日本では鳩山民主党内閣が今日発足した。一足先に政権を採った、アメリカの民主党オバマは蜜月を過ぎ、窮地に落ちいっているかに見える。オバマが最大の懸案として掲げてきた、医療制度改革が、野党と一部与党の強力な反対あっている。
アメリカには日本のような、ほとんど公的で強制的な医療保険がない。民間の医療保険に多く の人が加入している。民間の医療保険制度は、高額であったり給付の対象がそれぞれであって、多くの問題を抱えている。現在4000万人以上の国民が、どの保険制度にも加入していない。
オバマは、公的な医療保険制度を導入をやろうとしているのである。反対者の意見は、自由の国アメリカに社会主義を導入すると反対する。保険会社の市場に国家が参入するのを認めないのである。あるいは、現在の民間保険に対する税制の優遇の撤廃による負担などの反対する。財政赤字を招くことになると反対する。
一方で、医療費の高騰と治療に係わる給付基準のあいまいさを訂正する、何よりも医療を受けることのできない人たちが余りにも多く、社会不安の一因になっている。富裕層が満足する医療制度は、医療費一般を高騰させているのである。
ひょっとするとオバマは、EU諸国の社会民主党政権よりも社会民主的考えを持っているのかもしれない。少なくとも日本の民主党よりも、貧者に対する支援策が強い。医療制度改革は、これまで何度もアメリカ大統領がとん挫した政策である。ここはオバマの正念場でもある。
もう一つ、オバマがイラクは撤退するがアフガンは増派するとしたが、CNNの調査では、アフガンの軍事作戦支援が35%と最低になった。かわりに反対者は59%にもなった。インド洋上で給油する、日本のアフガン支援はどんな意味を持つのかいまだ不明である。タリバンはアフガニスタン全土に広がっている。アフガニスタン救援対策は、軍事力によらないことが現実味を帯びてきている。鳩山政権は、オバマの軍事対策の不人気を受けて、どのような支援策を選択するか興味深いところである。