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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

わがままな消費者

2008-11-20 | 農業と食

081116左の記事は北海道新瓶の一面の囲み記事である。(クリックすると大きくなります)食料品を買う時には輸入品より、国産品を選ぶ人が89%もいる。自給率の向上についても、93%の人が望んでいる。

なのにどうして、この国の自給率がわずか40%しかないのだろう。40%だから、もうこれ以上下げるのは嫌だというのであろうか。この背景には明らかに、中国などによるギョーザヤメラニンなどを巡る食の問題がある。では、中国がしっかりと日本型の生産体系をとって対応するようになったら、自給率を下げても良いのだろうか。

その一方で、別のアンケートでは食べ物を買う時に最も大きな基準に、価格を上げている。庶民としては当然のことである。海外に食料を依存するのは、単純に価格である。経済原則が今日の、海外依存度を60%まで高めたのである。

海外の食品が安価な理由の多くは、人件費の問題である。日本農業の生産性が低いからではない。

国内自給率を上げるなら、価格については大きな理由にするべきではないがそうもいかない。安全であることと安価であることは多くの場合対峙する。品質もそうである。

食料に限らないが、国家間で検査基準が異なる。食料については食生活が異なるためのことが多い。日本では、主食のお米の残留農薬などの基準が厳しいのは当然である。

日本の農業政策のほとんどが、作付奨励にお金を出し(減反政策はこの逆である)、基盤整備に土木事業をやるというものである。消費者のこうした感覚を尊重するのであれば、価格維持政策を大きく導入するべきである。

農業者に支払うのではなく、消費者価格を維持させるのであるから、消費者にもその恩恵がある。価格維持とは、生産者と消費者にの間に支払われる政策である。わがままな消費者との間を埋めるような農業政策が欲しいものである。

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「コショク」って何?

2008-10-28 | 農業と食

人類は唯一、コミュニケーション手段として共に食事をする動物である。「共食」と呼ばれている。親しくなると「食事でもしようか」と誘いかけるし、「食事をしながら」話し合おう、ということになる。

共に食事をすることは、人類にとってとても大切な文化である。民族や地域など問うことのない、普遍的なことである。国家間の話し合いも、いがみ合った隣のオヤジとの話し合いも食事をすることで解決の糸口がつかめるのである。「共食」は、一家団欒の象徴でもある。

Photoところが今の家庭は5つの「コショク」で満ちているそうである。「孤食」、一人でそれぞれが食べる。「個食」、それぞれが違ったものを、違った時間に食べる。「固食」、いつも同じものを食べる。「小食」、食べるものが少しである。肥満への恐怖か。「粉食」、加工された高タンパク高脂肪の食べ物である。

どれもが、悲惨な「食」事情である。これほどばらばらで、加工されたものを食べることができるのは、食料が安いからである。日本のエンゲル係数は20%だそうである。安いがために廃棄される食料が、2200万トンと試算した研究所もある。食べる料の10%にもなる。これだけで1000万の人間の食を満たすことができる。

日本人は安さと引き換えに、自らがが失うものをもっと知るべきである。安全や安心だけでなく、家庭の崩壊、相互のコミュニケーションの手段すら失ったのである。

十分な食育が行われていない。食事がどれほど大切なことか今一度、次世代に引き継がなければならない。食べ物を「いただく」ことは、他の命をも、貰うことなのである。

食料に対する認識が薄れてしまっている。こんな現状に対して、日本人は、もっと深刻になっていのではないか。

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他人事ではないだろう

2008-09-21 | 農業と食

中国の乳製品にメラミンとういう化学物質が入れられて大きな問題になっている。メラミン混入がばれたのは、乳児の腎臓結石である。メラミンは長期間与えると、腎臓障害が起きる。乳成080917 分の不足を、検査でばれないために入れたとのことである。

当初は、中国国内の出来事の感があった。日本は問題の乳製品は輸入していないとわざわざ官房長官が発言までしている。ここにきて、丸大食品が中国内で製造していた、5商品にこの乳製品を使用していたとしての回収をした。

中国製品が危ない、危険という認識がギョーザ問題から日本国内にはすっかり定着した感があ080917_1 る。だから中国製は危険だと通例になりつつある。さらに一見日本製品であるようなものでさえ、中国で製造され決して安全ではないことも定着しつつある。

