The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

キュイジーヌの真髄

2008-05-27 21:53:34 | キュイジーヌ
お任せのコース一つのみがカンテサンスのキュイジーヌのスタイルであります。

その日の13皿の料理の流れの中で、『原木しいたけとセップ茸のサブレ』に始まり、メインの料理の『シャラン鴨の3時間ロースト、ソースシュークルート』までがキュイジーヌの一区切りの8皿、チーズの一品を挟んで、残りの4皿がデザートとなります。

まあ、デザートと言いましても、その4皿全てがキュイジーヌの一環と言ってもいいでしょう。

ここまでがキュイジーヌで、これ以降がデザートという所謂線引きはありません!

正しく、始まりとともにアピタイトが刺激され、一気に貪る様に食べつくし・・・
しかし一方では、気がつけばあっと言う間に5時間が経過した、という印象でありました。

カンテサンスの料理は、これまでワタクシが経験したグランメゾンのそれとは全く違います。

それが何か?と問われれば・・・

一つは『ストイックなまでの食材へのこだわり』である事だけは確かであります。

そしてもう一つは、全ての無駄なデコレーションを削ぎ落とすことによる、料理に宿す鋭敏な感性の表現という事でしょうか?

そして、決して重くはなく、終わってみれば、またもう一度挑戦したくなるキュイジーヌなんですね・・・

これらを見事に具現するキュイジーヌが『シャラン鴨の3時間ロースト、ソースシュークルート』であります。

この料理こそカンテサンスの三つの重要なコンセプト、
『プロデュイ(素材)』『キュイソン(火の入れ方)』『アセゾネ(味付け)』を全て網羅した一品といって過言ではないでしょう。

素材はもちろん最高級のシャラン鴨を使います。
しかもその鴨を丸々一匹をローストするわけです!

火の入れ方は独特の手法、焼いては冷まし、また焼いては冷ます・・・
じっくりと均一に、そして丸ごと!岸田S三シェフ付きっ切りで、繰り返すこと3時間の手間のかけぶりなんですね・・・
ですから、焼け方が完全均一で味わいは極めてジューシーに出来上がるわけです。
これは本当に驚きでした。

そして、味わいはサプライズのシュークルートによるソースを添え、
焼きの柔らかさとタッチの滑らかなソースのコラボを楽しみました。

この料理に市村N央シェフソムリエは04’シャトー・ラヤのシャトーヌフ・デュ・パプ レゼルヴを合わせました。

これは何とも絶妙のマリアージュ!
白二本と赤一本のオーダーにどう対応するのか?と思いきや・・・

極めて流麗なブルゴーニュをも彷彿とさせる、しかもボルドーの堅固さも持ち合わせるシャトー・ラヤの登場です!

料理ともども恐れ入りました!