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そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ほとんど報道もされない国連の小農の権利宣言、日本はまたも棄権

2018-12-20 | 農業と食

国連総会は一昨日、「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言(小農の権利宣言)」が賛成1221の圧倒的多数で可決されたが、このことを日本の報道各社は沈黙し押しつぶした。アベノミクスの破たんへの道の先鋒を担わされている日本は、この決議に11月の検討委員会に続いて棄権した。
この構図は核兵器禁止条約そっくりである。巨大資本が主役の農業国アメリカのご機嫌に従ったのである。世界の食糧問題は、そう遠くない時期に質と量の問題として深刻な問題として露呈することになる。これを解決するのは、新たな技術や資本などではなく、伝統的で地域の風土に沿った形態の家族農業・小農しかない。
安倍晋三は、すでに各所で破たんしているアベノミクスの農業版として、高資本投入による巨大農業の建設の驀進している。外部資本や外部資源に大きく頼った農業形態は、金銭評価だけの農産物を生産することになる。高く売れれば何でもよい。大量に生産が経営を支えるという、虚妄に支えられてさらに巨大化する。
農業は人の生命を支える食料を生産する、極めて重要な産業である。量はもちろん質も問わなければ、人の健康に貢献することができない。巨大農業はそれらを否定する。更に万人共通の財産である環境を徹底的に収奪する。
小農は食の安全を質と量で補ってくれる。地域紛争や貧困の原因を取り除いてくれる。環境の悪化を抑えてくれる。巨大資本や高度な科学技術や化学製品は、省力を行ってくれるが、土地生産性を低下させている。そうしたことを受けて、国連は来年から10年間を家族農業年としたのである。

国連小農の権利宣言は、農村社会を維持、発展させていくために小農の重要性を主張、価値や役割を強く認識し、小農の保護が都市の発展や暗手ににもつながるとし、協同組合の権利を守り、支援する必要性も明記している。宣言に法的拘束力はないが、極めて大きな意義を持ち、棄権した日本は世界の動きから離反することになる。

小農の権利宣言は、2012年3月に人権の専門家らが国連人権理事会の諮問委員会で小農の権利保護に関する報告書を提出し、国連人権理事会でボリビアが宣言作成のための政府間の作業部会を提案し、6年以上議論を続け今回の決議に至ったものである。日本は会議に農水省の役員すら共産党の紙智子氏からの要請で、渋々安倍晋三が一人派遣した経過があるだけである。
日本は急峻な土地が多く狭く、水量と日光量が豊富で、消費地に近く勤勉な国民である。土地条件からして最も小農に適した風土の中にある。
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来年から10年間、国連が「家族農業の10年」とした理由とは

2018-11-27 | 農業と食

国連は2014年を家族農業年として一年間、家族型農業の重要性を訴え支援してきた。そして昨年12月に開かれた国連総会で、2019年から2028年までの10年間を「家族農業の10年」とすることが採択された。国連は家族農業の重要性を訴えている。本ブログでも家族農業を中心とする小農業の重要性を当時から書いている。家族農業の重要性を再度にわたって訴えに、家族型農業の人たちは期待を寄せている。
大型農業が国際競争力があるというのは大きな間違いである。生産コストが上がり、不良な農産物を大量に販売する。国境を越えて季節を越えて、食料を販売する形態に持続農業の可能性はない。環境を破壊し大量のエネルギーを投入しこの世に存在しない生物を遺伝子の組み換えで創出する危険性など、一時の経済効率だけが、農業を不遜な形で巨大化させているのである。

現在地球上には74億人の人間が住んでいる。約10億人が肥満になり12億人が飢餓に直面している。飢餓状態といっても3割ほど不足しているだけである。肥満といっても倍も食べられるわけない。食料は間断なく均等に近い状態で得られなければ意味がない。食料の価値は価格で判断するのは困難である。食料は戦略物資になりのは、この特性にある。
その一方で世界の先進的畜産の家畜は、生産を上げるため穀物を多給され飽食を強制され肥満に喘いでいる。日本では人間と同量の穀物を家畜が食べている。先進国では、来たるべき食糧危機は畜産の分野で始まる。
世界の食料の8割は4億戸の家族型農業が支えている。国連は家族型農業とは、「農業労働の半分以上を家族が担っている形態」と規定しているが、これは古くからある農家のスタイルであって、何よりも地域資源や環境に密着した持続型農業といえる。世界の貧困と飢餓にあるのも、途上国の農村地帯である。家族型農業を守ることは、食料生産の担い手を先ず飢餓から救うことになり、地域社会の安定に寄与する。テロの多くは貧困が生むものである。家族農業を国が支援することによって、政情が安定することを国連は挙げている。
家族農業の支援を拒否しているのは、大企業に牛耳られている政府である。日本も例外ではない。大企業は食料を商品として評価し価格だけで動く。日本の種子法かや市場法など邪魔であるし、GM商品でも医薬品処理の畜産物でも一向にかまわない。食料の質などお構いなしである。
狭く水量が豊富な日本の風土は、家族農業に最も適合している。アベノミクスで日本はやれ行けドンドンで巨大化を目指している。この狭い風土で大陸型で日本の風土と異質の農業は食料の自給さえ放棄することになる。家族型の小規模農業が世界を救う。
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表彰までしてラウンドアップ奨励をする日本の農協

