政府が発表した出先機関改革の工程表について、読売はその社説の出先機関工程表 首相は不戦敗を繰り返すなで概略次のような批判をしています。
・地方分権に抵抗する族議員と官僚に対する麻生首相の不戦敗――。そう言わざるを得ない。
・出先機関の統廃合案や職員3万5000人削減の具体案は一切盛り込まれず、年末の出先機関改革大綱に先送りされた。
・今回の工程表では、提言をどこまで政府の方針として決定できるかが最大の焦点となっていた。
・麻生首相は地方分権を「内閣の最重要課題」と強調する。鳩山総務相も「サンドバッグになる」と言い、反発する関係府省との調整に意欲を示していた。ところが、閣僚折衝さえ開かれず、中身の乏しい工程表になってしまった。
・工程表の作成には、難しい時期であったのは事実だ。景気が悪化し、政府による強力で迅速な経済・雇用対策が求められる中、権限や職員の地方移管にブレーキがかかった。
・内閣支持率の低迷に伴う首相の求心力低下も、族議員と官僚の既得権益保護の動きを許した。
・地方整備局の道路特定財源の無駄遣い、地方農政局のずさんな事故米の監督……。国会・地方議会や住民の監視が届きにくい出先機関で不祥事が多発している。
・不戦敗を繰り返すことは許されない。年末の改革大綱で具体的な成果を上げるには、政府は早い段階から、周到に調整を進める必要がある。首相や総務相が要所で指導力を発揮すべきだ。
・次期衆院選で、地方分権は一つの争点となろう。民主党は、「出先機関は廃止・縮小」などと、より急進的な政策を掲げている。
・与党が出先機関改革をすべて衆院選後に先送りするようでは、言行不一致が問われよう。事務の地方移管や職員削減について、具体的な数値目標を掲げるくらいの積極性を見せてほしい。
読売新聞の社説は割と公平な批評をしていると思いますが、毎日は地方分権工程表 首相には荷が重かったなどと麻生さんを小馬鹿にしたようにタイトルで今回の工程表について批判しています。
[私の意見]
・改革の為の閣内協力
今回の地方分権工程表作成の関係者は麻生さんは勿論ですが、総務大臣で地方分権改革担当の鳩山邦夫さん、 農林水産大臣の石破さん、国土交通大臣の金子さん、公務員制度改革担当大臣の甘利さんなど錚々たるメンバーが揃っています。
特に鳩山さん、石破さんなどははっきりと麻生さんを支持すると表明し、改革の意欲もあり党内での発言力もあるようです。
その中でも農水省では最近の「ヤミ専従隠し」が主として出先機関で行われていることを考えると、地方分権は地方自治体の今までの政府出先機関の監視強化につながると言う大義名分も立つと思うのですが。
読売が指摘したように、何故、閣僚折衝さえ開かれなかったのでしょうか。
少なくとも閣僚折衝など公式でなくても、麻生さん主導で関係閣僚が非公式にでも顔を合わせて腹を割って話し合いをしてはどうでしょうか。
・官僚制度改革の必要性
確かに読売が指摘したように、今の厳しい情勢では既に決定している雇用能力開発機構の解体でさえ緊急の離職者の職業訓練などでその実施が遅れるように、なかなか動き難い情勢にあるのは間違いありません。
然し麻生内閣(実は自民党内閣)の一番の弱い点は官僚制度の改革の遅れです。
その点が中川秀直さんを始めとする党内から麻生内閣の弱腰批判になっています。
勿論、麻生さんも、国家公務員改正法や、天下りや渡りの問題にも取り組んでいますが、報道によれば、同改正法に対する人事院総裁の反対に内閣が対応仕切れないなど、そのいずれも麻生さんの弱腰の批判に繋がっています。
麻生さんは消費税増税を唱えましたが、その前に中川秀直さんやマスコミが批判するように公務員制度の改革や(麻生さんは自民党の公約に入れると言っている)国会議員定数の削減などによる行政のスリム化がなければ国民の納得はえられないでしょう。
一方では、国民の政権交代を期待する最大の理由は「民主党が政権を取れば、今まで放置されてきた官僚制度改革が出来るのではないか」と言う期待です。
・麻生さんの強いリーダーシップを
前にも書きましたが、各省庁や党内の族議員が反対するのなら、改革案と同じ程度の効果(例えば人員削減などの)を持つ対案を出させること、そして、それもなしに省庁が無闇の反対するのならその長である事務次官を更迭し、族議員の場合は反対論を完全に無視し(そして経緯を出来れば橋下さんのように公表する)てはどうでしょうか。
マスコミの指摘する麻生さんの最大の弱点は彼のリーダーシップの不足であり、国民の期待するのも、小泉改革の弊害に悩まされている今でさえ、小泉さん人気が衰えないのをみるように、首相としてのリーダーシップです。
もし麻生さんが強い決意と決断を見せれば、麻生さんの支持率は一気に上がると思うのですが。
そして自民党員の中には内心はいやいやながらの人も居るかも知りませんが、彼にリーダーシップを発揮させるのが、低迷に喘ぐ自民党の支持率アップに繋がるのは間違いないと思うのです。
何故なら今まで麻生降ろしをしてきた、武部さんや中川秀直さんさえ麻生さんを担いで衆院選に臨むしかないと言っているのですから。
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毎回のように小泉さんを否定されていますが、貴方様はどのような被害を受けどのような損害を受けられましたか?
以前ブログに「今の自民党にしたのは小泉さん」だと書いてありましたが、そうでしょうか?森政権で自民党は下野寸前だったはずです。
それを救ったのは小泉さんです!
痛みを伴わない改革は無いと思います。改革の道程で色々批判する事は誰でも出来ます。
価値判断は短期スパンで出来るものと出来ないものがあると思います。
「ビジネスオンライン」に「変なニッポン」と言う記事がありましたが読まれましたでしょうか?
「改革に反対する声が多くあるが、いったい国民の誰が規制緩和に反対なのでしょうか。
一部の規制が緩和されたことで不利益を被った、いわゆる既得権益者が、ここぞとばかりに言っている声をメガホンで、虫眼鏡で拡大してそれがあたかも国民の声のごとく「官」が喧伝しているように僕には見えていると言う事です。」
私もその通りだと思いますが、貴方様はどう思われますか?
最近の鳩山大臣の可笑しな言動を見るにつけ旧来の政治で甘い汁を吸っていた人達が昔に戻したいが為に騒いでいるように見えます。
国民の民意を無視するような内閣だから国民の支持が得られない事が分からない麻生さんにはがっかりです。
ところで平成になってから「小泉元総理」以外に評価できる総理大臣っていますか?
私もすべてを良し!とは思いませんが小泉さんの勇気と決断力は評価し忘れられません。
長くなって済みませんm(__)m