NAGAHAMA NOTE

日々、学習塾を運営していて感じることを塾長、永濱が綴っています。

通塾率が上がっているのに学力低下???

2007年12月05日 22時59分59秒 | 学習塾経営
先日、経済協力開発機構(OECD)の学力到達度調査(06年実施)の結果が
報告、公表されていて、日本の学力低下が顕著に示されていた。
ゆとり教育の見直しの風がきつくなることは間違いないと思われる。

でももう1つ見落としてはいけないのが通塾率だ。
年々通塾率は上がっている。
特にゆとり教育で指導要領が3割減になったころからがピークに塾通いが
目立ち問題にも挙げられてきた。

つまり、今回テストの対象となった高1生は6年前の高1生よりもむしろ
学習塾で勉強している層ではないのかと思う。
学級崩壊、授業崩壊、ゆとり教育で学力低下、などと言われているが
実は学習塾にも大きな原因がある。

試験の結果を見てみても「考える問題」「説明させる問題」などの
正答率が見事に低い。詰め込み教育、暗記学習になっているために、少し
出題パターンが変わると右往左往してしまう。

だからといって今度は学校の授業で自分の考えを発表させるような形式の
授業を取り入れて、あたかも詰込授業からの脱却、みたいなことをしている
学校もあるようだ。1からすべてシナリオが考えられていれば効果はあると
思うけど結局はこのようなテストの対策のために学習スタイルを変えて
生徒に説明させるような授業を多用する・・・
そして生徒はまたその手法のパターンを暗記しようとする。
そんなのはまったくの愚策だ。


根本的には子どもたちを「考えられない子ども」にしてしまっているということ。
「考える練習」などさせたところでそんなのは問題に対するイロハに過ぎない。
またその手法を覚えようとするだけだ。

要は子どもたちのやる気を心の奥底から引き出してこなくてはいけない。
そのためにもっと周りの大人がド真剣にならなくてはいけない。
僕が向かう学習塾のスタイルは「やり方を教える塾」ではなくて、開校時から
ずっと不変で、「自立できる塾」にしたいということ。