2018-10-15 | 農業と食

今月10日に、アメリカのカリフォルニア州の末期がんと診断されている男性が、がんになったのはモンサントの除草剤「ラウンドアップ」のせいだと提訴した裁判で、陪審は因果関係を認め、モンサントに約2億9千万ドル(約320億円)の支払いを命じる評決を出した。モンサントは直ちに上告をしている。
ラウンドアップの主成分のグリコサホートの発がん性は古くから指摘されている。日本では何の規制もなく、家庭用にヒャッキンですら販売されたりし一般家庭にまで販売されている。それどころか、全国の農協では、「JA-POP甲子園」と銘打つ販売競争を展開し、その中にランドアップ部門を設けて、全農が表彰するという販売競争を行わせているのである。
我々の酪農分野でも、草地更新の奨励事業があるが、土壌更新の条件にラウンドアップを使うことが条件とされている。
農業新聞の記事によれば、JA全農は9月14日で、JA資材店舗の活性化による組合員満足度向上と春の当用期における実績拡大をはかることを目的とし、農薬の店舗内陳列・POPを競い合う「JA-POP甲子園2018表彰大会」を開催している。「JA-POP甲子園」は、JA全農推奨農薬であるラウンドアップと、ジェネリック農薬であるジェイエースおよびペンコゼブ剤をより多き販売した店舗の表彰競争させて、消費量のアップに貢献した店舗をし表彰している。
結果は以下のようである。
【ジェイエース・ラウンドアップ部門】○最優秀賞(大型)JA水戸・ひぬま営農資材センター JA岡山西・西部農産資材の店 ○優秀賞(各2JA)(大型)▽JA愛知みなみ・田原資材センター(愛知)▽JA阿波みよし・JAグリーン池田店(徳島)(簡易)▽JAいなば・グリーンセンター(富山)▽JA筑前あさくら・西部営農センター(福岡)
等約10部門に分かれている。
この先は解り切っている。ラウンドアップ耐性品種がそのうち出現して、手に負えなくなった農家が騒ぎだす。そこには、遺伝子操作により、ラウンドアップに耐性を有する遺伝子組み換え作物はラウンドアップレディー (Roundup Ready) が用意されて、泥沼に陥るのである。モンサントの思う壺である。そしてこれらの品種には、著作権が与えらrている。TPPで著作権の侵害は、中国などの知的所有物侵害だと思わせているが、実は遺伝子組み換え作物こそが、真の狙いである。農協は自ら進んで食の安全を放棄したのである。
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本気で日本農業潰しを始めた安倍晋三

2018-05-20 | 農業と食

安倍晋三が政権を執ってから、この国は経済の実態の一部しか反映しない指標を目くらましに使って、富裕層をより豊かにし貧困層を増やすことを経済政策としてきた。日本経済が豊かに見えるのは、金を動きが激しいだけであって、実体経済や国民の生活などまったく関係ないことなのである。
実体経済の典型例は、農業であり食糧である。安倍晋三が政権を執ってから、日本の農業を支えてきた多くの法律や組織を排除し、ノーガードで打ちあう新自由主義と言われる経済体制へと向かわせた。
食糧は人間が生きていくうえで欠かすことのできないものである。しかも、必要量の30%増しは食べることができないが、必要量の70%減では飢餓状態になる。商品として扱うには全く不便であるが、量的な安定供給こそが求められる。その上、人間の健康に直接影響を受けるため、質的にも安全なんのこそが求められるものである。
食糧は可能な限り、国内生産を基本としなければならない。だからこそ食料自給率の向上は必須であり、反対する政党は存在しない。近頃になって、食糧の本質である熱量(カロリー)評価を自民党などは引き下げ、価格で食料を評価しようとするのである。一見経済活動上はまともに見えるが、大きな矛盾がここにある。
その典型例が畜産である。安価なアメリカ産の穀物を大量に家畜に与え、高価な肉や玉子や牛乳にするのである。卵で8分の1、牛乳で15分の1、肉では40分の1から30分の1にカロリーが落ちる。莫大なカロリーロスが生じる先進国の畜産は、安価な穀物と高価な畜産製品によって支えられている。
現在日本の政府が推進している日本の畜産は、アメリカ生産の穀物を変換する畜産加工業と言われるものである。多量の投資が必要な畜産加工業は、世界の貧国から穀物を奪う働きをもしていることも忘れてはならない。
お金だけで食料生産を評価する安倍自民党は、農業生産物を経済戦争の渦中へと放り込むのである。先ずは、日本の食料を地域に密着して開発してこさせた、種子法の廃案である。自民党の農政部関係の議員ですら知らないうちに廃案となった。日本のお米の生産を農家の目線で支えてきた、農業災害補償法が2020年には廃案になる。農家は自己責任の元で、企業の開発した安価な商品の供給を受けよというのである。やがて地方自治体が地域の風土に密着し開発した種子がなくなってくる。
企業参入を容易にさせようというもう一つが、市場長の廃案である。日本では野菜や魚介など鮮度が求められるものは、市場で需給に応じて公明正大に行われているが、これも大企業などの寡占が可能な新自由主義経済の中へ彫り込もうというのである。
参入した企業はやがて自由に価格調整が出来るようになり、企業は儲けて一般国民は貧困と不健康が待っていることになる。こうした現象を、景気が良くなったとかGDPが向上したなどと表現するのが、安倍晋三の経済指標なのである。
アメリカを除く11か国が署名したTPP協定の承認案は衆議院を通過した。自民党は断固反対と言っていたが、いつの間にか承認は既成事実化され、「そんなこと言ったっけ?」ととぼけて、個別交渉でアメリカの言いなりになるのである。
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保護と経済行政の中の日本の農業、規模拡大で環境悪化などの負の遺産を未来に残す

