安倍さんは轟々たる非難の中で続投を宣言した。
それはそれで一つの選択肢の一つだ。
然しその前にやらねばならぬことがあると思う。
<<改造の前にやること>>
報道される今の自民党の内情や世論の動向から考えて改造の前にやらねばならぬ事は、今回の敗戦の総括とそれに対する安倍内閣の責任を明らかにすることだ。
このことを安倍さんが口にしないことは、私たち政治の素人眼からは判らない、安倍さんの政治生命に関わる大きな問題になるのを恐れているのかも知れないが、今がその危機状態にあることを考えると、その危険を犯してもやらねばならぬ決断の時期に来ていると思う。
唯一の救いは今となっても与論調査では次期の首相に相応しい人は、安倍さんが一位になっていることだ。
安倍さんは続投により自分の責任を全うしたいと言っているが、これだけでの理由で後は口を噤んでいては、国民も自民党員も納得しないのは当然だ。
安倍さんが反省すべき点は、
1.リーダー・シップの取り方の勘違い
リーダー・シップとは自分が直接全てのことに手を下す事ではなくて、部下にそれをやらせる事だ。
そして部下の実行させる間に問題にぶつかっても、自分の信念を曲げずに彼をバック・アップしてやり、必要な時に限って自分が前面に出てそれに対処してやる事だ。
その勘違いから、所謂仲良し内閣を作り、何でも自分でやろうとし、思いつき、小手先の政策を打ち出して、党内からも反対が出るあり様だ。
安倍さんは小泉さんが竹中さんを使ってやった手法に学ぶべきだ。
彼のやった改革の殆どのもの、詰まり、金融、経済の改革は竹中さんの手によるものだ。
小泉さんの多年の懸案の郵政改革さえも最後の仕上げは竹中さんが行った。
その間小泉さんは国会答弁以外、よそ目にはなにもしなかったように見えたが、影ではしっかり竹中さんを支えていたと思う。
それがリーダー・シップと言うものだ。
何か事があればいつも、安倍さんの名前がいつも報道されていたのは、彼のリーダー・シップの欠如を示すものだ。
2.慌て過ぎ、前を見過ぎた政策の基本方針
安倍さんは戦後レジームの脱却、小泉改革の継承、憲法改正を唱えた。
私の眼からは、安倍さんの具体策は実は小泉政治からの脱却と仕残した分の遂行だと思ったのだが、安倍さんはお人好しにもそれを口にしなかった。
そして安倍さんが実際にやったことは、戦後レジームの脱却どころか、野党からの小泉政治の歪みと仕残した部分の追求に対する思いつきの彌縫策の立案だった。
そしてその対策に負われて、野党からの追求から洩れた地方格差を放置したのを小沢さんにうまく突かれて今回の大敗の一因となった。
3.拙かった安倍さんの政治手法と選挙演説
(1)強引な議会運営
安倍さんは選挙で彼が如何に多くの法案を通したか力説していたが、それを聞いた国民は誰もが首を捻った強引な議会運営を思い出していた。
(2)慰安婦問題に対する失言
一旦国が謝ったのにとやかく言って却って問題をこじらせてしまった。
(3)内閣のメンバーの不祥事にあくまで当事者を庇って、結局安倍さん自身の評判を落としてしまった。
私もお人好しなので、安倍さんの気持ちはよく分かるが、政治家は時には冷たさも必要だと思う。
(4)内閣改造の時期を失した。
私は何度もブログでも書き、時には投書もしたが、内閣のメンバーに、首を捻る様なひとがいること、そしてその人が問題を起こした事、メンバーの力が弱い事、安倍さんを補佐し、直言する人が居ないことから、内閣改造をせよと言った。
その時期は勿論参院選前と考えるのが当然だが、それを見送って、法案を通す為に会期を延長し、強引な国会運営をしたこと、マスコミの赤城さんの報道などで深い痛手を負う原因となった。
その他、多くの問題があるが興味のある方は、カテゴリー → 安倍内閣を見て頂きたい。
安倍さんは続投の理由として、自分の責任を全うしたいと言うだけだ。
彼は続投を決めた以上、内閣改造の方針と、政策の見直しを過去の反省に立って、国民とと党内の全員に明らかにすべきだ。
<<内閣改造と政策方針>>
1.内閣改造の方針
(1)実力者を選ぶ
閣僚の担当部門の政策実施に当たって、安倍さんが何も言わずとも確実に実行できる人を選ぶ。
特に重要部門には竹中さんの様なエースを入れる。
(2)安倍さんに直言できる人を入れる。
(3)全般に亙って安倍さんを補佐出来る人を入れる。
(4)派閥人事を避ける。党内外から人材を集める。
例えば平沼さんのような腹の座った人。竹中さんのように政治家の立場に恋々としない人。
2.基本政策
(1)私はいつも言うように「小泉政治からの脱却」の方針とその表明が一番良いと思うのだが。
それが政治的に難しいのなら、小泉政策の影の部分の修正など目の前の問題についてもはっきりと方針を出す。
憲法改正、「美しい国」など遠くのことも良いが、現状からは余り前面に出さない方が政治的には良いのかも知れない。
(2)ばらまき政策でなくて、世に言われる地域や社会格差の是正と言う難しいことについても何らかの形で明らかにすべきだと思う。
3.情報機関の設置
(1)安倍内閣発足時の基本政策の早急な実施
理由は彼の言う主張する外交の基本ベースになるもの。
慰安婦問題のように、一部の在米の中国、韓国のロビーストにも負ける貧弱な情報戦争に負けない戦力の強化だ。
(2)国内の世論を吸い上げる機関の設置
これは政府、自民党のいずれに設置するか問題だが、今回の選挙で感じたのは安倍さんの考え方と国民の考え方の遊離だ。
国民からのクレームを吸い上げ、分析し、安倍さん始め閣僚、与党に配布し、いつも彼らが国民から遊離していないか、自戒の資料にすることが必要だと思う。
小泉改革で自民党は多くの地盤を失い傷つけられた。
これはある程度やむを得ないと思うが、今回の選挙でもはっきりしたのは、勝敗の行方を決めるのは無党派層の動向だ。
彼らの心を把握するには、しっかりした情報収集、分析システムが必要と思う。
今までのように情報収集が楽な特定グループに対すると同じやり方では、ますます安倍さんも与党も国民から遊離して行くだけだ。
ついでですが、マスコミで人気の升添さんが、彼への通信の手段を明らかにしていないこと、山本一太さん、世耕さんのブログのコメント、TRが閉鎖されている事実を見ると、そのようなくだらない意見を聞かずとも、自分達は一般の人達(特に無党派層)のことなどよく判っているのだと思っているのですかね。
参照:
カテゴ゛リー → 安倍内閣
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