普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

中川秀直さんの動きから見た自民党

2009-09-10 16:07:31 | 麻生内閣

今日は自民党の抱える問題点を中川秀直さんの動きを通して考えて見たいと思います。

 9月5、6日の両日、産経新聞社とFNNが実施した合同世論調査の主な質問と回答を見て下さい。

・民主党の勝因として最も大きかったのは?
 鳩山代表への期待 6.3 党の政権公約への期待29.2 個々の候補の政治姿勢への期待 5.6 与党の政策や政治姿勢への批判52.8 わからないなど 6.1
・民主党が掲げた政策は実現すべきか?
 「子ども手当」の給付 58.0、高速道路の原則無料化 26.1、大型公共事業の見直し78.6、予算編成や執行の見直しう87.4、政治と官僚の関係の見直し87.5、インド洋で給油活動をしている海上自衛隊の撤収 思う36.4
(なおこの世論調査結果に就いては、各設問の回答で矛盾すると思われるところもありますが省略します。)

・公務員制度改革
 私は何度か、もし麻生さんが敗退するとすればその敗因の大きな一因は公務員制度の見直しへの麻生さんの弱腰姿勢(少なくともそう国民に見られていること)だろうと書き、麻生さんが指示した国の出先機関の廃止・縮小は官僚や族議員の反対で頓挫、「天下りとわたり」への消極姿勢、厚労省分割案の立ち消え、国家公務員の幹部人事を一元管理する「内閣人事局」への組織の移管は人事院総裁の反対で腰砕けに対して、その一つか二つでも麻生さんが強い決断を下せば、事態は大きく変わるのにと書きましたが、傍目八目で私の予想した通りの結果になり、世論調査でも民主党に期待するものとして、予算編成や執行の見直し、政治と官僚の関係の見直しが90%近くなど、国民の殆どがそう思って投票したことを示しているようです。
 その点中川グループの人達の小泉改革の一環としての公務員制度改革推進の考え方は間違っていないと思います。
 ただ問題なのはそれが麻生批判や麻生降ろしなどのマスコミへの発言に終わったことです。
 外野から見て、彼らがやるべきだったのは、党内基盤の弱い麻生さんを助けて、党内の改革反対勢力の説得をしたり、官僚への働きかけをして側面からの支援をし、そのいくらかでも改革の実現させることでした。
 もしそれが出来居たら政局は大きく変わっていたと思うのですが。
 事実は彼らの動きが麻生内閣や自民党の支持率を落としただけに終わりました。
 今回の調査の民主党勝利の要因は半数以上が、与党の政策や政治姿勢への批判を上げているのを見ても判ります。

・日本郵政の西川社長の解任問題
 日本郵政の問題についての麻生さんの「私はもともと郵政改革に反対だった」の発言は明らかに自民党が行ってきた郵政改革を否定するもので、首相としては許されない発言です。
 しかし、「かんぽの宿」譲渡問題には明らかな不手際があり、それに就いて鳩山邦夫が疑義を唱え、社長罷免の発言まで発展したとき、中川グループの人達は民間会社になったのに、幾ら認可権を持っていても政府が口出しするのは可笑しいと反対しました。
 麻生さんは約80人もの小泉チルドレンを持つ中川グループやそれを支持する人達の意向を無視出来ず、鳩山さんを解任してまたそれが支持率を大きく下げる原因になりました。
 小泉さんの郵政改革は人のすることですから、万全なものでないのは当然で、悪い所があれば直すのが当然です。
 改革に不備があればそれを完全なものし、更次に進むのが推進派の仕事だと思います。 しかも100%の株を持つ政府は郵政公舎を管理する責任があります。
 多分、前記の麻生さんの許されない発言で所謂改革派の人達は強い警戒感を持っていたと思いますが、当時は既に自民党大敗が予想されていました。
 ここで政治的にどうすべきかは、私が当時も書きましたように素人でも判ることです。

・解散直前の麻生降ろしの動き
 そして国会解散直前の中川グループの麻生降ろしの動きです。
 これに就いては何度も書きましたので簡単に書きますが、彼らは都議選大敗の責任は麻生さんにあるとして動いているのに、肝心の都議連から敗退の原因は党内の混乱だとする抗議文を貰っても、まだその動きを止めず、解散直前の党内の混乱が麻生内閣や自民党の支持率の低下と、衆院選についての大敗の大きな原因の一つになりました。
 そして衆院選で中川秀直さんや武部さん二人とも選挙区で選挙直前の動きの批判の声を聞いていると思うのですが。

・両院議員総会前の動き
 そして今回の両院議員総会前に、中川さんと武部さんはまたグループを率いて会合をもったそうです。
 私は二人のことを責めるより、二人に率いられた若手の人達に言いたいのです。
 彼らはもう派閥の時代は終わった、小選挙区で負け比例で復活したベテラン議員はもう表に出ないでくれ、これからは中堅・若手に任せろと言っています。
 そう言いながら比例区で復活した当の二人にくっついているのは何故でしょう。
 中堅・若手が自立出来ないでこれからの自民党はどうなるのでしょう。
 私は何度も(中川さん、武部さんを含めて)自民党が世の中からかけ離れた存在に成り掛けているかも知れない書きましたが、肝心の一部の若手・中堅の人達もそう成り掛けているのではないかと心配しています。
  私は今回の選挙で大きく人数を減らした自民党では、落選した人も比例区で復活したベテランも皆貴重な人材です。仮に彼らが表に出なくても、地方の活動、若者のリクルートと教育、野中さんも言っていましたが、国会の戦術の策士としての活用など、それぞれの得意の分野で頑張って欲しいと思います。
  然しその活動のやり方でマスコミの批判を受け党の支持率を下げないような気配りも必要だと思うのですが。
 先日今回落選して引退を考えている笹川さんも言って居ましたが、いまの自民党にとつて何よりも必要なのは、中川さんや武部さんも含めて、国会議員全てが現場に帰り、国民とのコミュニケーションを密にして、国民から遊離しない体制を作ることだと思います。

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