2018-04-10 | 農業と食

勤めを定年退職してから開業して、個人的に酪農家の診療をするようになって、驚いたことが少なからずある。今年で乳牛の診療をするようになって、50年になるがこの10年は驚くことが起きている。
私のお願いなどを聞いてくれた農家だけを今診療に回っている。段々病気がなくなり、ほとんど診療することもなくなってきたのである。もっとも顕著な農家は、かつて年間120万円ほどの診療費であってが、この数年は35万円前後である。診療で駄目になる牛もいないし、そもそも一般の乳房炎など以外の診療依頼がない。35万円のうち20万円ほどが医薬品代なので、獣医さんの手取りはほとんどないことになる。牛は減らしたり穀物給与を減らしているので乳量も少なくなって、農業収入は20%ほどの減収になっているが、農家の手取りはかつての倍近くまで増えてきている。
乳牛は授精して分娩させて泌乳するのであるが、病気がほとんどなくなったので、子牛がどんどん増えるのである。子牛の販売も孕みの育成(妊娠させて販売する)牛の価格が順調なのでこの収入も馬鹿にならない。乳価も高値で徐々に上がっている。

これらの原因は簡単である。政府はアベノミクスという、農業破壊政策でいくらでも大きくしろと、金が湯水のように降りてくるからである。所によっては農協が大規模な酪農場の営業に手を出している。政府ご推奨の巨大酪農場は、生産費は高くつく。乳価はこうした農家をなべて設定されるので、生産費のかからない経営の小規模農家は大喜びである。
さらに巨大農場は、乳牛は次々と駄目になる。乳牛がいなくなるので、彼らは自家製産の牛が足らなくなる。市場での孕みの育成乳牛が高くなっているのである。売るのは政府の政策に従わない、国からの補助金がほとんどない健全な農家である。孕みの育成乳牛は、数年前まではせいぜい50万円ほどであったが、今では100万円ほどもする。健全な規模の酪農家は、今バブルのさ中にある。
政府が推進する巨大な酪農業は、一機3000万円するロボット搾乳機を数機導入し、大量の穀物給与で生産乳量を上げなければ経営が成り立たない。大量の乳牛を閉じ込めた牛舎が必要になる。下の図は現在建築中の500~600頭規模の牛舎である。ほぼ6億円かかるという事である。周辺の整備などを含めれば、9億円ほどになる。そのほぼ半額ほどが、国などの補助金である。つまり税金の投入で、巨大規模の農家を次々と生ませているのである。エサは大量に購入する、生産量は巨大である、施設には巨大な建設費がかかる。つまりエサ屋さんは商売繁盛、乳業メーカーも庶倍繁盛、建築屋さんも商売繁盛である。乳牛たちは四六時中病気になるので、獣医さんは大忙しである。糞尿は余り環境は悪化する。
一見、GDPは上がったかに見える巨大な酪農業であるが、実態は巨大な資金ロスと資源の消耗、それに世界の食糧事情の悪化を招くことになる。アベノミクスの各企業の詳細は知らないが、農業分野では政策に乗った酪農家たちはいずれそれらのツケを負うことになる。
牛たちは病気にならないことが、健全な酪農経営であって、健康食品の牛乳を消費者に届けることになる。今政府が行う、クラスター事業と称する酪農の巨大化は、不健全で高価な牛乳を消費者に届ける結果となっている。
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フランスで乳幼児用粉ミルクのサルモネラ汚染

2018-01-13 | 農業と食

フランスの大手乳製品メーカー「ラクタリス」が製造したサルモネラ菌に汚染された小児用粉ミルクで、被害を受けた赤ちゃんが37人にもなった。12月2日に12ロットの回収と販売停止命令が下されたが、その後他のロットでの換算で非額は広がった。この製品は60カ国以上に輸出されていた。更なる被害の拡大が懸念される。
フランス政府は、新たに608ロットを指定した。ラクタリスによれば、回収の対象の製品は7000トンにもなるという事である。多くは消費されてしまっているという事である。回収対象品はアルジェリア、モロッコ、英国、台湾、ルーマニア、ギリシャ、バングラデシュ、中国、ペルー、ジョージア、パキスタンに輸出されている。日本には輸出されていないという事である。

