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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

試練を迎える、日本酪農

2007-06-16 | 農業と食

070614 日本の酪農が、危機に直面している。危機は大きく3点ある。

1つは、高齢化である。本州方面では、平均就農者年齢が65才を越える集落が、3000とも4000とも言われている。程なく消滅し、日本の農業そのものの存続が危うい状況にある。日本農業の中で、担い手の年齢が一番若いとされる、酪農業でも高齢化が目立つ。

2番目は、穀物の高騰である。日本の畜産は大きく海外の穀物に飼料を依存している。家畜の食料(飼料)自給率は極めて低い。最も自給飼料の高い、根室地方でも50%程度001_7 がやっとである。写真のように、夏に外で牧草を食べる姿が急速に減少して、牛を閉じこめたまま穀物多給形態が増加している。

アメリカのコーンは、国の強力な援助を受けて、中西部で大きくエタノール生産に変わりつつある。すでに蒸留所が、100ヶ所以上稼働していて、58ヶ所が計画から建設に向かっている。アメリカの穀物の高騰は干ばつや買い付けなどの一時的なものでない。

因みに、北海道の酪農家が購入する穀物は、1年半前の30%高になっている。経営努力では乗り切れる限界になっている。

3番目は、乳価の急落である。酪農家の牛乳の販売価格がこの2年で7%も下落している。飲用乳の減少は、高齢化によるものかも知れないが、チーズなどの加工商品への移行は乳価を下げる結果になっている。

こうした世界的な動きの中で、日本の農業政策は出来もしない大型化をうたい文句に、健全な農業を蔑ろにしている。この国の住人は、日本に農業がいらなくても良いと思っているのだろうか。

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そりゃ百姓は減るサ

2006-09-03 | 農業と食

02 コンビニの人気商品はオニギリである。コンビニにオニギリが登場して、日本のお米の消費量の減少が止まったほどである。伝統的な日本のファーストフードの面目躍如たるところである。このオニギリの価格は、120円~250円程度であろうか。お店によっては高いものになると、300円以上するものもある。

オニギリの最も、オニギリたらしめているお米の生産者価格は、10円~15円程度である。オニギリに倍以上の価格差があっても、お米の量はまったく変わりない。商品としてのオニギリの価格差は、具の違いである。梅がツナになると倍の価格になる。倍の価格はツナの価格ということにな01_3 る。

オニギリの商品価値としての本質は、米でないだろうか?そうした視点を持つと、農民の労働価値が著しく低いことが見えてくる。少し具を変えたり手を変えただけで、お米の10倍以上の付加価値をかけてオニギリは作られている。他の農産物もほぼ変わることがない。農産物は、流通や加工にかかる経費が圧倒的である。

2、3次産業が発達した先進国では、農民の労働価値は著しく押さえられている。そこで、海外の発展途上国の安い人件費に食料を依存することになる。百姓人口が減るのは当然の結果である。今や実質わが国の食料自給率は20%程度になっている。食糧を自給しない国家は自立国家といえない。

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そりゃ、自給率が下がるだろ

2006-06-23 | 農業と食

わが国の穀物消費量は概ね4000万トン程度である。Photo_7 このうち、輸入されているのが概ね、3000万トンほどである。国内生産量は1000万トン足らずである。このほとんどが、米である。つまり、わが国の穀物自給率は25%少々である。この輸入されている穀物3000万トンの70%ほどがコーン(とうもろこし)であり、ほとんどが家畜用である。人が口にするのは小麦などであるが、あわせても2000万トン少々である。わが国の穀物消費の半分量は家畜が食べているのである。

家畜が消費する2000万トンほどの半分量が、ニワトリが食べている。つまり、わが国で生産されるお米と同じ量をニワトリが食べているのである。近年この傾向はさらに進んできている。若い人のお米離れと、畜産食品への移行が大きな要因になっている。わが国の、食料自給率を上げるためにはこうした食生活を考えることも重要である。拙書「そりゃないよ獣医さん」新風舎刊参照http://www.creatorsworld.net/okai/

わが国の家畜が穀物を多給されても採算が合うのは、輸入穀物が安価で販売する畜産製品が高いからである。それは円が高いかドルが安いかあるいはその双方が条件で、日米関係が良好であることが前提となる。そうして、高収入を目指す畜産農家は、大量の穀物を家畜に給与することになり、家畜への大きな負荷となる。獣医さんは忙しくなる。

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そりゃ頑張るゼ

2006-06-16 | 農業と食

北海道の東には日本で一番遅く桜前線が到着する。この冷涼な地帯では、安定的に収穫されるものは牧草しかない。北海道の最も北海道らしさが感じられるところであるが、牧草が農民にとって重要な農産物であり肥培管理されていること知る旅人は少ない。広々とした、北海道らしい風景は左のギャラリーを見ていただきたい。この6月末から来月にかけて、酪農家は冬の餌の収穫に懸命にお働く。晴れた日の夜中の往診など、刈られた牧草地から逃げ出してきた虫が車のフロントグラスにバチバチ当たって、前が見えないほどになることがある。根室地方の酪農家は、この一月は大変忙しい時期となる。

牧草地には僅かの化学肥料は散布される程度である。今の乳牛たちはこの健全なものばかり食べているわけではない。食べるものの半分程度のカロリーはアメリカの輸入穀物に依存している。この穀物の安全性には極めて疑問が残る。とりわけ飼料大豆はほとんどが遺伝子組み換え作物である。酪農を有機産業とするには極めて困難なことが残る。いずれにしても、この時期は酪農家は大変忙しく頑張るしかないのである。

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羅臼港

春誓い羅臼港