48年ぶりに東京で、国際通貨基金(IMF)と世界銀行総会が開催される。エジプトがキャンセルしたためではあるとはいえ、国内の報道は小さい。関連する参加人数は、2万人を超えると思われる、経済効果も少なくない。
リーマンショック後の欧州の信用不安や、中国経済の減速がもたらす影響が懸念されているが、極めて不透明な世界経済の加盟188カ国の財務相、中央銀行総裁などトップの会談である。
中国は中国人民銀行総裁の周小川を欠席させた。中国の政治体制の幼児性が、かえって逆効果になろう。世界第二位の経済大国になった自覚がなく、鼻息だけが荒くなった。
期間中仙台で「防災と開発に関する会合」が開催されるが、日本が震災からの脱却を訴える場になりそうである。
しかし、開発そのものの質を問わなければ、いつまでたっても経済効果の高さだけを追い求めることになり、持続性のある防災にならないのではないか。
そもそも、世界銀行は発展途上国の支援の機関であったが、先進国が投資先にしてしまうことを手助けしている現実がある。
世界銀行は、出資金の多い国ほど権限が大きい。しかし、現実に起きている、信用危機の発端は小国である。大国が世界を支配して、金融を握っていた時代とは明らかに異なっている。
大国ばかりが、主導する時代は終焉を迎えている。特にドルの相対的な地位の低下は留まるところがない。そうした意味でも、途上国に配慮した多国間協議と協調が求められる。
途上国の貧困を救済する方法を具体的に取り組むべきであり、これまで通り先進国の利益のために収奪を繰り返すなら、世界経済は一層混沌とすることになるだろう。