ミルクのサルモネラ汚染であるが、この広がりは牛体からだとは考えられない。当初12ロットに限定したのは、牛由来と判断したのであろうが、甘い判断だ多といえる。日本だと生乳受け入れの段階とコネミルクへの加工の段階で、殺菌されることになる。ラクタリスはその後工場内の汚染と認め、昨年5月にクラオン工場の乾燥施設で汚染された、と思われると発表している。製造工程での汚染は容易に察しがついたはずである。
日本の工場ではHACCPが徹底され、このようなことは起きない。少なくとも起きればその後の出荷などありえない。そもそも乾燥で起きるとはあり得ないだろう。
貿易障壁を外すことが時代の流れのように経済学者は繰り返す。今回200種以上あるサルモネラの菌種が公表されていないので詳細は不明であるが、アメリカでは卵黄由来のサルモネラの集団発生が毎年かなりの件数発生している。また、と畜場せのサルモネラ感染する従業員も後を絶たない。いずれも日本では発生したこともないし。考えられないことである。
防疫障壁を外すなら、こうしたリスクを受け入れることになることを知っておくべきである。
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”足るを知る”、現在日本に最も欠けているもの

2018-01-07 | 農業と食

昨日書いた「足るを知る」とは老子の「自勝者強、知足者富」からの引用で、 自らに勝つ者は強く、身の程をわきまえて、むやみに不満をもたないこと。足るを知る者は富むとは、満足することを知っている者のことであり、たとえ貧しくても精神的には豊かで、幸福であるということ、という意味である。
禅がこれを「吾唯足るを知る」と口を上下左右に使った水やりなどで、表現している。
明治の初頭は農民がこの国の、80%以上であった。日本は豊芦原瑞穂の国で農業国であった。太平洋戦争後でも、この国は農業国であった。日本の文化を醸成したのは、狭い土地で巧みに土地改良を行い水管理をすることで、村社会と勤勉さが生まれ、日本のいわば細かな作業が得意な民族性も育まれてきた。
自然界では動物たちは必要以上のものは採らない。先日NHKの人体という番組で、脂肪肝になるのは人間だけ出ると、ノーベル医学賞受賞者の山中博士が述べていた。自然界では全くその通りである。
しかし、現実には人間以外にも脂肪肝になるものがいる。家畜である。彼女たち(家畜のほとんどは雌である)は、必要以上に採食させられ現場の獣医師は脂肪肝との戦いであるともいえる。
人は際限ない欲望を家畜にも課しているのである。足るを知らなくさせているのは、資本主義かもしれない。
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お米を真ん中に据えた食事が日本の食文化である

2017-11-17 | 農業と食

ここ数年妙な記事と言うか噂の類が世に出回っている。「炭水化物」を食べないようにしましょうというのである。炭水化物を40%も抜いたうどんのコマーシャルを見て驚いた。淡水化物とはほぼ穀類であるといって良い。炭水化物を取らないようにとダイエットし、健康になると言っていた男は、原因不明の病気で突如死亡した。肥満の原因が炭水化物と言うのである。
現在人類の歴史は750万年と言われていが、人類は森を出て狩猟をするようになって共同社会を作るようになった。およそ200万年前であろうと思われる。多分そのころは、平均寿命は20歳もあったろうかと思われる。
人類の最も大きな革命は5~1万年前に始まった農耕である。定置生活をするようになり、格段に平均寿命が延びた。定置生活することで、社会が上下関係や法支配など現在に至る制度ができたこともあるが、食糧の改善が何といっても大きい。安定供給されるようになった食糧とは、穀物が主体である。住環境なども置きいであろうが、炭水化物でm足された人類の姿がここにある。もちろん栄養のバランスがいいことに越したことはないが、耕作によって飢餓が解消された社会が人々に文化や文明を促した。

日本の国を支え、国民の食糧を支えてきたのが水田でありお米である。直接食べることのできる穀物はお米だけである。必須アミノ酸のバランスが良いのもお米の特徴である。稲作は日本の文化である。神社には米を作った稲わらが綱として張られている。棟上げのお払いもお米から作られたお酒である。
上表はお米の個人消費量の推移である。1963年には120キロも食べていたが、現在は、50キロ程度であるから半減以下になったといえる。しかも半量は外食である。コメの消費量をこれ以上落としてはならないだろう。国土が荒れるのも困るが、若い人たちがすぐに切れるのは米の食文化化から離れたことにある。しかも調理すらしなくなっている。
豊芦原瑞穂の国のお米作りの労働環境と、水を通じて協力し合い支えあう社会が忍耐や勤勉さや器用さをこの国に定着させた。肉や甘い食べ物に傾倒する酸性食品が苛立ち生むと言われている。
お米をベースにした食生活をこの国に戻すべきである。その上での肉や魚や野菜があってこそ健全な食文化と言える。穀物を全否定する風潮には納得できない。
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「公共品種を守る法律」の設定に後押しを、そして市場法に反対を

