知らぬ間に「宇宙基本法」が成立した。自民が民主を取り込んで、たった4時間の検討で成立した。たった4時間である。
大連合の恐ろしさを垣間見る気がした。いずれ消費税もこうして可決されるのだろうか。
1969年に同法は成立していたが、確かに40年はこの分野では大きな技術的な変化が生じていることは、否めないところである。しかし「平和目的に限る」とされていた、宇宙基本法の基本精神は、いともたやすく外されてしまったのである。宇宙開発は、非軍事に限るとされた理念はなくなったのである。
我が国は、憲法の下「専守防衛」が基本理念である。先だっては、アメリカのお膳立てで、発射されたミサイルを計画通りに撃ち落とす演習が、ハワイ沖でなされた。
日米の共同訓練というよりも、アメリカの言いなりに行動しただけの茶番とも思える演習であった。迎撃ミサイルを宇宙へ発射した、日本のイージス艦の行為そのものが既に、専守防衛の行為とは言い難いものであった。この時点で、同法に抵触する演習である。
演習の成功で、浮かれ気分で帰国途中に漁船をけ散らかしたのは計算外だったかもしれないが、この時すでに迎撃ミサイルは、現行の宇宙基本法に反する行為と自民党も思っていたのであろう。「非軍事」目的に限るとした厄介な同法を、ほとぼりが冷めるころを狙って成立させたのである。
アメリカが、イランの脅威を理由にヨーロッパミサイル防衛網を整備しようとしている。もちろん本当の目的は、対ロシアへの威嚇である。ロシアは猛反対をしている。
これを日本は真似ているのである。北朝鮮のミサイル脅威を口実に今回もしている。北朝鮮も困った存在であるが、真の目的は北朝鮮などではないことは明らかである。
宇宙空間まで及ぶミサイル配備は、どう見ても専守防衛とは思えない。さらに技術革新が進む分野である。偽ミサイルを発射させるとか目くらましとかさまざまな対応が考えられ、軍事拡大競争へ進むだけである。
日本の平和憲法の理念は、機会あるごとに骨抜きにされつつある。