トキの島の北西側の突端に咲いている「トビシマカンゾウ」を撮ってきた。
もう、盛りを過ぎており、海岸沿いの大群落は姿を消し、ぽつ々と立って
おり、元気な花の姿を求めるのが大変だったが、梅雨の谷間の好天と青い
海に映えて綺麗に咲いていた。
トビシマカンゾウと言うと、耳慣れないが「ニッコウキスゲ」と呼べば
「ああ、尾瀬に咲いている」と知っている人が多い。関東では1千㍍以上
位の湿った草原に咲く。初夏の尾瀬を代表する花で、大群落は見事。このキスゲ
(黄菅)が、気候の厳しいトキの島のシベリア側?では、海岸沿いに咲く。
島に咲くので「トビシマ」を冠したようだ。
映画「喜びも悲しみも幾歳月」に登場した鷲崎灯台の近く、「君の名は」の舞台
となった尖閣湾から北に40㌔ほどのところ。大野亀と二つ亀の間の草原に群落
を作る。切り立った断崖と青い海、これに黄色のキスゲが絶妙な演出で加わる。
厳しい北の海岸線に訪れた緑の初夏、青い海が寂しさを優先せざるを得ない場所
を明るく見せてくれる。この群落を見に、島外からも多くの人が訪れてくれる。