しかし、ここで見落としてはならないことがある。昨日、中国政府は日本からの焼酎やお酒の輸入を禁止したのである。

いわゆる汚染米の拡大で、醸造に使われお酒などにもその汚染範囲が広がったのである。中国はこれにの輸入を禁止したのである。もちろん、腎障害まで起こすようなメラミン濃度と、日本の汚染米の汚染度、腐敗度とは比較にならない程度ではある。しかし、濃度の問題ではないのである。

他国の食品の危険性を非難する資格がこの国にはないということである。

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自給率を深刻に考えよ

2008-08-25 | 農業と食

先日、獣医学科の学生などにレクチャーする機会が何度かあった。酪農などの現状を、診療する獣医師の立場から話してみた。その中で、「この数年で、もっとも高騰している穀物何か」という質問をした。

獣医学科の学生の多くは、小動物・ペット診療志向である。70%を超える現実にある。都合、40人ほどに行った質問であるが、正解者は一人もいなかった。正解はコメである。

Ai465e01なぜ米が、2.8倍にもなっているのに誰も気づかないのか、騒がないのかと聞くと、それなりの意見が出てきた。様々な問題を抱えてはいるが、日本ではおコメは自給しているからである。農業・食料問題に弱い彼らの意識を、切り崩すいいきっかけになった。

世間では、畜産農家が穀物の高騰によって経営が行き詰まっていると、大騒ぎである。政府の援助などを求めている。酪農を知らない政治家でさえも、先頃の集会で「もっと自給飼料の 活用を」と言っていたそうである。

ところが、自給飼料依存の高い酪農家にとっては、この3年ほどの穀物高騰による経営ダメージはそれほどでもない。以下は、この5年の変化を、マイペース酪農の事務局がまとめた数字である。9戸の自給飼料型と、A農協の平均の比較である。

自給飼料型の農業収入は2653万円から2671万円になったが、所得は1263万円から1101万円に落ちた。A農協の農家平均の農業収入は4617万円から4771万円になった01_2が、所得は1407万円から919万円になった。

自給飼料型酪農家の減収は161万円であるが、一般酪農家の平均減収は485万円にもなる。所得率は、自給飼料型は47.6%が41.2%になっているが、一般酪農家は30.5%が19.3%にまで落ち込んでいる。

乳牛の食糧(飼料)自給率が高いことが経営にとっていかに大切なことか、外部に依存する ことがいかに危ういことかが読み取れる。

政府や関係団体は、懸命に政府からの援助を引き出そうとしている。それでは、また輸入穀物依存型の酪農家を擁護することになる。これまでの政府の方針である、大型化や高泌乳化の方針がこうした状況を生んだことへの反省が何もない。

農家戸々の経済的な意味だけではなく、食料問題や環境問題や国際紛争やエネルギー問題など、今世紀に人間に突きつけられた問題のほとんどを考える時に、食料の自給あるいは、地域内での自給は大前提になる。

食糧の自給をもっと真剣に考えるべきである。食べる物の贅沢を謳歌し、肥満におびえダイエットし、輸入した食料でありながら廃棄する、これが健全な国家であるとは思えない。

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コメント人への回答

2008-06-19 | 農業と食

<17日のコメントをクリックして反論内容を確認ください>

コメントへの、反論が長くなったので、ここに書きます。

私は減反政策の本質と、本来あるべき姿につて書いたのですがコメント人さんは、全く異なることを無根拠のまま反論(?)されているようなので、何を言いたいのかよくわかりません。

NHKに「好きなものだけを食べる」という番組がありました。高脂質や高エネルギーで嗜好品に類するものや、コーラなど高カロリーの飲用品ばかり食べる子供たちは、高血糖、高脂血症、高血圧…要するに肥満になって、何事にも我慢できない子供になってしまいます。治療のために、5人ほどを寮のようなところに入れて、一月間野菜やお米などを、定期的にきちんと食べさす場面がありました。この子たちは、朝からご飯を食べられないのです。それでいて間食ばかりをしたいのです。

好きなものを食べたいのが「食文化」と思うのは、お門違いと考えます。

好きなものを食べるとは、こういうことになるのです。この国の風土が切り開いた、食文化を否定することに、直結するのです。小麦は、例えば讃岐平野のように、降水量が少なく河川がほとんどないような地域で、作付されるものです。そこで育まれたのが、うどんです。

