アーサー・ビナードさんの講演会が吉備中央町でありました。今日は、赤磐市とのダブルヘッダーです。アーサーさん大好き、吉備中央町でのテーマは「里山暮らしの本当の意味」ということで、いったいどんな話をされるのだろうと興味津々でした。副題に、TPPのことなどとありましたが、まさにTPPのことでした。
いつもながら、濃密・綿密な話を軽快にユーモアを交えて、あっという間の2時間。TPPはとんでもないと、TPPの危険さについて、分かりやすく話をしてくださいました。
今回、印象に残ったことは二つ。
①日本の高度経済成長は存在していない。そう言っていただけで本当の富はたまっていない。外(アメリカ)からのフォアグラ経済成長で、育てた肝を抜いては、次の肝を育て、抜いてきた。そして、アベノミクスで、最後の肝を、生き血も含めてTPPに抜かれる。
②日本語のおもしろい表現はほとんど里山で生まれているのだけど、里山がなくなると日本語をつくりだす機能がなくなってしまう。個人・家族農業をつぶすのがTPP。TPP参加で里山がつぶされ、日本語もアイヌ語のようになっちゃうよと。自給自足ができる里山政治をと質疑応答のなかでおっしゃっておられました。
TPP、自治権が奪われます。そして、関税障壁のことばかりが取りざたされていますが、本当の狙いは非関税障壁。関税とは関わりのない、文化、慣習、労働のしくみなど社会的制度などまで対象になります。日本語が孫に手渡せなくなったら日本人は失われてしまいますよと。
TPPそのものが隠されている部分が大きいけれど、日本のマスコミが報道しないことが多い。日本の社会・政治状況はアメリカ抜きには分析できません。そんななか、アメリカと日本に情報も含めて精通しておられるアーサーさんの役割は大きいですね。感謝。