではない
茂木経産大臣は、「原発ゼロなどと根拠なく示すのは責任あるエネルギー政策とは言えない」とのべ、核サイクルの推進も打ち出している。ただの一度も稼働することにない、1兆円を超えるお金を食い尽くしているもんじゅをも動かそうというのである。
その方がよっぽど無責任である。さらには、なんといっても核廃棄物の処理方針も決まっていない。各方面の学者や文化人が、このことだけでも原発の存在を疑問視している。
新たなニュースとして、聞き慣れた放射能漏れ事故が未だに繰り返されている、福島原発事故現場である。だのに再稼働への免罪符を与えようとしている。
日本は技術大国である。多方面で基礎的な高い技術が潜在的に存在する。車の排気ガス規制がいい例である。光化学スモッグで、都会は滅亡するのではないかと思われた時期もあったが、見事克服している。
政府が自然エネルギーへの方針転換をすれば、遠回りのように見えた技術でも、未来を見据える方針であれば、必ず克服するであろう。
核や石油などの化石燃料からの脱却方針を、日本こそが真っ先に打ち出すべきであった。スイスやドイツに先を越されたが、日本こそが率先して脱原発を示すべきである。今回の政府方針は極めて無責任な、目先にこだわった方針と言える。
羅臼港
春誓い羅臼港