「人権問題に関する市民意識調査報告書」が、先日の市民文教委員会の議題となっていました。この意識調査は5年ごとに行なわれているもので、今回は平成20年度調査のものです。数字の解釈は慎重に適正に行なわれなければなりません。
例えば同和問題について、「同和問題は着実に解消に向かっています」と考察されていますが、岡山市のまとめ方による数字でみても、平成5年度から通じてみると、けしてそのような結果はでていません。平成10年度と比較すると、完全に後退しているという数字が出ています。
また、結婚問題について、親の立場からみると、「反対だが子どもの意志尊重」(43.4%)、「家族・親戚などの反対があれば結婚を認めない」(7.1%)、「絶対に結婚は認めない」(2.7%)となっていて、親の気持ちとして結婚に反対なのは53.2%と2人に1人、100人に53人です。自分自身の立場としては、「強い反対があれば結婚しない」(13.5%)、「結婚しない」(3.8%)で、100人のうち17人は、自分の気持ちも含め強い反対があれば結婚しないということです。岡山市はこういう視点からの考察をしていませんが、これらの数字は、同和問題の深刻さを表しています。
意識調査から出てきた結果を、岡山市政に反映するとのことです。なぜ、このような数字が出て来ているのか。解決のためにはどんな取り組みをしたらいいのか。今、何が足りないのか。ともに真摯に考えなければなりません。人権問題は生命と尊厳に直結するからです。