Windows XPのリスクを強調する不安マーケティング

Windows XPのサポートが4月9日に終了するのですが、
それ以降もXPを使い続けるユーザーが相当数いるようでして。

例えば札幌市など地方自治体でも万を超える台数のXPマシンが稼働することに、
対応が遅すぎるんじゃないかと批判があるようです。

確かに、XPのサポート終了は5年くらい前から告知されていたに関わらず、
リプレースが間に合わないというのは自治体の怠慢じゃないかと言われても、
まあ仕方ないかもしれません。

XPを今後も使い続けるということは、いくらウィルス対策ソフトを使うとはいえ、
セキュリティに対して鈍感過ぎるとの見方もされてしまいます。

そうなんだろうなあとも思うのですが、こんぴゅーたーに詳しくない自分からすると、
ちょっとこの問題、よくわからないのですよ。


つまりアレですか。
サポートが終了するからXPは危険なのであって、
サポートが終了しないうちならそうでもない、ってことなのですか。

9日までなら安全なXPがそれ以降になると突然、危険性が増すのですか。
よくわかりません。


それとも、今でも、いやとっくにXPは危険なのですか。
今日XPを使っているとしたら、それは危険なOSを使ってるということなのですか。

であれば、サポート期限終了前にやっとこさXPから7や8にリプレースしたばかりの
企業や自治体などは最近までXPを仕様していたことで批判の対象にならないのですか。
よくわかりません。


そして、XPから7や8にアップデートすると、いきなり安全になるのですか。
よくわかりません。


そりゃあ、いくら今でもXP環境でPCを利用に差し支えないといっても、
10年以上前のOSということで、技術的にそのシステム自体が古くさくなり、
新しいコンピューティング環境にそぐわなくなってくる部分はあるでしょう。
その中にはセキュリティに関する項目もあるだろうことは想像できます。

とはいえ、つい昨日まで使っていたものが今日から危険だよ、とか、
急変してしまうことなのでしょうか。

サポートが終了して新たな脅威に対応できなくなる前にアップデートしろ、
ってこなのかもしれませんけど、なら、7や8なら安全なものなのでしょうか。

XPにつきまとうリスクが、7や8ならきれいになくなるものなのですか。
こんぴゅーたーに詳しくないのでよくわかりません。


なんかこの、これまで支持されて長い間利用されてきたWIndows XPが、
セキュリティ面等いかにも欠陥商品であり、7や8ならそうした欠陥とは
まるで無縁であるかのような言い方には違和感を感じずにいられません。


考えてみるとマイクロソフトって今までも、こうやって危険だ危険だと言って、
OSのリプレースを促してきたのですね。

今までのセキュリティは万全じゃありませんでした、
あるいは、あなたのPCは危険に侵されています、とか言って、
売り出しのときには、より安全なOSです！と言っていたくせに。


こうして、自社の製品を危険ですと消費者に言える企業って、
例えば電化製品とかのリコールじゃなければ、なかなかないですが、
消費者に危険を煽るマーケティングを行っている企業は結構あるものです。

例えば美容、健康、あるいは老後やお金のことなんかですね。
美しさを保ちたいでしょう？とか、将来不安でしょう？とか、
脅威やそれに対する不安を強調することで商品を売るのです。

マーケティングの世界では製品陳腐化という言葉がありますが、
それも古い製品を使用し続けることよって生じる不利益を提示すれば、
消費者は新しい商品に買い替えて安心を得たいという気になります。

新製品で性能を強化したり新機能を追加したりデザインを変えたり、
その他、買い換えさせる理由をつけて、故意に古い製品を陳腐化させるのです。

ガラケー全盛時代のケータイ端末なんかあからさまでした。
実際、自分の周りでも年に1回以上、端末を買い替える奴はいたものです。

洋服の流行り廃りなんかも製品陳腐化マーケティングと言えます。
流行は服飾業界が決めているのは周知の通りです。


ともかく、サポート終了後もXPを稼働させる企業や自治体について、
こんぴゅーたーについて知ったようなフリの人は非難を浴びせていますが、
どうもそういうのに違和感があるといいますか。

XPはもはや安全じゃないからアップデート・リプレースするのが正義という、
なんかそんなドヤ顔をしたいだけなんじゃないかと思ってしまうのですけども。

かえって、こういう、こんぴゅーたー知ったフリなユーザーを利用して、
こんなバズを拡散させるネタを仕込んでいるのかもしれませんね。


例えば言われることとしては、XPを使っている本人はよくても、
そのXPマシンが媒介されて他の企業体などにウィルスかなにかが
バラまかれる危険性があるじゃないか！ってなことなのですが。

だとしても、安全な7や8のマシンならそんな危険性にも対処できるのでしょう？

とか思うのですがねえ、違うのでしょうか。
こんぴゅーたーのことは詳しくないのでよくわかりません。


ま、こんなに多くのユーサーがXPからアップデートしてくれないとなると、
危険を煽るマーケティグとして考えられることは、XPの危険性の証明になりましょうか。

XPマシンを攻撃するのですよ。
そういう事件を故意に起こすか、でっち上げるのですな。

ほうらやっぱりXPは危険だよ、というのです。
なんか事件が起きれば、さすがにアップデートやリプレースが進むでしょう。

いや、もちろん妄想ですよ。


さて、不安を煽るマーケティングと言えば、国の安全保障にも適用できましてね。

日本が攻撃を受けている、もしくはその脅威にさらされているとなれば、
軍備の増強だけでなく戦争でさえも正当化できてしまうのです。

アメリカのキッシンジャー元国務長官はこんなこと言ってます。


　「脅威が現実になれば日本人の平和主義など一夜で変わる」