順番の選択

　 昔々・・？　テレビ番組で「欽ちゃんのどこまでやるの！」というものがあった。
　　通称「欽どこ」と呼ばれ、昭和５０年代に一世を風靡したバライティー番組です。
　　芸能人が食事をする風景を映し、５品あるおかずをどの順番で食べるか言い当て
　　 るというなぜか人気のコーナーがあった。　いま思えばたわいのないクイズだが
　　 皆さんワクワクしながら見ていたのではないかと思う。
　　ブラウン管越しに憧れの人の性格を推し量りつつ、自分だったら何から箸をつけ
　　　るだろうと想像する。　その予想が的中しても外れても楽しかった。
　　長じて、焼き鳥屋で５本の串のどれから食べようか、どの会社に就職するか、ど
　　　この町に住もうか・・。　些末なことから大事まで、人生は順位付けと選択の
　　　果てしない連なりと知らされる。

　　こちらでは、国際オリンピック委員会（IOC）のはからいでらいで、東京五輪の
　　　選手たちに製薬会社からワクチンが無償で提供されるという。　日本政府が国
　　　民向けに何とか確保した分とは「別枠」だから遠慮なく使ってもいいとか。
　　　だが、何かモヤモヤした気持ちになるのはどうしてなんだろうか？
　　　これも順位付けと選択の問題のような気がしてならない。

　　私たちは昨年、専門家の意見を踏まえ優先順位を決めたのではなかったか？？
　　　まずは医療従事者の皆さんが最優先。　続いて順次高齢者の皆さんへのハズ
　　　それが今でも医療従事者への接種も終わっていないという。　なかにはまだ
　　　未接種なのに高齢者へ接種作業をしている医療授受者がいるというおかしな
　　　状況がある。　最優先として始まったのになんなんだろうか・・。
　　こんな状態なのに、支持率アップのためor五輪を何が何でも開催したいため？
　　　突如として遅々として進まない高齢者への接種を早めようと首相の一声で
　　　大会場での接種を始めることになった。　接種を進める目にはいいがあまり
　　　にも突拍子すぎる。　突如のことなので自治体は大慌てようだ。
　　　高齢者の問い合わせだけでなく、自治体の方の混乱ぶりが報じられている。
　　　遅々として進まない高齢者への接種では、連日あちこちから混乱ぶりだけが
　　　　伝わってくる。　ワクチンに辿り着くまではまだまだ長い道のりのだ。　
　　　私共の街では８０歳以上の接種券が４月３０日に配布され５月１２日から予約開始。明後日から
　　　　接種が始まるスケジュール。　だからといって大型接種会場まで行くにはリスクが大きすぎる。　
　　「横入り」には世間の目は厳しい。　急ごしらえの「別枠」には、納得のいく
　　　説明がいる。　「特別」とは言えない負い目でもあるのでしょうか・・？　
　　　当初に決めた優先順位を粛々と守ったうえで次へ進むように願いたい。