北海道は、明治以後に作付されるようになったのですが、輸入小麦よりよほど美味しい。風味があります。輸入小麦がおいしいといわれるのはよくわかりません。しかし、北海道の小麦は、国内消費量の10%程度しか賄っていません。小麦の生産に適した風土と、お米を作る風土は全く異なるのです。日本では、お米を消費することが、環境保全にもなり3000年の食文化を維持することにもなります。

風土を無視して味だけを論ずるのは、環境保全につながらないと思います。

アメリカの余剰穀物、当時は小麦でしたがこれを売り込むために、アメリカは躍起になったのです。コメント人さんは米軍が行ったように書かれていますが、具体的には「アメリカ穀物協会」が、政府を動かしたのです。1953年頃のことです。彼らが、回顧しながら当時を語っています。

コメント人さんのおっしゃる食文化は、ほんの半世紀で変わった、「好きなものを食べたい」人達の言い分でしょう。そしてそれは仕掛けられたもので、見事に成功しています。人と家畜に大量に穀物を与えることです。

飼料用トウモロコシは、北海道では種にミョウバンをつけて、鳥などに食べられないようにします。発芽後一月ほどで除草剤を一度播きます。播かない人もいます。農薬はこれくらいです。糞尿が大量にあるので十分なのと、北海道の冷涼な気候で昆虫も病気も少ない。マルチ(ビニールで地表を覆う方法)では、全く農薬を用いません。

事実誤認は、①米軍が日本に食料を売り付けたことはありません。「米軍政策により日本人の米離れが進んで減反政策となった」と主張しているのは、どこの国のなんという政党でしょう? この事実は仕掛けた、アメリカ穀物協会が述懐していることです。特定の政党の主張ではありません。②オリンピックと列島改造は全く異なる時期のことです。1962年の農業基本法が、結果的に逆手を取られた形になっているのです。全く異なる時期の政策に対する意見が、解らない。

ハーゲンダッツのアイスクリームはおいしいのでしょうか? 体細胞が少ない(乳房炎の牛の比率が少ない)牛乳と、細菌数が少ない牛乳を集めています。浜中農協は頑張っていますが、このアイスクリームはコマーシャルで売っているだけと思います。当地には、流通に乗らない、とても美味しいアイスやヨーグルトがいっぱいあります。CMの技術の問題と考えています。

農家販売価格は同じです。奨励金が出ていると思いますが、乳成分などに左右されますが、5円もないと思います。

減反政策のように「作付しなければ金を出す」のではなく「作られたものが市場価格と合わなければ、その差額を支払う」デカップリングの方が、消費者は安く買うこともできるし、農家の所得も補償されることになります。このことを言いたかったのです。解ってください。

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先進国の対応が穀物価格を上げる

2008-06-16 | 農業と食

世界的な穀物価格の高騰を受けて、安定確保を提案するもっともらしいオエライ評論家たちが論旨を展開する。日本のような経済大国が、穀物の安定確保を行おうとすると、またそれが国際価格を押し上げる現実を変えることが、基本的な解決になる。

高騰の原因の一つに、オーストラリアの2年連続の干ばつがあげられる。しかし、それは穀物を輸入に頼る、自賄いできない国家の問題である。そうした国が引き起こした、食料問題でもあるのだ。

昨年は、世界的に見て穀物は豊作であった。21億トン超生産している。かつてない量である。それを61億人で除すると、おおむね350キロとなる。

つまり一人1日1キロは消費できることになる。これなら、飢餓に会う人などない。つまり食料が均等に配分されていないだけのことである。

バイオ燃料にコーンが利用されることも、穀物価格を押し上げる原因とされている。それは、アメリカが飼料用穀物を転用したからに他ならない。しかも、補助金まで出して急速なバイオ燃料生産転換を行った。

アメリカの穀物に依存する畜産の飼養形態を行っている、先進国が問題なのである。それでも、買い付けに走れる経済力がある国は限られている。つまり、牛乳価格や卵価格に転嫁でき、それを消費者が容認できる間は、穀物価格が上がっても買い付けることになる。

