そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

八ツ場ダムの中止を

2009-09-02 | 政治と金

01 群馬県の八ツ場(やんば)ダムの建設中止を掲げていた、民主党が総選挙で圧勝した。当然八ツ場ダムの建設見直しが持ち上がった。

このダムは、1967年(昭和42年)に決定されこの年が着工年度されている。総事業費は、4600億円とされているが、ご多分にもれず一度認可された公共事業は、どんどん事業量が膨らんでくるのである。現地での反対運動は、1974年に反対を掲げた町長の当選に始まる。実に、35年に及ぶ反対運動である。

工事は着工されて、すでに多くの構造物が立ち並び道路が改修されている。住民の移転も始まっている。ここまで来たのだから工事は中止すべきでないとの、地元感情も解る。移転や賠償金協議を済ませた人たちにとっては、反対の意思はあったとしても、今更工事の中止には違和感が残るであろう。

元々無意味な公共事業である。土木関係者だけが潤う、環境破壊を伴う公共事業である。全国至るところにある、土建業者と官僚と政治家のトライアングルの典型である。国家予算をふんだんに使い、利権を漁り事業を請け負い甘い汁を相互に吸い合う構図である。ここは典型的な世襲議員である、小渕優子の地盤である。

ここで事業を中止することで、1000億円から2000億円は浮くと予測される。国土交通省も、民主党政権の成立を目の前にして、入札を中止しした。県知事や小渕など、一部の土建屋とつながる政治屋は異論を唱えるだろう。土建関係者を地元住民と偽り、陳情もあることであろう。しかし、もうこうした環境破壊の無駄なダム建設は止めるべき時期に来ている。

巨大な構造物はそのまま残し、愚かな工事を手掛けたことを忘れないための、モニュメント(記念物)として残せばよい。北海道には、旧国鉄が走れなかった鉄橋やトンネル、採算が合わなくなって放棄された坑道や農家の廃屋など、人々の愚かさを物語るモニュメントがいくらでもある。八ツ場ダム建設の愚かさを後世に残すには、格好のモニュメントとなるであろう。

コメント (5)
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