2017-11-02 | 農業と食

昨日の記事のコメントに、何か協力できないかというのがあった。種子法の廃案は決まってしまっている。そこでこれに代わるものとして、「公共品種を守る新しい法律」を目指す活動がある。日本の種子(たね)を守る会が今年夏ごろ結成され、その内容はサイトで見ることができる。
このサイトから、署名活動用紙
をプリントアウトして署名用紙を送っていただければと思います。
以下は、署名依頼文書の引用
『戦後の日本の食と農を支えてきた主要農作物種子法(以下種子法)が、2018 年 3 月末日で廃止されることになりました。この種子法の下、コメや麦、大豆などの主要農作物の種子の維持・開発のための施策が実施され、農家には安くて優良な種子が、消費者には美味しいコメなどが安定的に供給されてきました。
しかし、規制改革推進会議は、この種子法が民間企業の種子事業への投資を阻害するとして廃止を打ち出し、2 月に閣議決定、満足な審議なく 4 月に国会で廃止が決まってしまいました。この廃止により、今後コメなどの種子価格の高騰、地域条件等に適合した品種の維持・開発などの衰退が心配されています。また、長期的には世界の種子市場を独占する遺伝子組み換え企業が日本
の種子市場を支配していく懸念も指摘されています。
それは日本の食の安全、食糧主権が脅かされることであり、消費者にとっても大きな問題です。
私たちは、米麦・大豆の種子という大事な公共財産を失うかもしれないいま、公共品種を守るた
めの新たな法律が必要であると考え、新しい法律の制定を強く求めます。 』

とある。
昨日の繰り返しになるが、狭い日本ではあるが豊かであるが、気ままで多様な気候の日本である。地域毎の食文化の違いは意外と大きいのである。こうした食の文化の多様性は、価格の夜評価で決められるものではない。さらに近年の異常気象は、週ごとの大きく変動する野菜価格などは、消費者に農産物生産の実態を知ってもらういい機会である。それを提供しているのが、日本各地に散りばめたように存在する市場なのである。そうした市場は、特定の企業や団体が収奪をしたり独占して、価格操作するものと全く異なる存在である。そうしたことをして儲けたい企業の存在と対峙するのが現行の市場制度である。
規制緩和を題目に、大企業がふんだんに稼げるために働かせる、アベノミクスの本質がここにあるのである。
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種子法をなくし今また、市場法を撤廃することに強く反対する

2017-11-01 | 農業と食

昨年突如として、種子法が撤廃された。多くの食の生産には距離的にも意識的も無関心の人たちな人たちは、全く知らないままの事件である。報道もほとんどない。農産物の種子の開発は都道府県(それぞれの地方で)が、その地方の風土の沿った品種を解消・開発することを法律で決められていた。のうぎょう試験場が主体となっている。本ブログでもこの唐突な出来事を批判してきた。
そうした中で、つまり行政指導の中で茂木の枇杷や鳥取県の20世紀と言う梨が、それ等のかから開発されてきた。戦後間もない、薩摩芋が農林1号に始まる、それまでにない美味しい薩摩芋を食料の不足している日本に提供したものである。
コシヒカリなどの美味しいお米は、こうした背景で産まれたものである。これらは公共品種と呼ばれている。しかしそれでは、世界の食料をGMなどで席巻する多国籍企業が参入できない。種子法は来年3月末で廃止される。

そして今度は、市場法が廃止されようとしている。本ブログでも述べているが、いずれも多国籍企業などが参入できる様に、安倍政権は動いているのである。これらの法律の撤廃を手ぐすね引いて待っているのは、多国籍企業だけではない。
竹中平蔵などの、政治を動かし自分たちと取り巻きだけがいち早く参入し、たっぷり儲けようとする政治ごろつきなどもいることを忘れてならない。
食糧を金だけで評価し、企業論理を前面に出し流通の短縮化を図ろうとするのが、市場法の撤廃である。日本の市場は、流通を円滑にして生産者と消費者を強く結びつけるものである。市場でセリなどを通じて、需給関係のバランスが価格を媒介にして量的にも質的にも健全な食料を提供し、公正で透明性も高く行われて現実がある。北海道だけでも鮮魚と野菜などの市場が200ほどあり、市場は情報の提供交換の場でもあり、何よりも地方の経済をも支えている。強力な資本が市場を席巻することはないのである。
大企業がいくら儲け株価が上がっても、トリクルダウンはなく一般労働者の給与が上がらないことは、アベノミクスが証明してくれた。食料の自給率をげることに対峙する、アベノミクスの数々の蛮行の一つが市場法の撤廃である。
市場法の撤廃に強く安泰する。
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突如として提案される”種子法”を廃止する法案に反対する

2017-03-31 | 農業と食
農林水産省は主要農作物種子法(いわゆる種子法)を「廃止する」法案を今国会に提出し3月23日に衆議院農林水産委員会が可決した。これから、参議院で審議が行われるが、種子法の廃止は国民の基礎的食料である米、麦、大豆の種子を国が守るという政策を放棄するものである。種子の安定的な供給と質の不安、それに多国籍企業の参入による種子の支配不安が背景に見て取れる。
法律が果たしてきた役割を議論せず、廃止ありきの政府の姿勢は問題だとして3月27日に有志が呼びかけて開いた「日本の種子(たね)を守る会」には全国から250人を超える人々が集まり、「種子の自給は農民の自立、国民の自立の問題」などの声があがている。