こうした、経済力のある国家が、世界的な穀物価格の高騰の原因である。こんなになっても、自給を考えずに、何とか安定確保しなければならないと主張するようでは、飢餓人間が増えるだけである。

農業の基本理念は「エントロピーの法則」に従って考えるべきである。現在は、経済的な動向によって動いている。

先進国の畜産製品は、膨大なエネルギーを投入して生産されている。地球の裏側からでも、大量の穀物を搬入して、牛乳や卵や肉を生産するために、生産物の数倍量のエネルギー(穀物)を投入していることになる。

家畜に食わせる非効率よりも、車に食わせる(バイオ燃料)非効率はさらに倫理的にも問われるべきである。さらにさらに、穀物を投機の対象にする、マネーゲームからも穀物を救うべきでもある。

世界的な穀物価格の高騰は、先進国の理性的な対応が最も求められているのである。

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アメリカ穀物戦略の成功

2008-06-08 | 農業と食

日本が大量の食糧を輸入し始めたのは、終戦後の飢餓に乗じたアメリカの小麦の売り込みであった。緊急輸入された人道的な支援が終わったとたん、アメリカが余剰小麦を大量に日本に売り込みはじめた。

アメリカ穀物協会の当時の担当者は、その時を振り返り思った以上に日本が購入したことを驚いていた。片方では、「米を食べると頭が悪くなる」あるいは「脚気になる」と、小麦食の大々的キャンペーンを行った。

全国にキッチンカーを走らせ、とりわけ地方での食糧改良の普及を行った。当時協力した日本の、俄か仕立てのエセ「栄養学者」たちは、料理法に始まり栄養分析を書きまくっていた。Bird_flu_hits_one_more_vietnamese_l

日本人はこうして、60年代をピークに米を食べることを次第に放棄していった。さらに、第2弾として、穀物協会が行って大成功したのが、家畜へ給与するシステムの普及である。

家畜は、本来人が食べられないものを食べて畜産物を生産するのである。家畜に穀物を給与させて、卵や牛乳さらに、鶏肉、豚肉、牛肉を生産させたのである。これは、人の小麦食への転換以上に成功した。

70年代から、日本の畜産状況は大きく変貌し始めた。それまで、100羽程度だった採卵鶏Photoの経営規模は、10年程度で100倍になった。さらに現在はその10倍程度の10万羽でも中規模といわれる現状にある。

片方では、「物価の優等生」と呼ばれる卵は、雛を供給する特定の養鶏場から間断なく送ら れ、数度のワクチンを接種し、極めて限られた檻の空間で、大量の穀物を給与されて卵を産み続ける。わずかに生産性が落ちても、廃鶏として処分される。

ここでも、アメリカの穀物を普及させるために、多くのエセ「栄養学者」が、家畜への給与法の情報を大量に垂れ流した。その栄養学者たちが、牛に普及させたものにBSEの原因となった肉骨粉がある。

豚も牛も基本的には鶏と同じである。供給側の問題だけではなく、消費者には裕福感を与えさせることで畜産品は普及してきた。

現在輸入穀物は、3000万トン近くあるが人が1000万トン食べている。無関税で輸入される畜産飼料は、2000万トン近いが、1000万トンを鶏が食べている。

日本の食糧事情が大幅に変ったのは、「キンダイカ」と称してアメリカ穀物を消費する形態を追い続けたことにある。アメリカ穀物協会の戦略的大成功が、日本の食料自給率を下げている最も大きな原因である。

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バイオ燃料は人と競合すべきでない

2008-06-05 | 農業と食

食糧サミットが終わった。FAOによる緊急会議であったにも拘らず、150以上の国が集まった。世界は、真剣に食糧のことを考えている。

食料を真剣に考えている国家は、おおむね後進国である。実質世界最大の、食糧輸入国の日本のように、他国に食料を依存している国ではない。後進国は、人口の増加と穀物の世界的な高騰を、直撃されているからである。

その食糧サミットで、バイオ燃料に対する明確な態度を表示できなかった。超大国アメリカが、異論を唱えている以上、食料を燃料にすることへの警告は示すことができなかったのである。

古い中国の言い伝えである。ある国民のことを考えない為政者が、民が飢えていても一向に気001 にしせず、かわいがっている馬にせっせと穀物とを与えていた。この為政者の馬鹿な行為は「」とい文字に残されている。

