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もやもや日記

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『ミチコとハッチン』

2009年06月24日 | 映像(アニメーション)


《あらすじ》
昔の恋人ヒロシを探すため、脱獄したミチコ・マランドロは、ヒロシの娘であるという少女ハナを連れ出し、警察の追跡をかわしながら旅を続ける。



『サムライチャンプルー』に続き、マングロープ制作のアニメ『ミチコとハッチン』を観てみました。

まず、良かった点から。
『ミチコとハッチン』はタフで格好良い女性たちの物語でした。大筋としては、なかなかよく出来た筋立てだったのではないかと思います。また、画面がとてもお洒落で、オープニングなどはすごく格好いい! 作画も全体的にとても綺麗で見応えがありました。ただ最後の数話分でいくらか歪んだように見えたのは残念でしたが。

ミチコは、粗雑で横暴、直情型の単純バカですが、一途でさっぱりした性格、そしてかなりの美女。このミチコというキャラクターの造形の美しさを楽しむだけでも、観た甲斐があったというものです。アーモンド型の瞳がとても美しい。毎回変わるミチコのファッションも、なかなかこだわりが感じられて楽しめました。

ヒロシの娘、ハナ(=ハッチン)は、9歳の女の子ですが、孤児として教会で育ちました。常に虐げられながらも、めげずにがんばり続け、ミチコと行動をともにするうちに、どんどんタフさを身につけてゆくところが良かったです。

ストーリーは、いささか安直で、型通りの話が多かったように思いますが、主人公をはじめ主要人物がみなそれぞれの強さを持つ女性であり、その周囲の男たちは暴力や謀略でうまくやろうとするものの、いずれもどこかダメなやつばかりという描き方は、ちょっと斬新でした。ミチコが惚れ抜いて、ずっと追いかけていたヒロシという男が、本当はどういう男なのか、というその引っ張り方もオチの付け方もうまかったと思います。
ヒロシを追って旅を続けるミチコとハッチンが、最後に手に入れたものは何だったのか――というラストは感動的です。こういう終わり方はいいですね。

結構面白かったですが、すごく面白かったかと言うと、うーむあと少し…という感じです。すごく惜しい。あとちょっとですごく面白くなりそうだったのになぁ。あ、でも最終回と、最初の方の元お嬢様の踊り子のエピソードはすごく良かったです。どちらかと言うと最初の方のエピソードは面白かったけど、次第に失速して行く感が否めませんでしたかね……実に惜しい。

惜しかったと言えば、声のキャスティング。ミチコの役を真木ようこさんがやってらっしゃるのですが、特に最初の方の回は残念ながら何をしゃべっているのか聞き取れないところが多数…。いい声だと思うだけに(おまけに真木さんが私好みのすごい美女なだけに)、これは残念でした。最初はとても違和感がありましたが、でもなんだかんだで慣れますね。最終話ではさほど気にならなくはなりましたけど。しかし、もしもプロの声優さんがやっていたら一体どうなっていただろうなぁ、とついつい思ってしまいます。役者さんと声優さんというのは結構違うものなのですね。『東京ゴッドファーザーズ』の声の人たちは、みんな役者さんだったけど、すごくうまかったですがね。向き不向き?


まあ、でもミチコが凄まじい美女だったから、それだけでも良かったです。私は美女が観られれば、それだけで十分満足です。なかなか思ったようにうまくいかないことばかりの人生を、それでも逞しく生き抜こうとする女性たちの、それぞれに美しい姿を堪能できる魅力ある作品だったと思います。