種子法は昭和27年、「戦後の食糧増産という国家的要請を背景に、国・都道府県が主導して、優良な種子の生産・普及を進める必要があるとの観点から制定」された。農の在り方、食の在り方、品種の改良をも規定してきた。この国家的な要請は都道府県に農業試験場を設置し、地域に根差した種子の改良などの技術的な発展を遂げてきた経緯がある。都道府県に技術開発を預けたことも大きく、気候風土が異なる地方の種子の開発、普及は農業の在り方に沿ったものともいえる。
その後日本は2、3次産業の発展で農業は留め置かれた感がある。農業技術は機械化大型化へと、昭和36年の農業基本法の施行で大きくシフトすることになる。しかし、種子法が支えた農業の基本的な発展は、その後の日本の食にとって大きな役割を果たした。食管法が廃止されてお米が美味くなったことを、国民は実感すべきである。そして、海外協力隊員として高齢者になった技術者は、日本が独自に発展させた技術を途上国に存分に提供してきている。
種子法の廃止は、企業側に沿った意見しか提供しない規制改革推進会議の提案であるが、民間の参入を阻害しているというのが理由である。種子の改良がこれまで国民に果たしてきたことを否定し、日本農業に貢献してきた実績は全く語られることはない。昨年10月6の会議で、唐突に出されたのである。会議では種子法についての議論もほとんどなく廃止だけが決まったようである。
これで国外から、モンサントなどの食料を金儲けの商品としか見ない多国籍企業などが参入する条件を整えたことになる。種子の開発は食料自給率を高める手段の一つである。国家が国民に食料の質と量を担保する、技術的な手段の一つと言える。種子の開発を企業に委ねることは大きな禍根を残すことになる。
食糧は重要な戦略物資である。食料自給にどうも鈍感な日本ではあまり論じられないが、食糧は人が存在する限り欠かすことができない。農産物は時間をかけた生産基盤と技術が求められ、2、3次産業とは明らかに異なる。TPPがトランプの御乱心でとん挫したが、農産物へのこうした海外からの攻撃は絶えることがなく、陰に陽に巧みに展開されている。
都道府県で開発した技術や施設は民間に売却される。民間と言ってもどこになるかわからない。遺伝子組み換え品種を開発することも可能になる。農業技術は意外と軍事利用されることが歴史的に見ても少なくはない。そうしたことへの歯止めも、民間移譲でかなわなくなるだろう。開発競争の激化がこうしたことへ拍車をかけることになるだろう。
アメリカですら州立大学が公共品種の開発、提供を行い、小麦の最大生産州カンザスでは州立大学と州農業試験場の種子の供給量が1,2位を占めているという。カナダの小麦は95%が公共品種で、長期的・安定的な提供をしている。公共品種の開発は食糧の安全保障の意味も深く、教育的役割も担っている。
安倍政権になってから農業に対する、非農業側からの的外れの要求や攻撃が絶え間ない。攻める農業などという、空論に国民が惑わされているのであろう。種子法の廃止もその一環である。種子法の廃止に反対する。

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韓国で鳥インフルエンザが猛威を振るい3千万羽を超えた

2017-01-04 | 農業と食
昨年暮れから韓国で高病原性鳥インフルエンザ(H5N6亜型)がほぼ全国的に猛威を振るい、史上最悪の被害となっている。感染が確認されてから50日ほどで殺処分された家禽類が3000万羽を超えた。韓国の農林畜産食品部は1月3日午前0時までに、鶏2582万羽やアヒル233万羽、ウズラなど218万羽の計3033万羽が処分されたと発表した。
採卵鶏は韓国の飼養羽数の34%を超えた。生卵の消費者価格は45%以上上昇している。韓国政府は急きょ生卵7億個の無関税輸入を決定した。更に、卵液・卵粉など9品目(合計9万8千トン規模)についても、4日から緊急割当関税を適用し、関税を課さないことを決定した。
この数日間発生が減少し鎮静化の傾向にあると韓国政府は発表しているが、予断を許さないとみるべきである。緊急輸入は鮮度が求められるために、空輸になるとのことである。日本から大量に輸入させることのになるとおもわれ、国内の卵の価格が上昇することになるだろう。
日本でも昨年秋から、鳥インフルエンザの発生が起きている。7件に発生があり107万羽が処分されている。上の左の写真は韓国紙のものであるが、鳥たちを一酸化炭素で安楽殺しているのが解る。韓国は検査や消毒や殺処分などの対応もしっかりとやっているようである。
鳥インフルエンザは野鳥が持ってくると言われている。日本では死んだ野鳥からも検出されていはいる。当然のことであるが鳥には国境などない。大量に発生した韓国も深刻であろうが、北朝鮮や中国それにロシアなどの、検査やその後の処分などの対応が懸念されるところである。
菌種も伝搬もはっきりしているが、飼養形態のことについては多くは行政は語らない。日本や韓国での発生農家を現地に行って詳細に調べたわけではないが、処分羽数等から見て採卵鶏では全例がケージ養鶏だと思われる。一つの養鶏場で数十万羽飼養している。
EUではアニマルエルフェアー(家畜福祉)の観点から、鶏たちに苦痛を与える中空で生涯を終え自由を束縛する、ケージ養鶏は禁止されている。私たち人間は、生産効率を求めて鶏や豚や牛たちを生命ある個体として扱ってこなかった。彼女たち(家畜は殆どが雌である)から歪な管理に対する、報復・警告であるとみることもできる、鳥インフルエンザの大量発生である。
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アメリカの穀物を給与する歪な酪農で消費者はとても高い牛乳を買うことになる