今、先進国の家畜たちは高生産を強要され、大量の穀物を与えられて、肥満と闘っている。日本は、おおむね2000万トンの穀物を家畜のために輸入している。非関税である。

先進国の家畜たちが、大量の穀物を消費することが、穀物の世界価格を高位安定させるだけでなく、モラルとしても問われる時代が近い。

カロリーを落とし大きなロスが生じてでも、穀物は家畜を通すことで畜産物を生産している。ところが、これをバイオ燃料に変えて間接的にでも、車に食べさせるのはそれ以下の行為である。

バイオ燃料が、環境にやさしいからとする、一面性から語られるべきではない。家畜には、人が食べることができないものや、残さを与えて畜産物に変換させるべきである。同様にバイオ燃料も、不要になった木材や芦などから生産されるべきで、人と競合はさせるべきではない。

人よりも家畜や車に優先的に、食料を供給することがモラルとして問われなければならない。

世界の食糧危機に日本が最も貢献できることは、食料自給率を上げることである。食糧依存率を下げることが核心である。日本は目になってしまうのは、時間の問題である。

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小麦ばかりを何故騒ぐ

2008-05-11 | 農業と食

輸入小麦価格が、2.3倍になると報道されている。小麦の自給率は、13%程度である。欧米化した食事情で、小麦の与える影響は少なくない。

農水省は、小麦価格の上昇原因として、次の4点を挙げている。 ①バイオ燃料の転作 ②オーストラリアなどの生産国の不作 ③中国内のヒト用・家畜用の需要増 ④輸出国の輸出制限 を上げている。

Ai465e01この分析は多分正しいだろうが、価格上昇が何故問題になるかを述べていない。小麦は、海外への依存が高いからこそ大問題になるのである。

左のFAOの表を見ていただきたい。穀物の中でもお米の価格上昇率は、実は一番高いのである。輸入依存の高いフィリッピンでは、お米よこせ騒動が起きているくらいである。

お米の国際価格は、昨年春には280ドル/トンであったのが、この春にはタイやベトナムやアFxport_riceprice_07040804メリカなど軒並みに780ドル/トンにまで上昇している。(右の同じくFAOの表参照) しかも、輸出国の多くは自国では主食品であるため、食糧安保の意味から輸出制限を行っている。

本ブログの5 月6日にも書いたが、日本ではお米をどうして騒がないのか? 何故 小麦価格の上昇ばかりを問題にするのか? 答えは簡単である。曲がりなりにも、お米はわが国で自給しているからである。

食料安全保障が、生産者のへ理屈だと騒いでいた自民党のおえら方がいた。30年近くも、お米を生産しなければお金を出す愚策・政策を進めていた連中もふくめ、市場経済主義者たちは、この事態をどのように考えているのだろう。

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小麦はもっと高くなるべき

2008-04-21 | 農業と食

小麦の価格が30%値上がりして、消費者たちは大騒ぎである。おかげで、国産小麦が見直されている。それでも、なお内外価格差は大きい。小麦は、長年輸入にかけた関税を生産者に還元する(不足払い制)方法を行ってきたが、今は見直され価格差は国内の農家には還元されない。

小麦は、90%近くを海外に依存している。今回の若干の小麦価格の上昇で、国内の小麦生産のほぼ全量を賄っている北海道の、小麦農家が活気ずくことになるだろう。早い話が、もっと高くなれば国内生産量は、さらに増えることになるであろう。

Ai465e01 これまでは国内の労働価格が高いので、海外に依存していた一面がある。日本は今や、一人あたりのGDP生産量は、世界18位に落ち込んでしまっている。海外に食糧を依存する力が急速に衰えているともいえる。

小麦の価格はどうして上がったのであろう? 短期的には、いろんな要素が考えられる。バイオへの転用もその一つであろう。しかし最も大きな問題は、投機の対象になってしまったことにある。

21世紀を迎えた頃には、石油の原油価格はバレル27ドルであったが、現在は100ドルを超えるまでになった。投機マネーが穀物の買い付けにと走ったことも大きな要因である。

