石原慎太郎が、唐突に知事職を投げ出して国政に復帰すると表明した。国会議員を25年で辞める時も、唐突であった。都知事選出馬も唐突であった。
石原慎太郎はメディア操作がうまい。メディア側に問題があるかもしれないが、はっきりとした発言が記事にしやすいのであろう。
今回は息子の伸晃が、自民党総裁選に敗北したことも、大きなきっかけになっているようである。総選挙が近いことも、80才の石原を暴走させたのであろう。
「中央集権の官僚体制をシャッフルする」「最後のご奉公」以外には、政策的内容は何もない。憲法は改正ではなく破棄であるし、9条をめぐっても自民党とはかなり異なる。
たちあがれ日本の平沼は解党して、石原新党を作るということらしい。石原の80才を筆頭に、「新党の中身は老人ばかりなり」という現実がある。
西の橋下、東の石原ということで連携を組むつもりのようだが、政策を巡ってはかなり食い違いがある。みんなの党とは政策一致をを見ることはない。名古屋の河村との隔たりは大きい。小沢は昔から嫌いである。
第三極を目指すには、余りにも中身がバラバラである。これから調整するのかもしれないが、石原にはその裁量がない。俺について来る奴だけ面倒みるというタイプ男である。
保守の連合と言っても、安倍は乗ってこない。右翼には、親米と嫌米がある。石原は嫌米である。安倍は親米である。それに自民党を割ることも出ることもしない。
石原は尖閣を巡って自らの取った行動に酔いしれ、誤解している。中国と韓国のメディアは速報で石原の辞任を伝えている。右翼が台頭してくる危険性を訴えている。石原には思いはあっても、状況判断がない。
石原新党は、程なくたち枯れることになるが、この男の持つ危機感は正しい。日本の政治の貧困さと低劣さは目を覆うばかりである。民主党の政治に対して犯した大罪は、許しがたいものがあり、国民の政治不信は頂点に達している。
石原の流儀が通じるわけもないが、極めて短い期間第三極が期間登場する可能性すらあるが、危険なことである。