2017-01-01 | 農業と食
政府が薦める大型農業は、周辺産業がおこぼれを受けるため地域が一丸となって、攻める農業としてそれゆけドンドンといった感じである。酪農に限ってそのようなことは起きてはいない。
大型化することで、余りにも失うことが多いからである。頭数が増えれば目が行き届かなくなり、事故が増える。牛群は淘汰が早くなり弱年齢化する。設備投資が増えるため、回収が急がれ酪農の形態とは関係なく外部資本の言いなりになる。高泌乳が求められて、輸入穀物が大量に与えれれる。事故が常態化し個体管理が疎かないなる。事故に無関心になる。これらは営農にとってかなり深刻な問題となっている。
酪農関係者ならだれでも知っていることであるが、北海道農政部が興味ある調査結果を持っていた。公表はされていない。知人を介して入手できた。

堆肥的な農家を概略で説明するが、放牧中心で牛に無理掛けずに50頭足らずで営農する酪農家(P)と、フリーストール牛舎パーラー搾乳の500頭規模の農家(F)を比較する。
P農家の牛乳の手取りが45.4円/キロである。現在98円ほどであるから生産費は53円ほどである。一方F農家は9.2円/キロであるから同じく生産費は89円もしていることになる。
また、1頭あたりの農業所得がP農家は37万9千円ほどである。F農家は11万円ほどしかない。F農家は規模拡大した結果経費ばかりが掛かるということになる。そこで1頭あたりの所得が低いから、たくさん飼わなければならない。頭数を多くすることで、設備投資がかかる、管理がおろそかないなる事故が増えるという悪循環が生まれるのである。酪農家は忙しくなるばかりである。周辺産業と言えば、乳業会社は出荷量が増えるので有難いし、飼料会社は商売繁盛で、機械屋さんも農機具屋も獣医さんも大忙しである。
ところで牛たちが食べる飼料はほとんどがアメリカから輸入される、無関税となっている依然し組み換え穀物のことである。つまり大型農家はかつては余剰であったアメリカ産穀物を大量に購入しなければやってゆけない、農業形態である。こうした飼養形態を畜産加工業と呼ぶ。アメリカ依存の飼養形態は肉牛も肉豚も、そして養鶏も、近代化とか大型化と呼ばれて巨大化する一方である。まんまとアメリカの穀物戦略に乗せられた、日本の畜産といえるのである。
高投資の結果は、消費者に高価な畜産物を提供することになるのである。大型農家は、大量に生産してはいるが、極めてロスが多く特に牛に負担をかける形態といえる。こうした農家は競争力のないことはもちろんのこと、農業の本質すら外れているのである。

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ガイヤの夜明け「バター不足の闇」という政府広報番組を見た

2016-11-24 | 農業と食
一昨日(11月22日)ガイヤの夜明けというほとんど見たことのない番組を見た。政府の農業政策を推進する立場で制作され、都合の悪いところは隠したま恣意的に番組は進行していった。番組の中で自民党農林部会長の小泉進次郎が、「農家が儲かる政策をする」と述べていたが、そもそも実態を知らない番組制作者が、ごく一部だけを開いて見せた極めて問題の多いものとなっていた。
牛乳という鮮度が求められる特殊な製品は、大根などのように一本では売れない。加工されたものが数多くあり、その内容によって価格が異なるため、価格と量の比率によって農家への生乳価格が決められている。番組で紹介してたのが上の図である。左から飲用向け、バター、ヨーグルト、チーズであるがそれぞれの価格が示されている。その他に、給食用というのがある。多分40円台であるし、チーズはこんなに高いのだろうか?バターやチーズは輸入製品との競合するため押さえられている。そして農家の手取りは、100円足らずというのが現行である。