世界的な穀物価格の上昇は、かつては需給関係で決められていた価格体系を大きく壊すことになった。

しかし、最も重要なことはこうした短期的な要因ではなく、食料に対する不安感と現実である。人口増加に伴う、生産量の不足と供給の不均衡である。食糧を自給する理念を、この国が放棄したことが日本の自給率を下げた。

以前のように、余剰穀物を家畜に給与するのではなく、先進国が大量に牛、豚、鶏に給与したからである。さらに、生活水準を上げた新興国が類似の食体系を踏襲したから、穀物価格は高騰したのである。

穀物は昨年豊作であった。21億トン少々を生産した。世界の61億人で割ると、概ね一人当たり年間350キロ当たることになる。これは飢餓とは縁遠い数字である。

現実には8億人の人が飢餓線上にあり、穀物価格が高騰したこの1年でさらに1億人増えた。

この国がお米の生産をやめるとお金を出す政策などで、海外に依存する方針を選択したツケが今頃回ってきたのである。日本の小麦価格はもっと高くなって当然である。

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ついに食糧危機が現実化しつつある

2008-04-14 | 農業と食

最近の穀物の高騰は、世界の貧国を直撃している。FAOが穀物の急騰を報告した。

http://www.fao.org/docrep/010/ai465e/ai465e00.htm

Ai465e01 この表はFAOが発表した最近の、主要穀物の価格である。特に米と小麦の価格上昇が著しい。我が国は、海外に食料を作ってもらう政策を、選択している。日本の基本政策は、売れるものは最大限売ることによって、輸出国から食料を輸入するのである。

先進国の、畜産は大量の穀物を給与することで成り立っている。こうした国々が、ある程度の経済力で、穀物をこれからも一定期間購入することは可能だと思われる。しかし、それは決して健全な姿ではないのである。

ひとつは、貧国の食糧を現在のように略奪することになっているからである。この1年で、これまで飢餓人口は8億人とされていたが、穀物が急騰することで飢餓人口を更に、1億人増やしたことになる。

その一方で、主要国は遠いところからでも穀物を輸入してまで、家畜に与えているのである。これは、台頭するアジアの主要国でも急に伸びている。特に、中国はブラジルから大量の、大豆を輸入するようになった。

もうひとつは、家畜に高生産を強要することで、家畜を苦痛を与えていることである。例えば、乳牛は牛乳を効率よく生産するために、大量の穀物を与え続けられる。胃の障害や乳房炎や代謝器病に常時悩まされ続ける。生産の高い酪農家では、わずか2産しただけで淘汰されることになる。

生産の苦痛と極めて短い生涯を終えるのである。この最も激しい例が、採卵鶏である。採卵鶏は常時餌(輸入穀物)を食べるように、品種改良されている。閉塞空間の狭いケージの中で、1週間に4個以下の卵を産むようになったら、淘汰の対象になる。飼料用の輸入穀物の半分は鶏が食べている。

世界の人口は60億を超えた。生産される穀物は21億トンを超えた。この数年飛躍的に伸びている。人は350キロあれば十分生きていいけるのである。穀物は十分あるのである。均等に配分されていないだけのことである。

先進国の家畜が、後進国の食糧を奪っている構図が出来上がって久しい。倫理的問題からこのことを長年問い続けてきたが、ついに経済的にも問われる事態になったといえる。

世界銀行、IMFも「途上国の貧困層が深刻な事態になっている」と表明するまでなった。

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食料自給率が低い原因は

2008-03-06 | 農業と食

我が国の農業生産は、GDPの僅か1%に満たない。これは、海外にすっかり食料を委ねても、困る人間はわずか1%以下であることを意味している。だから、海外から買えるものはどんどん輸入するべきとする、経済界を中心にした連中がたくさんいる。

こんな一方的な見方はない。逆にみると、僅か1%のGDPで39%もの食料を自給しているのである。よほど安く国民に農民は食料を生産し、給与していることを意味している。農民の規模が小さいとか、生産性が低いとか論ずる前に、価格で農民の恩恵をいただいていることを感謝するべきである。

国家の安全は「軍事」「エネルギー」そして、「食料」を自賄することで、初めて保障される。とりわけ、最近の動向をみると、食料が世界の戦略物資として席巻している事実を多くの人は知らない。55

