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高齢者の免許更新

2022年05月16日 12時39分20秒 | 世間
  垣谷美雨さんの小説「うちの父が運転をやめません」は、死ぬまで運転すると言い張る故郷の親に、
  東京暮らしの息子が手を焼く話です。 80歳目前で車に擦り傷を重ねても「事故を起こすのは
  老人だけやない」と突っぱねる。 説得に窮する息子の姿が、我が身に重なった。

  75歳以上の免許更新の新制度が、13日にスタートした。 目玉は「実車試験」で、一定の違
   反歴がある人に実技テストが課される。 警視庁での免許試験場で試走の様子がニュースで紹
   介されていた。 勢いよく段差に乗り上げたとき、すぐブレーキを踏む。 赤信号や一時停止
   でキチンと止まる。 全部で6つの課題は、さほど難しくはなさそうに映った。
  当局も「お年寄りから免許を取り上げる趣旨ではない」と説明している。 厳しくしすぎると本
   当に車が要る人が困るということか? ともあれこれで即、事故撲滅とはいくまい。 いまだ
   車優先の交通インフラ、高齢者の孤立、地域間格差。 事故の背景には構造問題がさまざまに
   ひそんでいる。 警察に任せっぱなしで済む問題ではないと思われる。

  小説では息子と父が交流を深め、それが父をじんわり変えてい行く‥。 垣谷さんに思いを聞く
   と「高齢ドライバーの問題は、単に運転の巧拙ではなく、超高齢化社会をいかに安全に維持す
   るかが問われているのでしょう」。 運転を見直せばライフスタイルも変化する。 免許更新
   をきっかけに、老親とゆっくり話をしてみてのもいいのではないだろうか‥‥。

 75歳以上に対する免許更新時の認知機能検査
 は2009年に義務化された。17年に内容が
 強化され、認知症の恐れありと判断されると医
 師の診断が必須となった。だが認知機能検査が
 問題なくとも、基礎的な運転能力の低下に伴う
 事故は少なくない。そこで実車試験でリスクの
 目を摘むのが、この新制度の狙いだそうだ。
 日本でも更新時の高齢者講習で実車指導はあっ
 たが、免許を失う可能性がある試験の導入は初。
  公共交通機関などが少ない地方で暮らす高齢者の皆さんらは、試験結果によって生活の「足」が
   失われかねない。 交通政策に詳しい山梨大の“伊藤教授”は「コミュニティーバスなど代替の
   移動手段が必要になるが、整備にも限界もある。 地域によっては過疎地から街への移住を促
   すなど、長期的な視点で高齢者の生活をどう支えるか多面的に検討していくことが重要だ」
   と話している。

  交通便利な都会の考えではなく、地方で暮らす人の状況を十分に考慮したうえで物事の政策等を
   練ってほしいものです。 いろいろな物事全てにおいてそうしてほしいものです。