普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

自民党の総裁選率候補者へ

2008-09-05 14:45:07 | 福田内閣

[中曽根さんの意見]
 4日の毎日放送のNEWS23で久しぶりに中曾根 康弘さんが今の政局に就いて話していた。(私の意見)
・今の政治家:世襲が多く苦労が足りない、ひ弱で脆い(賛成)
・麻生さん:明るくて物をはっきり言う人、自分の信念を持つ一方漫画好きと言う一面を持っているのも良い、これに何かあれば直言してくれる怖い後ろ楯の政治家または学者がいれば鬼に金棒だ。(賛成)
・小沢さん:政治家として大成した人だ、話せば判る人、政権を取れば大連立の線が生れるかもしれない。(中曽根さんは連立の推進論者だそうだ。私は部分連立ならとにかく大連立は反対。話せば判る小沢さんが大連立の話の時以外、福田さんの「話し合い路線」に対して、依怙地なまでに一切の話合いを拒否したことには触れなかった。)
・内閣が出来たら直ぐに解散するのが筋だが、現状を考えると新内閣の政策が浸透させる為には国会で論戦を交わす方が良い、そのためには1年位は必要かも知れない。(賛成)

[立候補者の経済政策]
 今回の総裁選には麻生さんを含めて4人の人達が立候補するそうだ。
 その4人の人達とそれを推す人達に言いたい事がある。
 その一つは民主党のマニフェストでは実質的に殆ど触れれていない経済政策だ。
 自民党は政権与党らしく経済政策を争点の中心にしているのは良い事だ。
 報道されるその争点の違いは
・麻生太郎さん:赤字国債発行も辞さない積極財政派、「財政再建よりも優先すべきは景気対策」、「プライマリーバランスを2011年度に黒字化する政府目標の先送りも選択肢の一つ」、消費税10%アップも必要と公言
・与謝野馨さん:財政規律重視、消費税10%アップも必要と公言
・(中川秀直さんの推す)小池百合子さん?
 中川さんは、経済成長を重視する「上げ潮派」、構造改革の推進と歳出削減を唱え、赤字国債の発行にも反対。
・石原伸晃さん:中川さんと同じ路線

[経済政策論争について]
 経済政策についての今までの政治家や学者の主張の傾向は、自分に主張に不利なことは意識して避けることだ。
 その一つは今の経済の状況が急変し、その処理が極端に難しくなっていることだ。
・麻生さんは赤字国債を発行してでも、経済を振興させると言うが、以下のような問題点がある。
 a.小泉さん以来の緊縮財政でも先進国で唯一日本だけが、債務残高が異常に大きくしかも増大し続け、それが今の政府が経済発展のために投資をしたくても出来なくさせている。
b.少々の投資をしても、今の状況ではその効果は知れていること
c.箱もの(道路を含む)が飽和状態になり始めているのに併せて縮小しなければならない土木建築業界の合理化を政府の公共投資が遅らせていること

・中川さんの言う小泉路線を継承と、経済成長重視の問題点
a.今は小泉政策の影の部分の問題、医療制度、社会格差の発生→世情の不安定など、小泉路線の影の部分の綻びについての対策に政府が追われており、今は小泉路線の継承でなく見直しの時期と国民が皆が思っている
b.経済成長と言ってもその具体策は今の厳しい状況では実効性のある対策は殆ど
ない、例えば石油、食糧、飼料の価格高騰による富の流出、高い原料を買って安い製品を売る輸出政策の行き詰まり、その対策としての国内消費の増加と言っても少子高齢化の進展、非正規社員の増加→国内の平均収入の減少→消費の減少など。

 詰まり、今の厳しい経済環境の中では、どのような経済政策にも大きな問題が含んでいるのだ。
 それで自分たちの主張の問題点を隠して相手の主張の欠点を指摘するなど不毛かつ無益な論争は、衆院選になれば野党の攻撃の的なるだけだ。
 もし経済問題を論争するのなら、全く新しい観点から前向きの具体的なしかも野党の攻撃に耐えるような提案をするべきだ。

[総裁選に関する私の意見]
各候補者の意見の共通点
 経済問題を除けば、各候補者やそれを推す派閥の主張にも共通点が多いと思う。
 海上給油、公務員改革、官庁や国会の合理化(特に国会の定数の削減は是非提案して貰いたい)、年金、医療制度の見直し、それに対する消費税増税を含む財源の確保などなど。
 ただそれにどのような優先順位をつけるかが論争の争点になるだろう。
 強いて各候補者の考えの違いを言えば、対米国、中国、韓国などへの対応について異論の別れる所だと思うが、そのようなことを公の場で論争するなど馬鹿なことをする人はいないと思う。
 前回かその前の総裁選と言う政治の場で「靖国神社の参拝をしない」と言う宗教に関する公約にした人がいたが、今度の総裁選でそんな公約をする人が出ないと信じている。

総裁選から国会審議までの戦略
 それで総裁選は是非前向きな新しい提案を出して論議して貰いたいものだ。
 それが一部の人が言うように総裁選を盛り上げ、マスコミの注目を集めることになるだろう。
 そして民主党がその総裁選の議論に対応して、今までの人気取りのマニフェストを見直してより現実的なものに直してくれるとすれば、日本に取っても良い事だ。

 然し中曽根さんが指摘したように、自民党内で言われている、「総裁選で盛り上げ、新内閣で支持率を挙げた所で一気に解散」などは考えずに、国会の論戦で自民党の政策を国民に良く知って貰った上で、総選挙に突入すべきだ。

マスコミ、特に選挙中のテレビの影響力
 何故なら、前にも書いたが、小泉、安倍選挙でのマスコミ、特にテレビの果たした役割を見れば判るように、選挙では自民党は野党だけなく、既に反自民の姿勢を明らかにしている朝日新聞とその系列のテレビとそれ引きずられた他のテレビ、場合によれば民主党始め野党のキャンペーンより遥かに大きな影響力を持つテレビを相手にして戦わなくてはならないからだ。
 そしてテレビは各党の政策の良否など討論番組を除いては伝えてくれないのだ。
  参照:福田さん辞任のマスコミ報道
[与党に不利な選挙中の報道]

国会での議論を通じての自民党の政策浸透
 国会論戦を通じて自民党の政策を浸透させるためには、新総裁は自分の意見をはっきり言う事、自民党としては「戦う自民党」に変身して今までの防御一本槍から野党、特に民主党やそのマニフェストの攻撃に転じることだ。
 そうすれば国会の審議が面白くなり、マスコミも飛びついてくれ、自民・民主の政策を自然と放送してくれることになるだろう。
 唯一の私の提案の問題点は、国会論議を通じて折角組閣で上がった内閣や自民党の支持率が落ちる可能性があることだ。
 その時は自民党の政策が国民に受け入れないここと、選んだ新総裁が国民に受け入れられなかっことを反省すべきだ。
 それだけに総裁選と、自民党の政策決定には一層の緊張感を持って当たって貰いたいものだ。
 党内外の一部の人達の言う様にお祭騒ぎどころではないと思うのだが。

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参照: 
  
その場凌ぎの政治から脱却しよう
   話し合い路線から戦う自民党へ


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