アメリカから、いつでも安価に輸入できる時代は終わりつつある。最近のバイオ燃料への転換にみられるように、食料は戦略物資として認識しなければならない。やがて円が安くなると、日本などに売る食料などありませんよと言ってくるだろう。

経済力があれば、食料などいつでも買えると思っている根拠のない楽観論が、日本には支配的である。このような国は世界にほとんど存在しない。日本だけに特殊な感覚である。

また、我が国の農業者は過保護などと、全く現状を知らない人たちがいる。過保護の農業がこれほど衰退するわけがない。我が国の農業予算は、僅か7%程度である。フランスは30%台、国家予算の半額が軍事予算であるといわれるアメリカですら20%近くある。保護の感覚が違うのである。

その良い例が、農産物への関税である。我が国の平均関税率が11.7%しかない。EUは20%、タイは35%、アルゼンチンは33%もある。野菜に至ってはわずか3%しかかけていない。中国など近隣からいくらでも入ってくるわけだ。

安価な労働力に支えられた、近隣アジア諸国は経済発展を遂げている。やがて、これほどの安価な労働力はなくなる。そうした時に、わが国には食料を自給する手段が、人的にも技術的にも困難な状況に落ちいっていることが十分考えられる。

現在日本が、アメリカの言うことは何でもきくのは、食料を自給していない弱みと、工業製品を買ってくれる弱みがあるからである。やがて、近隣アジア諸国の言われるがままの国になってしまうことになりかねない。

農業予算を、土建屋が喜ぶ構造基盤整備と称して正体不明の構造物の建設ばかりに費やしている、日本の農政は転換されるべきである。日本の農業は本当の形をもった保護こそ求められているのである。

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穀物は自国のためにある

2007-11-20 | 農業と食

アメリカの穀物は、日本のためにあると思っている人たちがこの国に溢れている。いつでも、安価な穀物を安定的に供給してくれる、とても親日的な国家アメリカを思い描いてるために、最近の穀物の動きを理解できないのだろう。

アメリカは、石油一辺倒のエネルギー政策を変えるために、コーンのバイオエタノール転換を2005年の年頭に、ブッシュが声明した。

01アメリカにとって、コーンは戦略物質であるばかりか、ここにきて投機の対象になっている。最もエネルギー効率が悪いばかりか、人と競合する植物をアメリカは選択した。コーンによるバイオエタノールを、その低公害性とCo2対策として選択するには、極めて非効率な植物である。

そのコーンの生産に、アメリカは膨大な補助金を出すことにした。2004年には、中西部に僅か30程度の蒸留所しかなかったが、すでに100を超えるばかりか、それぞれの工場が増設し生産量が驚異的に伸びている。001

このエタノールを担っているのが、家畜向けのコーンである。日本は、2000万トンほど、家畜用の穀物を輸入しているがその80%がアメリカのコーンであ る。

価格が高騰することは、従来もあったが今起きている現象は、日本に輸出する穀物がやがてなくなることである。2000万トンの穀物とは、日本人が食べている量とほぼ同量である。この輸入が、やがてなくなるのである。

日本の畜産業は、輸入穀物に大きく依存している。とりわけ養鶏ではほぼ100%の飼料となる穀物を輸入している。肉豚も肉牛も大差がない。やがて、日本の畜産物が高騰する時が目前に迫っている。ただし、日本の畜産が生き延びていればである。

こうした不安定な食糧事情は、これから一層加速することになる。食料の自給率を下げると言うことはこうしたことを意味しているのである。食料は自国のためにあるのであって、多国に売りつけるのは金銭の対価があるからである。食料を自給しない国家は独立国家ではない。

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そりゃ自立は難しいだろ

2007-10-25 | 農業と食

日本のように、2,3次産業が発展して栄えた国の農業は、所得差が決定的に働き、政策的な支援がなければ農業の自立はあり得ない。あるいは、農業の本質からかけ離れた、工業的生産を大規模に行っている、特殊な農家ぐらいしか自立は困難である。

先頃の、参議院選挙で民主党が圧勝した背景に、かつての自民党の基盤であった農家から「個別所得補償制度」が支持されたことが背景にある。これまでは、農業予算の半額を上回る金額が「基盤整備」に使われていた。