番組は、バター不足を農協が買い占めている現行制度に問題があるとしているが、それは違う。バターは輸入製品があるため安いのである。番組ではMMJという栃木の乳業会社が、これまでホクレンに出荷していた酪農家を10円高く買うという酪農家を追っていた。10円高いのは当然である。飲用乳だけしか生産してないからである。
農家が高いところに牛乳を売るのは、小泉の言う内容に沿っているのではないか。商流が整われていなかった時代には、北海道とりわけ道東の牛乳は飲用にはできなかった。北海道牛乳は加工向けとされ、輸入乳製品にかけられていた関税を補給金として乳代に上乗せして受け取っていた。このために使われていたのが農協系統(ホクレン)である。府県の酪農家も安価な北海道牛乳が入ってこないように働きかけ、南北戦争と言われた乳価競争ああった。その名残をホクレンは甘い汁のまま吸い続けているのも、大きな問題である。
番組はこうした内容には蓋をして、給食向けの安価な部分の乳代まで含まれていて、それが消費の普及に貢献していることも、省かれた内容になっている。
酪農家が新たな活路を求めて販売先を模索するのは当然のことである。ホクレンの部長がバター不足をあってもいいという発言を、消費者からの視点で番組は告発している。高い製品への比重を上げるのは、生産者にメリットがあって、当然のことである。
かつてのように地域でしか売れなかった飲用乳も、日本の隅々まで届けることができるようになった。ホクレンの部長が言うように輸入品に任せてもいいものがあれば、酪農家の懐は潤うことになる。番組はホクレンをヒール役に仕立て、消費者には諸悪の根源と信じ込ませる内容になっている。
小泉達自民党は、バターなどどうでもいいのである。農協を壊したいのである。かつては票田とまで言われた農村も、閑散としてきてそれほどの力がなくなった。自民党はアメリカの要求に沿って、地方に影響のある金融市場を開放させたいのである。アメリカの声は聞くが農民の声など聞く気がない。農協が邪魔なのである。

ところでネット検索しても、この番組だけが見当たらない。削除されたとあるが、ホクレンが圧力をかけたのであろうが、いつまでもそのような横暴が通じる世の中ではない。MMJの参入で乳価が多分上がるだろうと、北海道の一般酪農家は喜んでいる。ホクレンは農民には信用されていないが、都合の良いカネヅルだとは思っている。
MMJが自分たちでバター工場を作ると準備していたが、これまでの乳価から10円安くしなければ採算が取れないことになり、酪農家にメリットがなくなる。多分失敗するだろう。MMJ出荷農家はそうしたリスクも負うことになる。

番組は酪農家を訪ねる度に、乳牛が放牧された風景を映していたが、MMJに出荷している農家を全戸知っているが、放牧しているところは一戸もない。出荷農家の乳牛は閉じ込められたコンクリートの牛舎で、飼料の半分以上はアメリカからの輸入穀物を給与しているのである。番組は系統を悪役に仕立て、自民党農政に沿った政府広報番組といえる。
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育てる漁業も結局は天然資源を枯渇させるだけである

2016-08-31 | 農業と食
この二つの表は、今月号のWWFの機関紙の表です。先の表は日本で消費されるサケの天然と養殖の比率です。もうすでに私たちの食べるサケの80%近くが養殖ものになっているのが判ります。
そして右の表は、国産と輸入物比率です。もうすでに70%近くが輸入されたサケなのです。輸入物のうちチリとノルウェーはすべてが養殖、ロシアとアメリカの物は天然ものです。
海洋資源が枯渇したり領海が厳しくなったので、日本の漁業は育てる漁業と称し、養殖へとシフトしてゆきました。殆どの消費者はそれで納得されていたことでしょう。資源小国日本のたどる道だと、説得力があるかに見えるからです。
しかし育てる漁業の魚のえさはいったいどうなっているのでしょう。養殖用の魚のえさは大豆で固めていますが、アジ、アンチョビ、サバ、イワシなどが本態なのです。つまりこうした雑魚を大量に採らなければ、育てる漁業はやってゆけないのです。単純に考えても、サケの量の数倍の漁獲量が必要になります。ペルーでは養殖用に乱獲される、アンチョビの大量漁獲が問題になっているのです。
そこで環境に配慮した天然水産物の保全に配慮した漁法による認定制度ASCを、関係機関が設けています。いわば海のエコラベルと言われるASCですが、こうした配慮の輪を広げることが、海の資源を守ることになる。

一方今月29日に、北太平洋海域のクロマグロの資源管理について話し合う中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)が福岡市で、クロマグロの資源枯渇を防ぐために発動する緊急の漁獲規制の議論を始めた。会議には、中国や韓国、台湾、米国など10カ国・地域が参加している。
太平洋クロマグロは資源が大きく減少していて、最近も低い水準で推移していると言われている。マグロは回遊魚で広い海を泳ぎ回るため、各国が連携して資源管理に取り組まなければならない。現在は5つの国際管理機関があり、このうち日本に近い海域の太平洋クロマグロを管理する「中西部太平洋まぐろ類委員会」では、大量に漁獲されている重さ30キロ未満の幼魚を対象に漁獲制限を行っている。
しかしこの会議は、どう見てもどれだけ漁獲できるかという、いわば環境保全を名目にして、その上限を決める会議であるといえる。乱獲の基準を国威を背景に綱引きする会議は禍根を残すことになる。

マグロ資源が少なくなれば食べることをやめるべきなのである。クジラの頭数が危険水域になれば、過去の問題をいつまでも引きずるのではなく、漁をするべきではないのである。
そして、魚の養殖は先進国が取り組む、高生産・多頭数羽の大型畜産と全く同じ構造であることが分かる。環境の破壊と資源の枯渇、そして家畜に苦痛を与えることになる。育てる漁業という養殖も同じ問題を抱えているのである。
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羅臼港

春誓い羅臼港