輸入小麦価格が、2.3倍になると報道されている。小麦の自給率は、13%程度である。欧米化した食事情で、小麦の与える影響は少なくない。
農水省は、小麦価格の上昇原因として、次の4点を挙げている。 ①バイオ燃料の転作 ②オーストラリアなどの生産国の不作 ③中国内のヒト用・家畜用の需要増 ④輸出国の輸出制限 を上げている。
この分析は多分正しいだろうが、価格上昇が何故問題になるかを述べていない。小麦は、海外への依存が高いからこそ大問題になるのである。
左のFAOの表を見ていただきたい。穀物の中でもお米の価格上昇率は、実は一番高いのである。輸入依存の高いフィリッピンでは、お米よこせ騒動が起きているくらいである。
お米の国際価格は、昨年春には280ドル/トンであったのが、この春にはタイやベトナムやアメリカなど軒並みに780ドル/トンにまで上昇している。(右の同じくFAOの表参照) しかも、輸出国の多くは自国では主食品であるため、食糧安保の意味から輸出制限を行っている。
本ブログの5 月6日にも書いたが、日本ではお米をどうして騒がないのか? 何故 小麦価格の上昇ばかりを問題にするのか? 答えは簡単である。曲がりなりにも、お米はわが国で自給しているからである。
食料安全保障が、生産者のへ理屈だと騒いでいた自民党のおえら方がいた。30年近くも、お米を生産しなければお金を出す愚策・政策を進めていた連中もふくめ、市場経済主義者たちは、この事態をどのように考えているのだろう。