基盤整備とは、農業をサイドから支えるためのインフラ整備のことである。道路を作ったり、大きな倉庫を作ったりと直接農Sisido家には関係ないことが、少なからずあった。ほとんど人のいない所に橋を作ったり道路を整備したりしたのである。

それらの一部は、確かに役に立ったものと思071012_1syukusyou われるものがあるが、多くのものは農業とは無関係のものであった。農業に対する支援など、先進国の農業予算を見てもわかるとおり極めて少ないものである。

農業を育成するための政策が極端の少なく、やっと出てきたと思ったら大きな農家しか支援しませんというものであった。自民党は、大きくすると競争力がつくものと思っているらしい。日本の農業が、どれほどお菊なってもアメリカやオーストラリアや南米に比肩できる規模になるものではない。所詮日本国内で大きいだけの話である。

日本の農業の特性を理解しない、大きいことはいいことだ政策は日本の農業をダメにする。事実、石油の高騰や輸入穀物の高騰で、最も打撃を受けているのが大型農業である。膨大な設備投資を回収できない、経済動向に左右される農業政策は、瀕死の日本農業を死に追いやることになる。

民主党の、個別所得補償制度は類似のものがヨーロッパで何度となく試行された。何度も失敗を繰り返しながら、基本的な農業所得の補償を農家に行う考え方は変わってはいない。

民主党案は、きっとどこかで失敗するものと思われるが、政争の道具にせずに真摯に食糧、農業、農家のために試行錯誤をして欲しいものである。金はどこから出すなど知うレベルで語られる問題ではない。

人件費に大きな格差がある、先進国の農業は政策的な支援がなければ存続できない。食料の自給率の向上は、細かいことを論ずるのではなく、巨視的な視点に立たなければ成し遂げられない。就農者の年齢構成からも、この国の農業は危機的状態になっている。

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こりゃ約束違反だろ

2007-08-21 | 農業と食

日本農業は、高度経済成長に合わせて1961年に「農業基本法」を策定した。良くも悪くも、この法律で多くの農民を2、3次産業へと追いやることになった。農民が人的に高度政調経済を支えたのである。そのことは、大量の兼業農家を生み出すことになったのである。

その結果、農村は疲弊し食料自給率を極端に低下させることになった。1999年に新しい農業基本法「食糧・農業・農村55_20 基本法」が制定された。農業を食料を生産する産業として、農業の多機能を評価する画期的な法律であった。

法の制定後ほどなくだされた食糧自給率の達成目標は、2010年までに45%にまで上げるとする、極めてささやかなものであった。しかし、目標まで3年しかなく、すでに今年で現状の40%すら切ってしまった。ところで、この法律作成に奔走した、地方出身の政治家は、先の郵政選挙でほぼ全員が落選しまった。このことは、地方が何を求めていたのかが見えるものがある。

一方、今回の参議院選挙で大勝した民主党が掲げた、農家の所得補償制度であるが、自民党のおしゃべりな議員から、財源をどうするなどと聞かれて、行政改革でねん出できるなどと回答している。自民党と同じレベルで論議するべきではない。農業をどうするか、食料を質気にも量的にもどのようにするか、疲弊する農村をこのまま放置するのかなどという、基本的な論議がなされていない。

EUなどでも、何度も失敗を重ねながらも、所得補償政策の充実を試みている。事実、食糧を何とか域内で確保している。日本も、短期的な視点に立つことなく、あるいは多少の行き過ぎなども経験として捉えるような大きな視点を持って、農業政策を考えてもらいたいものである。

今回、阿倍政権が何度もすり寄るアメリカに、最新戦闘機F22を売ってもらえなかった。結局は、同盟を強めて(現実には従属関係)も、自国の防衛戦略上必要なものを、おめおめ日本などに売れないのである。食料も同じことである。晴れた凪の天候しか思いつかない、従属関係しか想定しないで、金のことに終始する論議から、この国の農業政策は見えてこない。

新しい農業基本法はほとんど履行されていない。農村の多機能のために中山間地と呼ぶ僻地に、目的不明の金をばらまいただけである。環境保全型の規定もあいまいで、お花を庭に植えるだけでお金をもらっている現状から、農業の本質的な動きが見て取れない。

食料を自給しない国家は、独立国家はいえない。車やコンピューターを必要としない人間はいるが、食料を必要としない人間は存在しないからである。

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