先の戦争で唯一国内の地上戦が行われた、沖縄戦では多数の一般国民が、軍部の強制、あるいは指示で集団自決をした。このことは、明確に教科書に記載して後世に継が れてきた。
ところがここに来て、何人かのかつての軍人が強制はしていないと言い出した。これを受けて教科書が一斉に「軍部の関与がなかった」と、削除した。これは、従軍慰安婦の存在に軍部は関与していないとする考え方と同じである。
戦争という、異常な状況下にあって、将来不都合と思われることなどに関わる証憑書類など、簡単になくなってしまうものである。不都合な事実は、戦争を正当行為とする為政者にとってない方が都合がいいのである。
戦争を正当化したい為政者とは「阿倍晋三」である。教育の現場に、直接政府の意向が反映されるように、教育3法を成立させもしたし、国民党投票法も可決した。防衛庁を防衛省にしたし、イラクにも兵隊を送れるようにしたし、教科書の不都合な記述も変えたと言った具合である。
今回、沖縄の41市町村中の36の議会が、この教科書検定による集団自決の強制がなかったとする記述に、全会一致で反対の意見書を国に提出した。
沖縄県議会も、教科書検定意見の撤回の意見書を政府に提出した。無数の体験者の証言を否定するものだと、と強く反発している。文部科学大臣は、これらの現地の声を無視するとコメントしている。
沖縄は、62年経て2度殺されることになる。