農業じゆう人

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ウイルス

2022年05月30日 12時36分07秒 | 健康
  人類は長い間、天然痘(痘瘡(とうそう)との闘いを繰り返してきたといわれている。
  医学者の❝富士川先生❞が明治末に著した「日本疾病史」はこの疫病について多くの
   ページを費やし、8世紀前半の天平年間から近世までの苦難を克明につづる。
   記録にあるだけで、流行は60回近くに及ぶという。
  江戸期だけをみても、1619年、54年、79年、82年、1702年、08年
   09年‥‥。 その間隔はだんだん短くなり「遂ニ連年絶エズ、小流行ヲ見ルニ
   至レリ」。 災厄は内外で果てしなく続いたが、18世紀末、英国のジェンナー
   が種痘を開発して時代は変わる。 約200年後、世界保健機関(WHO)はついに
   根絶を宣言したという。

  ウイルスという魔物は、しかし油断もスキもない。 天然痘は地球から消えたのに  
   それに似た「サル痘」の患者が欧米などで相次いで見つかっている。 もっとも
   かの兄弟分に比べれば感染力は弱く、ほとんどが軽症というから冷静に推移を見
   たいものだ。 かつて日本でもみんなが打った天然痘ワクチンがこちらにもく効
   くとかいわれている? 

  わが二の腕の接種痕は見えなくなってしまったが、いまも免疫は残っているのだろ
   うか‥。 日本で種痘が廃止されてほぼ半世紀が経過。 天然痘をめぐる歴史を
   たどらせる、今回の異変だ。 そういえば、遠い天平時代のパンデミックは海外
   交流の拠点だった太宰府から始まったらしい。 グローバル化の宿命を乗りこえ
   て、先人たちは歩んだに違いない。

  ウイルスはいつなんどき、どっからどうしてやってくるのさっぱり分からない。
   やはり日ごろから安心せずちょっとずつ気をつけるしかないようです。