普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

体罰訴訟の最高裁判決

2009-04-29 16:55:15 | 教育問題

「力の行使」限定的に認める…“体罰”訴訟の最高裁判決(読売新聞より)
 
熊本県天草市の小学校で、児童の胸元をつかんだ教師の行為の是非が争われた訴訟で、最高裁判決は28日、教育的配慮があれば、教師が児童生徒に一定の「力」を行使しても、やむを得ない場合があると判断した。
 判決は、体罰批判を過度に恐れ、遠慮がちに子供と接している教師に、毅然とした対応をちゅうちょする必要はないことを示したと言える。一方、判決は、極めて限定的に「力の行使」を認めたもので、体罰を容認したものではない。
 男児の母親は教師を刑事告訴しており、判決も「男児の母親が長期にわたり、学校関係者に対して極めて激しい抗議行動を続けた」と言及、訴訟の背景に保護者の過剰なクレームがあったことを示唆した。

 テレビの報道によれば、男子児童2名が女子児童の数人の尻を足蹴にしたのを通り掛かった教師が注意したところ、男子の内の一人が教師の尻を蹴ったので、彼の胸元を取った壁に押しつけて、「もう、すんなよ」と大声で叱っただけのことの様です。
 戦前派の私から見れば、この教師は何と優しい人だと思うのですが。
 それはともかくとして、今回の最高裁判決は色々なことを示しているようです。

  これに対して、読売の社説は概要次のように書いています。
 
・相手が教師であればもちろん、友だちでも蹴ってはならないことは本来、家庭がしつけておくことだ。
・教師が毅然とした態度で、厳しく指導したのは当然だろう。
・児童生徒に友だち感覚で接したり、度を越した悪ふざけや暴力的言動を見過ごしたりする教師がいるが、教える側と教わる側であることを、忘れてはならない。
・児童生徒の暴力行為が増加傾向にある。
・生徒や保護者が教師らに対し、「クビにしてやる」などの暴言を吐くケースもある。
・文科省も、教師が児童生徒の暴力行為から身を守るため、やむを得ず力を行使するのは体罰にあたらないことなどを明確にし、通知を出した。
・最高裁判決は、今回の行為が教育上適切だったと認めたわけではない。判決が「やや穏当を欠く」と指摘したように、教師が手を出すことは、児童生徒に恐怖心や反抗心を生みかねない。
・熱意があっても技量の追いつかない教師や、指導の難しい子どももいる。だからこそ、校長ら管理職や教育委員会の支援が欠かせない。保護者や地域住民の理解と協力を求めることも重要だ。

 私は読売の主張にほぼ賛成ですが、この他に次のような問題があると思います。
[教育委員会のあり方]
生徒や保護者が教師らに対し、「クビにしてやる」などの暴言を吐くケースもあるのは本来教師を支援すべき教育委員会が世間の批判を恐れて、一方的に父兄側に立つ傾向があるからです。
 最近は学校問題の基本に家庭のしつけ不足が指摘されていますが、このような家庭教育または指導するのは、学校でなくて教育委員会の仕事です。
 一般的に言って過去の日教組との対立からの歴史を引きずって、何かあれば教師を締めつける傾向があると思います。
 今回のケースが最高裁まで持ち込まれたことは、読売が遠回しに言う様にモンスターペアレンツの母親とそれを支持する弁護士相手に、教育委員会が頑張ったことを示すもので、評価して良い事だと思います。

[家庭のしつけ]
 もう一つの問題は家庭のしつけの問題です。
 原告側は講師に怒鳴られた後、男児が夜中に泣き叫んだり、一人で寝られなくなり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されたと主張した。東京新聞
より)
そうです。
 これ位のことで精神障害を起こすような子供を育てたのは親の責任です。
 やはり子供が悪い事をしたときは、時に厳しく叱ったり、言う事を聞かないときには、度を過ぎない程度の体罰もいると思います。
 そのようなひ弱な子を厳しい競争社会に送り出して、細かいことでも行き詰まれば精神障害を起こさせかねない子に育てるのは、果たして子供の為になるのでしょうか。
 そして私の持論ですが、日教組全盛時代の権利重視、義務・責任軽視の教育、一方では個性尊重の名のもとで、甘やしてきた生徒・児童が親になり、その内のごく一部の親たちが、が自分のことは棚に上げて、問題があれば何もかも学校や教師の所為にするのだと思います。

[裁判員制度のあり方]
 最高裁が下級審の判決が「やや穏当を欠く」と指摘したそうです。
 裁判所り不穏当な判決させなないために、一般市民の常識を判決に活かす目的で裁判員制度が出来ました。
 今回のようなケースこそ、一般の人が裁判に参加しておれば、最高裁まで行かずとも適切、公平な判断が出来た筈です。
 然し残念ですが、同制度は刑事事件、然も死刑か無期かの重大事件、然もずぶの素人が量刑まで課さねばならないのです。
 何故、裁判員制度が民事事件に適用されないのか改めて考えさせられます。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
生徒の暴力の方が問題 (ぜろぼうず)
2009-04-29 17:15:19
中学や高校で不良な生徒が幅を利かして、教師を脅迫していることは問題にならないのか。
 教育現場が荒れている。
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Unknown (田中)
2009-04-29 20:41:46
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