農業じゆう人

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道徳と損得

2021年05月25日 12時34分22秒 | 世間
  娘と貧乏長屋で暮らす浪人が、生活と足しに、と今でいうリサイクル業者に家伝の
   仏像を引き取るよう依頼する。 売れたら、もうけを折半する約束で・・だ。 
  実は仏像のなかには小判が入っていたのだが・・・。 
  これ古典落語「井戸の茶碗」という歴代の名人が話芸を競った名作です。
  仏像を買った若い武士は「持ち主に返す」。  浪人は「既に売ったものだ」と
   双方、小判を受け取らない。 正直者の意地がぶつかる。 
  東京では緊急事態宣言が延長される一方、演芸場が再開された。 ニュースでと
   りあげられ高座では“柳家花緑師匠”がこの演目をたっぷりと語ったそうだ。
   少ない常連客が、気うつなご時世なので、幸福な結末にほっこりしたという。

  人々の道徳と経済的な損得の関係を主題にしたドラマだ。 米国の行動経済学者
   “ダン・アリエリー氏”の著書「予想どおりに不合理」は、この問題を掘り下げ
   ている。 「社会規範のコスト」と題した論考が興味深い。 託児所で、子ど
   もの迎えに遅れる親がいる。 罰金を科したらどうなるか。 効果を試したと
   ころ、予期せぬ結果を招く・・。
  金銭を払うのだから、遅刻してもいい。 そんな親が増えたという。 社会規範
   の問題が、損得勘定に変わってしまったようだ。 コロナ対策で、行政の営業
   時間短縮命令に反した飲食店などに、過料を求めることが可能になった。
  でもカネさえ払えば、と開き直られても困る。 解決に導くにはどうすればよい
   だろうか。 こういったカネの関する問題はお偉い先生方では無理なこと。
  やはり頼りになるのは昔の粋なご隠居さんの知恵が一番必要のようですな~・・。