アベちゃんの成長戦略発表の効果

12日にアベちゃん、というか政府の産業競争力会議が日本の成長戦略を発表しまして。
成長戦略？なんて、これまでもアベちゃんが何度も発表してた気がするのですが。

ともかく、それによると、「投資減税で法人負担を軽減する」んだそうで。

んで、まぁ早速、日本経団連新聞が、この件について企業経営者のアンケートを
実施したのですが、こういうことになると仕事が早いですね、日経は。
アンケートを閉め切ったのが同日の19時で記事のアップが深夜なんですからね。


　成長戦略「評価」「法人減税を」　経営者アンケート

　政府が決定した成長戦略を、経済界は前向きに受け止めている。
　日本経済新聞が12日に実施した経営者緊急アンケートによると、
　主要企業で一定の評価をする割合は計88％に達した。
　首相が秋にも検討する追加策に盛り込むべき政策（複数回答）では、
　「思い切った法人減税」を挙げる企業が95.4％に達した。
　デフレ脱却へ企業の投資を喚起するうえで、税制の見直しが焦点になる。
　企業は約270兆円にまで積み上げた内部留保の活用を問われることになる。

　アンケートは12日に実施し、午後７時すぎまでに寄せられた108社の回答をまとめた。

　成長戦略について「評価している」との回答は49.1％とほぼ半数に迫った。
　「どちらかといえば評価」（30.6％）、「高く評価」（8.3％）を合わせると
　一定の評価をする企業は88％に上った。
　逆に「あまり評価していない」は2.8％にとどまった。

　成長戦略に盛り込まれた諸施策で、自社の経営に与える効果が特に大きい政策
　（複数回答）を聞いたところ、「ＴＰＰ、日中韓ＦＴＡ、日ＥＵ・ＥＰＡを促進」
　が73.1％と首位。２番手に「新しい税制やリース制度による設備投資促進策」
　が71.3％で続いた。「再生可能エネルギーの普及」（47.2％）、
　「石炭火力発電所の建設・原発再稼働」（41.7％）も多く、
　電力の安定供給などに関心を持つ企業が多い。東レは今後の成長へ
　「（電力問題など）６重苦を本質的に解消してほしい」とコメントした。

　首相は成長戦略について「世界から、ヒト、モノ、カネを呼び込んで、
　それを成長の糧にする」と強調。日本を舞台にした企業の投資拡大に期待を寄せる。

　国内での民間投資については今後３年で2012年度比で10％増やす目標を掲げた。
　アンケートで達成の可否を聞いたところ、ユニ・チャームのように
　「十分な政策対応があれば」との条件付きで達成可能とみる企業が31.5％を占めた。
　「十分に達成可能」（20.4％）を合わせ、過半の51.9％が今回の成長戦略が
　一定の投資上積みをもたらすと見ている。

　日本経済新聞社が６月初旬にまとめた13年度の設備投資動向調査では、
　785社の国内投資計画は12年度実績比で１割増える。
　成長戦略はこうした動きをさらに後押しする可能性がある。
　（以下略）


ま、「法人負担を軽減」って謳っているんだから企業経営者の評価が高いのは
そりゃそうだろってカンジではあるのですが。

他にも、電力の安定供給への期待、つまり原発再稼働へ言及してるだろうってのは、
いかにも大マスコミらしいですし、「設備投資を後押しする可能性がある」とか、
まあ、成長戦略（笑）万々歳といった論調でありますね。


ところが、さて、13日の株式市場はってえと、終値が前日比-843,94円と大幅値下がり。
日経絶賛のアベちゃんの成長戦略（笑）がまるで効いてません。
というかむしろ、円高も93円台まで進んじゃって、逆効果かのようです。

これは一体どうしたことでしょうねえ。

つい先日は日経平均が600何十円も値上がりしたってんで喜んだのもつかの間、
13日はそれ以上に値を下げてしまいました。


今月の5日にアベちゃんが成長戦略第3弾を発表したときも、
その直後に大きく値下がりしてましたが。

13日の値下がりはまた、前日にアベちゃんがやはり成長戦略を発表したばかりという。

まぁ皮肉なものといいますか、アベちゃんも良かれとしてやったことなんでしょうが、
続けて裏目に出ちゃってますね。

なんかもう、言ったらやぶ蛇みたいで、もう何も言わなきゃいいんじゃないかと。

そうは言っても、アベちゃんや政府は言っておきたいのでしょうね。
先日の成長戦略第3弾発表で株価を下げることになってしまった挽回を、
なんとかしたかった、それが12日の発表なのではないでしょうか。


しかしそれがもはや、アベちゃんの言う成長戦略（笑）やらアベノミクス（笑）やら、
ただのハリボテにすぎないと市場に見透かされてるんじゃないですかねえ。

叩けば穴が空くし風が吹けば倒れるのです。

だから何を勇ましくいってもネガティブにしか反応してくれないと。
そんなことだったりしませんかねえ。


まったく、そんな具体性のない発表やらでいつまでも期待感を煽るだけで
株価を維持しようと目論んでるってことですかね。
そんなのいつまでももたないのはここ2，3週間ではっきりしてるでしょうに。

株価をこんなオモチャにするんじゃなくて、
経済の実態を写す健全な市場運営はできないものなんでしょうか。


まぁしかし、こうやって株価が下がると閣僚とか政府関係者とか、
市場について余計なことは言わない、みたいにさも誠実かのような態度になるんですが、
これが株価が上がれば、やれアベノミクス（笑）の成果だ、なんてはしゃぐのですよね。
どうしたものやら。